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生活環境を知るための文献

私が薦める一冊の本

丸山伸彦監修
すぐわかる染め・織りの見わけ方
東京美術、2005

 日本全国の著名な染めと織りを美しいカラー写真で示しているので見るだけでも楽しい本です。

 染めと織りの基礎知識を写真入りで分かりやすく説明した後で、北から順に、日本各地の染物、織物の特徴を整理して、見るとき、買うとき、着るときにも役に立つ内容に仕上がっています。歴史の裏話や技術の成り立ちなど、見逃せないエピソードはコラムになっています。

 素材、技法、歴史、デザインなど各産地で異なるオリジナルの良さや特徴をひと言でまとめたコメントを図版につけてありますし、独特の技術や種類のバリエーションなど、知っていると役に立つ少し専門的な知識は、チャートにして分かりやすくまとめています。

 さらに、より深く知りたい人のために、染め織りのしくみや藍、糸、染め、織りの話や媒染、防染、友禅染、型染の工程、用語解説など、より専門的な話にまでおよび、最後には染め・織りを学べる教室や学校、美術館や博物館情報も掲載されています。

 肩がこらずに気軽に読める染め・織りの入門書です。(H. G.)