校長挨拶

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揺るぎない伝統と女子教育の理念

嶋野校長
校長 嶋野 恵子

 本校は、渋谷駅から六本木方面に向かい徒歩10分、青山学院、ペルー大使館、国学院大学、常磐松小学校、渋谷図書館などに囲まれた閑静な文教地区に、緑豊かな2万5千平方メートルものキャンパスが広がっています。
明治32年、女子教育の先覚者下田歌子によって創立された本校は、「品格 高雅 自立 自営」を建学の精神に掲げ、「堅実にて質素、しかも品格ある女性の育成」を教育方針としている伝統校です。
校祖は、華族女学校の学監や、学習院女子部の部長など、当時の最上流の女子教育を担った方ですが、明治天皇のお二人の内親王様の御養育係を拝命し、宮内省の命を受けて2年間の欧米女子教育視察を行いました。そこで、先進諸国の女性たちの社会的地位の高さや自立した姿を目の当たりにし、近代国家建設のためには女子教育こそが必要不可欠との信念を抱いて帰国後、帝国婦人協会を設立して全国に女学校の設置を推進しました。校祖は、女子教育の普及を国家的な運動に展開し、実践女子学園はその本部立として、下田自身が私財を投げうって設立した学校なのです。校名の「実践」には学問を実際に役立て実行するという女性の社会的自立への強い思いが込められています。創立から111年が経過した今も、校祖の願った女性のあり方は、女性の活躍の場が極めて大きく多様に広がった現代においても決して色あせることはありません。

  • 社会やその時代に対し、しっかりとした意見を持ち自ら行動できる女性
  • 技術、知識、資格などを身につけた女性
  • 職業生活によって社会に貢献できるとともに経済的に自立を図ることのできる女性
  • 家庭経営、子供の教育を担える女性

『3プラス1』と二つの教育プログラム

 このような校祖の理念を継承し現代化したものが、『3プラス1』という本校独自の教育体制です。
  • 自らを見つめ、社会の要請や職業の実際を知り、それらを基に生徒一人ひとりがライフデザインを描き、その実現に立ち向かう取り組みを強力に支援する6年 一貫のプログラムが確立したキャリア教育
  • 感動をテーマに普段の授業や交友会活動、委員会活動、行事を通して視る力、聴く力、感じる力を鍛え、感動する心を育む感性表現教育
  • 開校早々、日清戦争の敗戦国である中国の女子教育の普及を強く願い、「清国女子留学生部」を設けて積極的に留学生を受け入れた校祖の精神が、多彩なプロ グラムとなって受け継がれている国際交流教育
  これら三本の柱に、自己実現のための確かな学力向上を目指した学力改革が加わり『3プラス1』となったのです。生徒一人ひとりが、女性の多様な社会参加の 形を自ら選択しながら「25年後の私」というライフデザインを描きます。その実現に立ち向かう取り組みの過程で、「自己教育力」、「人間関係力」、「情報 活用力」、「将来設計力」、「課題解決力」という真の“人間力”を身につけていきます。『3プラス1』は、生徒たちの25年後の生き方に責任をもつという 本校の教育姿勢を明確にしたものなのです。

また従来の正統的な「スタンダード実践クラス(SJC)」に加え、2008年度より、中学入学前にすでに英語力を身につけている生徒を対象とする 国際学級「グローバルスタディーズクラス(GSC)」を設置しました。二つの異なる教育プログラムにより、ますます進展する国際化や多様化する進路希望に きめ細かく対応しています。

思春期を支える

 長い人生の中でも中学校高等学校の6年間はこころも身体も大きく変化し成長する時期です。体型も第二次性徴の発現により女性らしい身体へと変化していくの ですが、その変化を受容できず、とまどいや不安、羞恥の感情をもつこともあります。また、心理的には自己意識の発達が顕著になる時期、自分とは何か、何を したいのかを意識し自我の確立を目指す時期でもあります。その過程で他者との比較により(他者を鏡として)改めて自分の身体、考え方、感じ方に関心を持つ ようになります。そのような経験を通して一歩一歩大人のこころと身体に近づいていくのです。
多様な人とのかかわりを通して互いの個性の違いを認識し、そのかけがえのない違いを尊重しあう。また、互いに努力し協力しながら問題を解決する中で連帯感 や達成感を経験し、他者への共感や信頼感を持つようになるのです。
本校は首都圏でも大規模な学校の一つですが、生徒たちは様々な教育活動を通じて自立心を養い、互いに規範意識を高め合っています。生徒数の多さは自ずと切 磋琢磨する環境を生み、生徒同士が教育し合う本校独自の文化として継承されているのです。

本校での『3プラス1』という教育体制の中での6年間の学びは、必ずや20年後、30年後の生き方の源流になっていることでしょう。それを担う責任の重さ を校長始め教職員一同受けとめております。
伝統校だからこそできる、また、女子校だからこそできる一人ひとりを大切に育む本校の教育を、是非ご高覧いただければ幸いです。

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