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実践Webマガジン

桜むすび

Visiting teacher's office 研究室訪問

実践女子学園では、多くの教職員が各分野において最先端のテーマに向き合っています。今回は、本学との関わりが深い日野市と連携して行っている取り組みをご紹介します。

実践女子大学[プロダクトデザイン研究室] 日野市のブランディングプロジェクト

日野市の知名度向上を目指すブランドイメージのデザインを通じて、学生の「デザイン思考」を育む

「プロダクトデザイン」とは、工場などで数多く生産されるモノをデザインすること。しかし、工業活動が環境に影響を与え、資源の有限性が明確になった現在、その対象はモノからコトへ移り変わっている、と先生は語ります。そして今、先生が意欲的に取り組んでいるのが地域と連携して行うコトのデザイン。特に日野市における事例に焦点を当てて聞きました。

画像イメージ実践女子大学 生活科学部
生活環境学科 教授
塚原 肇
Tadashi Tsukahara

 良い製品を安く提供するためにはどのような設計が有効か、ユーザーにはどのような色や形が好まれるか、使いやすさを高めるためにはどのようなスタイルが良いか。従来のプロダクトデザインでは、主にこうしたことを考え、解を見出すことが求められていました。しかし今、大量生産・大量消費型経済は終わりを迎え、「つくれば売れる」時代ではなくなっています。
 こうした状況の中、プロダクトデザインには、モノではなくコト(モノが求められるシーン)を考える姿勢が求められています。プロダクトデザインにはモノのより良い形を追究して具現化する「改良」のほかに、まだ世の中にはないものを形にして提供し、それによって新たな文化の創造につなげる「発明」の手法があります。この発明の手法をコトのデザインに用いるのです。そしてコトをデザインする中で、本当につくるに値するモノを見極める。その力が、今後プロダクトデザインに関わる人材に欠かせないものとなっています。 

画像イメージプロダクトデザインの入門書として編集された先生の著書(共著)

 そこで現在、私が力を入れているのが地域との連携によるコトのデザインです。
特に、生活科学部が拠点を置き、本学が長く関わりを持ってきた日野市の、各機関とのコラボレーションを2006年から積極的に展開。かつて甲州街道の宿場町として栄えた歴史を誇り、今なお豊かな自然と触れ合える日野市の魅力を広め知名度を全国区へ高めるべく、学生とともにブランドイメージのデザインに取り組んでいます。
 デザインにあたり、学生には日野市について徹底的に調べることを課しています。各機関に提案をする際も、学生が中心となって企画をまとめ、プレゼンテーションを行います。
 これにより若年層や女性の新鮮な視点に基づく提案を行うとともに、調査や対話によってユーザーが真に求めていることをつかみ、さまざまな制約の中で解決法を形にしていく「デザイン思考」を、学生の中に育むことを目指しています。
 良い製品を安く提供するためにはどのような設計が有効か、ユーザーにはどのような色や形が好まれるか、使いやすさを高めるためにはどのようなスタイルが良いか。従来のプロダクトデザインでは、主にこうしたことを考え、解を見出すことが求められていました。しかし今、大量生産・大量消費型経済は終わりを迎え、「つくれば売れる」時代ではなくなっています。
 こうした状況の中、プロダクトデザインには、モノではなくコト(モノが求められるシーン)を考える姿勢が求められています。プロダクトデザインにはモノのより良い形を追究して具現化する「改良」のほかに、まだ世の中にはないものを形にして提供し、それによって新たな文化の創造につなげる「発明」の手法があります。この発明の手法をコトのデザインに用いるのです。そしてコトをデザインする中で、本当につくるに値するモノを見極める。その力が、今後プロダクトデザインに関わる人材に欠かせないものとなっています。 
 そこで現在、私が力を入れているのが地域との連携によるコトのデザインです。特に、生活科学部が拠点を置き、本学が長く関わりを持ってきた日野市の、各機関とのコラボレーションを2006年から積極的に展開。かつて甲州街道の宿場町として栄えた歴史を誇り、今なお豊かな自然と触れ合える日野市の魅力を広め知名度を全国区へ高めるべく、学生とともにブランドイメージのデザインに取り組んでいます。
 デザインにあたり、学生には日野市について徹底的に調べることを課しています。各機関に提案をする際も、学生が中心となって企画をまとめ、プレゼンテーションを行います。
 これにより若年層や女性の新鮮な視点に基づく提案を行うとともに、調査や対話によってユーザーが真に求めていることをつかみ、さまざまな制約の中で解決法を形にしていく「デザイン思考」を、学生の中に育むことを目指しています。

《取り組み1》日野商店街の活性化プロジェクトコンセプトは「和モダン」。学生のアイディアで地域ににぎわいを

 日野市役所・日野商店会とのコラボレーションによるプロジェクトです。2013年4月にスタートし、生活科学部生活環境学科と文学部美学美術史学科の有志70名の学生が参加。
私は統括と監修を担当しています。
 プロジェクトコンセプトとして「和モダンテイストな街づくり」を設定し、10~12名単位のグループで学生がプランを練り上げました。そして日野市役所・商店会の関係者にプレゼンテーション。和装女子大生による日野駅周辺の清掃活動「和装女子大生お掃除隊☆」と、商店街の店舗ごとにミニのれんを製作する案が採用されました。2014年度は日野駅
ホームの下に設けられている歩道トンネルに絵画や装飾品などを展示する「トンネル美術館」を実施する予定です。

《取り組み2》日野駅改修プロジェクト理想の日野駅像を、自由な発想と堅実な計画力でデザイン

画像イメージ多彩な角度から見たデザインや動画など、学生が各自工夫を盛り込んでプレゼンテーション。

 私のゼミ(プロダクトデザイン研究室)がJR東日本八王子支社の委託を受けたもので、構想されている日野駅の改修についてプランを提案するプロジェクトです。
 2014年2月には4名のJR社員の方に対し、3年生10名がプレゼンテーション。まず、一般男性・女性、駅職員、女子学生を対象に行った日野市や日野駅についての意識調査の結果を報告し、その内容を踏まえて、それぞれの学生が「私の考える日野駅」像を発表。
3次元CAD(立体的な作図ができるパソコンソフト)を使い、自由な発想でデザインした理想の日野駅像を提示しました。JR社員の方々からは、利用者の動線なども考えた堅実性や、ソーラーパネルの導入など豊かな発想力が評価がされました。

学生達の創造力を最大限に活かす。

画像イメージ

製作したミニのれん。3色の中から店舗ごとに好きなものを選んでいただき、店名もプリントできる仕様に。

画像イメージ

日野市役所より委託を受け、東京オリンピック(2016年)招致活動の一環として2009年に製作したエコバッグ。