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実践Webマガジン

桜むすび

シリーズ OG訪問1

目標に向かって勉強に励む学生たちが、夢を叶えた先輩を訪ねる

OG訪問 Were you energetic?
〈輝く卒業生を訪ねる 同時通訳者 小熊 弥生さん〉

小熊 弥生さん(旧姓:濱口)小熊 弥生さん(旧姓:濱口)

悩み、もがく私を先生方は温かく見守ってくれた。
だから自分を信じ、夢をつかむ力を養えたのです。

“中高・短期大学を実践で過ごし、卒業後に通訳を目指すことに。当時のTOEIC®のスコアは280点で、 平均以下”からのスタートでした。けれど学生時代に長い悩みの時間を味わったからこそ、今、パワー全開でがんばれる。自分を信じれば夢は必ず叶う、チャンスは誰にでも平等に訪れると信じています。

1971年東京都生まれ。’89年実践女子学園高等学校卒業、’91年実践女子短期大学 国文学科卒業、’04年早稲田大学 社会科学部卒業。大手英会話学校主任講師等を経て同時通訳者に。現在はフリーの同時通訳者として、経済、産業、環境、医学、エンターテインメント、政治等幅広い分野で活躍中。講演家やセミナー講師、作家としても活動している。著書に『TOEIC®テスト280点だった私が半年で800点、3年で同時通訳者になれた42のルール』(幻冬舎)、『英語が面白くてとまらなくなる感動のマスターマップ勉強法』(中経出版)など。

小熊さんの近著小熊さんの近著

英語力アップを目指す3人の学生が、学びのヒントと夢を叶える秘訣をお聞きしました。

ただ訳すのではなく、言葉の奥の気持ちまで日本語に変換する同時通訳

学生 同時通訳者として、小熊さんは普段どんなことを心がけてお仕事に取り組んでいらっしゃるのですか?

小熊 話し手の言葉をただ訳すのではなく、言葉の奥にある「どのようなことを伝えたいか」という意図や感情までも日本語に移し替えることを心がけています。そのためには、話者が話すことの背景に対する知識と理解が欠かせませんから、仕事の前にはその方の著書や論文を読んだり以前の講演を聞いたり、活躍されている分野について調べるといった事前学習をして、話者の頭の中にある情報をできるだけ自分の中に蓄えることに努めます。そして当日の現場では、話者の表情や息遣いにまで注意を払って、その人に「なり切る」気持ちで通訳をしています。

学生 真剣勝負の大変なお仕事なのですね。どんなときにやりがいを感じられますか?

小熊 通訳をうまく進められて、「とてもわかりやすかった」「日本語訳を聞いていて心地よかった」と聴衆の方から反響をいただいたときはやはりうれしいですね。それにこの仕事をしていると、事前の勉強や当日の体験を通じて、自分の経験値が高まっている実感も得られます。「やりがい」より「生きがい」を感じるシーンの方が多いかもしれません。

英語力アップのコツは「目標設定」達成してもそこで満足しないこと

小熊さんのポジティブな考え方、生き方 に学生たちは刺激を受け、有意義な時間 を過ごしました。小熊さんのポジティブな考え方、生き方に学生たちは刺激を受け、有意義な時間を過ごしました。

学生 私たちは、「日本語教師として外国の方に日本語を教えたい」「海外で本場の福祉を学びたい」といった夢を叶えるために、大学が行っている「英語力向上プロジェクト」に参加して英語を学んでいるのですが、どうすれば着実に英語力を伸ばせるか、小熊さんの「コツ」を教えていただけないでしょうか。

小熊 今は英語力を向上させるためのメソッドがたくさん開発されているので、皆さんも優れた勉強法を利用して学んでいることと思います。けれど、どんな方法でも、ただ漫然と勉強しているだけでは身につきません。何よりも大切なのは、目標を設定すること。私が本格的に英語を学び始めたときも「通訳になるために、まずは留学ができるレベルの英語力をつける」という目標を定めました。目標が明確であれば、勉強への真剣さも自然に変わってきます。単語一つ覚えるのでも、習得したその言葉をどんなシーンで使うか意識しながら学ぶし、いざその場が来たらすかさず活用することでしょう。通じなくても諦めず、いろいろな方法を試しますよね。そういった気持ちで勉強することが、効果につながるのではないでしょうか。

学生 勉強へのやる気を保ち続けるのに苦労することがあります。小熊さんはモチベーションを維持するために、どのような工夫をされたのですか?

小熊 目標を設定し続けることです。新たな目標を掲げたら、またそこに向かって挑戦していく。実は、モチベーションが下がってなかなか回復できないのは、目標を達成したときが多いんです。けれどどんなことも、向上心を失ったら力量はどんどん落ちてしまう。ですから、目標達成が見えてきたら、その時点で次の目標を設定することを今も心がけています。知らないことは目標としてイメージできないので、好奇心を持って情報を集めることも習慣にしているんですよ。

学生 小熊さんはどのような学生時代を過ごされたのですか?

小熊 私は中学校から短期大学まで実践で学びましたが、あまり優秀な生徒ではありませんでした。進むべき道がわからず、先生方から温かく見守っていただいていることを感じてはいながらも、勉強に身が入らないほど悩む毎日でした。高校の時に教育実習で学校に来たバイリンガルの先生に出会い、「私も英語が話せるようになりたい!」と短期大学の英文学科を志望しましたが、英語の成績が及ばず国文学科に進むことに。短期大学時代は知り合った外国人学生に英語を教えてもらったりしてはいましたが、自分のキャリアについてはっきりしたビジョンは描けませんでした。

成績なんて関係ない!夢を描く力があるのなら、その夢は必ず叶う

学生 それでは、いつから通訳を目指されるようになったのですか?

小熊 短期大学で専門的に英語を学ぶことはできなかったのですが、好きな気持ちに変わりはありませんでした。そして卒業し、自活するための方法を模索していろいろな仕事について調べて、通訳という職業を意識したんです。特別な資格が求められず、大好きな英語を使って収入を得られるこの仕事は自分にうってつけだと。力試しにTOEIC®を受けたところ、スコアは280点。当時、ある英会話学校が「TOEIC®800点以上」を条件に講師を募集していたので、このスコアがどれくらい低いかおわかりいただけると思います。けれど、「通訳になる」という夢があったから頑張れた。半年でスコアを500点以上伸ばして、卒業から3年半である外資系企業の社内通訳として採用され、通訳者としてのキャリアをスタートさせました。生涯勉強が必要なこの仕事に就いたのは、学生時代、熱意をぶつける対象を見出せず力を持て余していた反動かもしれません。

学生 後輩に、アドバイスをお願いします。

小熊 自分で描くことができる夢ならば叶えられる。これまでの体験を通じてそう実感しています。後輩の皆さんにもどんどん夢を描いてほしい。今の成績は関係ありません、落ちこぼれだった私だって夢をつかむことができたのですから。はるか高みにあると感じられる夢でも、自分を信じて諦めずに挑戦を続けてほしいと願っています。

〈取材を終えて〉

学生

夢を叶え、成長していくためには「目標を設定し、それを続けること」が大切だと、小熊さんのお話を伺って実感しました。なかなか思うような結果を出せず落ち込むことの多い自分が、小熊さんの学生時代の姿と重なりました。やりたいこと、実現したい夢があるなら一歩を踏み出すことが大切、積極的になれないと諦めることはないと、背中を押していただいた気がします。とても勇気づけられた時間でした。
(左から)大学 文学部 国文学科3年 水野 真衣 英文学科3年 矢野 永子 人間社会学部 現代社会学科2年 鍋内 美芳

「英語脳」を育成してTOEIC®のスコアアップを目指す「英語力向上プロジェクト」を実施

大学・短期大学の学生を対象に、就職活動などの際に英語力の指標として活用されるTOEIC®のスコア向上をサポートする「英語力向上プロジェクト」を行っています。英語力アップに定評のある「カランメソッド」(考え込まずに英単語や英文法の知識を素早く引き出す力を訓練するトレーニング法)によるオンラインレッスンを実施し、英語を英語のまま理解する「英語脳」を育成します。そしてリスニング力などを高め、より高いTOEIC®スコアの獲得につなげています。
※ TOEIC®(トーイック)とは、Test of English for International Communicationの略称で、英語によるコミュニケーション能力を幅広く評価する世界共通のテストです。

校長×小熊さん

校長×小熊さん

インタビューは、中学校高等学校メディアセンターで行われました。小熊さんの恩師である嶋野恵子校長も取材会場に駆け付け、感動の再会。卒業アルバムをはさんで笑い、時には涙ぐみながら、ひととき思い出話に花を咲かせました。