新しい学問体系とジェロントロジー

新しい学問体系

スイスの国際家政学会(IFHE)にて

スイスの国際家政学会(IFHE)にて

 今日求められる新しい学術の視点は、有限の資源の基で"Quality of Life"を追求しながら人類が持続可能な社会の構築に向けて、人類と人類、人類と社会、人類と自然との関係を統合的に評価するシステムを構築することであるといえます。
 さらにこれまでの「Science for Science 」(科学のための科学)と並んで「Science for Society」(社会のための科学)への認識展開が必要となっているといえます。すなわち我々人間にとって、有限の資源の基、"Quality of Life"を追求しながら、人類の持続可能な社会を構築していくことが重要となるといえます。そのためには、「人間と社会のための新しい学術体系」を構築していくことが必要であり、「あるものの探求」(知の探求)と「あるべきものの探求」(目的や価値の探求のための技術すなわち「実学」)の統合が、今日重要なテーマともなっているといえます。
 それは、「認識科学」(知の探求)と「設計科学」(目的と価値の実現)とによる社会のための科学の実現を意味するものであるといえます。われわれは、今日、認識科学(検証すべきものが「事実命題(価値事実に関する真偽を問うもの)」である科学)の縦糸と設計科学(検証すべきものが「価値命題(行為結果の価値を問うもの)」である科学)の横糸とにより、限りある資源のもと、我々人類の"Quality of Life"という未来の布を編み上げていくことが、要求されているといえます。
 それは、システム、機器、制度に対する価値命題(仮説)の設定と、達成されたそれら事象の検証、さらにその後のシステム、機器、制度の修正あるいは、価値命題の修正といった内容を含むものであるといえます。

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