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実践Webマガジン

桜むすび

<特集>中学校高等学校 ICT環境整備による教育改革

自らや他者を知って好奇心やモチベーションを刺激し、
自分らしくイキイキ学べる場を創造する

中学校高等学校では現在、電子黒板やタブレット端末など「ICT機器」の導入と、それらを効果的に活用するための環境整備を進めています。その現状と、充実したICT環境によってどのような学びを生徒たちに提供しているかをご紹介します。

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 実践女子学園中学校高等学校では、2014年度からICT環境を充実させる取り組みを本格スタートさせました。各教科の教員によるICT推進委員会を結成し、学園全体の情報管理と設備運営を担当する情報センターとの協働のもと、3年間にわたるロードマップを作成。電子黒板機能を内蔵したプロジェクター等の導入を皮切りに、2015度にプロジェクター9台の増設や選択教室への電子黒板設置、2016年度は選択教室5・6を改装して電子黒板を3台設置するとともに無線LAN環境を整え、生徒が使用できるタブレット端末を45台用意しました。これにより、資料画像や動画を用いた説明でスムーズに理解を深めたり、生徒がタブレット端末に書き込んだ画面を電子黒板に一斉表示して共有したり、といった学びが可能になります。デジタル教材を活用したこれまでにない授業も行えるほか、教材や生徒の回答などをインターネット上に保存することで、生徒は放課後や自宅で学ぶこともできます。こうした学びによって、生徒が自分のペースで学力を積み上げるとともに、他者の考えや価値観に触れたり、自分の考えを的確に表現する力の必要性に気づくことが期待できます。
ICT環境を活かした授業も次々と実施しています。2017年度に全教室へのプロジェクター設置、翌年度には全館で無線LAN環境を整えるなど、本校は今後も積極的にICT環境の充実を図り、時代にフィットした効果的な学びの場づくりを進めていきます。

画像イメージ小川 貴章 教諭
ICT推進委員会委員長
社会科

教育におけるICT導入は今後も進んでいくと考えられます。しかし、ただその流れに乗るのではなく、「その活用により生徒のどのような力を育むか」という教育の本質を見据えることが大切です。 ICT環境整備により、主体的に考えて判断し、自分の考えを伝える力を生徒に体得してもらうとともに、視野を広げ好奇心を持ち、 関心を持ったことを深く追求しようとする姿勢を身につけてほしいと考えています。
 

画像イメージ鈴木 明徳
情報センター課長

情報センターは従来から大学のICT環境整備にも携わっており、環境づくりや機器の活用についてさまざまなノウハウを蓄積しています。中学校高等学校もICT機器の授業活用に熱意ある先生が多く、その思いに応え、 誰でもスムーズかつ便利に機器を利用できるよう、大学で培ったノウハウを積極的に提供していきたいと考えています。同時に今後もICT推進委員会と連携し、さらなる環境整備をバックアップしていきます。

総合学習プロジェクト(中学3年生)

<課題>
あなたはプロの経営コンサルタントです。
グローバル企業で実際に起きている異文化問題を解決しよう!(中3-5)

<課題>
あなたは渋谷区長です。
2020年、国際都市『渋谷』を訪れる外国人にhappyになってもらおう!(中3-1、2、3、4、6、7)

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他の生徒の考えを知る経験で視野や発想力を広げ、
自分ならではの表現力を磨く

後期総合学習の時間(8週)に取りみました。生徒用のタブレット端未に搭載したアプリケーション「ロイロノート」と電子黒板を連動させながら学びを展開。生徒たちは5名程度のグループとなり、調査やアイディア出し、ディスカッションなどのワークに取り組みます。その結果を模造紙などにまとめてタブレットで撮影し、電子黒板に表示させてクラス全体で共有して、それぞれがどこまで進んでいるか、また考え方の違いなどを把握。こうして上記の課題に対する提案を形していき、最終週(2月23日)にプレゼンテーションを行いました。発表の場には(株)ベネッセコーポレーションなど企業関係者が審査員として参加し、ビジネス視点での講評が寄せられました。

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私たちのグループでは、渋谷を訪れる外国人の方々に五感で日本文化を楽しんでもらうとともに、日本の人も世代を問わずhappyになれるものとして「まつり」を軸にした企画を立てました。みんなで意見を出し合い、ロイロノートで共有したアイディアを自宅学習でさらにふくらませるなどの取り組みで、自分の考えを言葉にする力や、人の意見を聞く姿勢が身についたと思います。

画像イメージ渡辺 大輔 教諭
キャリア教育部中学主任
数学科

ICT機器はキャリア教育において有用だと感じています。特に、生徒たちがまとめた内容を電子黒板に一斉表示し、共有できる点が優れています。他の生徒がまとめたワークシートを見て「こんな考え方があるんだ」「こんなことを書いてもいいんだ」と刺激を受け、自然と発想力や視野が広がっていく様子が見られました。ICT機器のさらに効果的な活用法を模索しながら、来年度も今回のような取り組みを行いたいと考えています。
 

クエストエデュケーション(高校1年生)

<課題>
人間の本気を見せようじゃないか!
メディア新世紀を切り拓け!
人の心が動くテレ東らしいプロジェクトを提案せよ!
(テレビ東京のケース)

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正解のない課題にチームで挑み、考え感じ表現する、「探求する」学びを体験

情報科の授業で導入。動画の閲覧や掲示板での質疑応答、資料や教材のダウンロードなどができるインターネット教材「エデュカネット」を利用します。本校が採用した企業探究コースでは、実在の企業が題材として提示され、生徒はそれぞ好きな企業を選んでチームをつくります。アンケートや報告書作成などの企業活動を体験して知識を深めた後、各企業から出されるミッションにチャレンジ。企業が何を求めているのか、自分たちに何ができるのかなどをディスカッションしながらパワーポイントを使って企画をまとめ上げ、プレゼンテーション。全国の参加校の中で優秀とされたチームは全国大会「クエストカップ」に出場します。
本校ではテレビ束京を題材に選んだチームが全国大会(2月18日)に出場。惜しくも受賞は逃しましたが、「夢のある企画だった」と審査員から評価をいただきました。

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皆で意見を出し合い、手探りしながら「テレビ東京のキャラクター・ナナナ型のマシーンを使って想像の世界に入る」企画をまとめていきました。現実性を持たせるため、プレゼンテーションの際はパワーポイントを使ったスライドだけでなく、マシーンの模型も提示するなど工夫を凝らしました。全国大会で、同世代の生徒たちの発表から大きな刺激を受けたこともよい思い出になりました。

画像イメージ佐川 大 教諭
情報科

アクティブラーニングとICTは相性がいいと思います。クエストエデュケーションで、インターネット教材が生徒たちの探求を教室の外にも広げ、未知の世界や多様な価値観との出会いを創出しています。また、企画の質を高める挑戦は、真剣に向き合うことのやりがいや面白さを体感する機会ともなっています。今後もクエストエデュケーションを通じて、生徒たちに学びの楽しさを伝えていきたいです。
 

※学生の学年表記は2016年度のものです。