画像イメージ

ここからページの本文です

飯田良明先生

人間社会学部のキャッチコピー「人を知り、社会を知り、ビジネスを学んで、自分の将来をデザインする」を考えた!

飯田良明先生

飯田 良明(IIDA Yoshiaki)/人間社会学科・教授

略歴:1946 年生、千葉県生まれ。中央大学文学部哲学科社会学専攻 1969 年 3 月卒業、中央大学大学院文学研究科社会学専攻修士課程 1972 年 3 月修了、中央大学大学院文学研究科社会学専攻博士課程 1976 年 3 月単位取得満期退学。2004 年から実践女子大学人間社会学部教授、現在に至る。

Q.先生の研究分野は、社会学や社会心理学ということなのですが、具体的にお聞かせいただいてもよろしいですか?

画像イメージ

私は社会学出身ですが、社会学の中でも政治社会学・政治意識や投票行動の分野が専門です。もう一つ、この分野にはマスコミ論があって、若い時に放送大学でマスコミ論を担当していたのでその関係の論文も書いています。主に、マスコミの影響論で、「マスコミが大衆にどのような影響を与えるか」の研究が中心ですね。2011 年の 3 月で終わってしまいましたが、マスコミ報道を比較分析して話す NHK のラジオ番組を 16 年間担当しました。

Q.具体的にどのような番組なのでしょうか?

「新聞を読んで」という番組です。年に 4、5 回、1 週間、全国紙 5 紙の記事を読んで 12 分間に纏め、池上彰さんのように解説していました。ですから、どこをポイントにして新聞を読んだらいいのかということがよく分かります。私のゼミ生には、私がためになると思った記事を資料として配布したりしていますよ。新聞を読まない学生が多くなりましたからね(笑)。

あとテレビ出演も経験しました。放送大学が実験放送の時から「マスコミュニケーション論」という講座を 5 年間担当しました。だから、そういうキャリアがありますので、学生に「いかに話せばいいのか」はツボを心得ていると思っていますよ。

Q.放送大学の授業を行われていたのは何年前くらいになりますか?

30 年近く前です。放送大学はまず教科書を書き、1 章を 45 分番組に纏めます。収録に大体 3、4 時間はかかりました。まだ、30 代で若かったためでしょうか、「何を言っているかわからない」とディレクターから容赦なく「ダメだし」されてしまうんです。今考えると、良い経験となりました。

Q.最初からですか?

そう。それを後から編集して番組は作られるんです。だから、そういうトレーニングを経ているので、先ほども話しましたように上手く話せると思ってますよ。でも、残念ながらうちの学科にはマスコミ論はありますが、政治行動論はないですね。

Q.本も書かれていますよね?

最近では 2015 年の 3 月に同僚で若手のホープ松下慶太先生と一緒に編集して、『ネット社会の諸相』を出版しました。私は、情報社会からネット社会への発展過程、政治情報や、マスコミ論といった章を担当しました。

Q.ゼミ活動ではどのようなことをしていますか?

3 年生の前期は、卒論を書く上で参考になると思われる論文をみんなで読み、お互いに質問し合うことを 6 月くらいまでやります。その後、学生が卒論で書きたいテーマの構想を順番に発表してもらい、質問をしていきます。後期は、夏休み中に卒論に向けて勉強してきたことを発表します。年に 3~5 回発表することになります。質問したり、されたりを繰り返しながら、論文のデータや資料を集めて、トレーニングします。学生が実際にゼミで発表し、みんなの質問・疑問を調べて、レポートに纏めたものを添削し、書き直させます。これを繰り返すと、徐々に論文らしくなってゆきます。3 年生の終わりぐらいになると、真面目に取り組めば、ある程度、論文の体裁が整ってくるようになるはずですよ。

Q.4 年生での活動を教えて下さい。

4 年になると就活で忙しいので月に1度は全員集合ですが、それ以外は個別の指導になります。メールで卒論やエントリー・シートのチェックもしています。志望動機が会社の要求する文字数制限に収まるようにアドバイスをしたりしています。学生は自分の思いを中心に書きますので、相手に何を知らせたいかのポイントがボケてしまいますね。そういう点のチェックをしています。

Q.ゼミ生の卒業論文のテーマを教えてください。

これまでの卒業論文のテーマでは『テレビが投票行動に与える影響』『公共広告の研究』『恋愛ドラマと社会』『ネット依存-日本と中国—』『「朝ドラ」にみる女性像の変化』『レジ袋から見た環境問題』『報道と人権』などがあります。

Q.夏休みの合宿のことをお聞かせください。

毎年、大学の仙石原実習所で 2 泊 3 日、3、4 年生合同で合宿をします。4 年生の卒論発表に対して 3 年生が質問します。理想としては 3 年生の 3 月ごろには卒論の半分程度は終わらせ、4 年生の夏季合宿までに完成度の高い発表をしてもらいたいですね。実際は、なかなかそうはいきませんが…。

Q.実践女子大学で思い出に残っていることをお聞かせください。

人間社会学部の第一期生が卒業した時のことです。人間社会学部は 2004 年に新学部としてスタートしました。私は主任教授として学部運営のまとめ役でしたが、お互い全く知らない 19 人の教員の協力を得なければなりませんので、学科運営は苦労しました。そんな中で、1 年生の入学後に行われる学生同士や教員との親睦を深める新入生セミナーは学生のみならず、教員も全員参加してお互いの気心を知る絶好の機会となりました。また、実践女子大学にとって初めての学部創設でしたので学生確保についても神経を尖らせました。幸いにも先生方のご協力が得られ、各種のアイディアは成功し、現在は 2 学科に成長しました。このような困難を乗り越えたからこそ、第一期生を社会に送り出せた達成感は特別でした。

Q.実践女子大生の良い点はどんなところでしょうか?

素直でまじめな学生が多いことですね。「もう一歩前に」を心掛けるとよいでしょう。

Q.大学時代で最も思い出に残っていることは何でしょうか?

母校で最も古い辞達学会(いわゆる弁論部)で活動したことです。活動内容は 1 年・2 年次は昼休みと放課後、腹式呼吸による発声練習、夏季合宿は卒業生や上級生の指導による発声練習と演説の厳しいトレーニングの毎日でした。3 年次には合宿対策委員長として部員約 150 名で 1 週間の合宿を企画・運営したことが良い思い出になっています。合宿最終日は合宿地の市民ホール等を借用し、市民向けの演説会を開催します。学生が様々な社会問題・政治問題について演説する物珍しさもあって、市長さんを始め、多くの市民・高校生で毎年会場は一杯でしたね。また、入学直後に与えられた任務は忘れられません。それは中曽根康弘防衛庁長官(後の総理大臣)に辞達学会主催の雄弁大会での来賓挨拶のお願いをすることでした。永田町にある中曽根事務所に通いつめ、承諾を得ることが出来ました。この 4 年間の体験は大学教員、放送大学そして NHK ラジオ等で大いに役立っています。

Q.大学生活を楽しむコツはありますでしょうか?

大学進学の<目的>に向かって 4 年間打ち込むこと。“遊び上手は学び上手”を忘れずに。

Q.高校生におすすめの本はありますか?

岩波新書のジュニア向けの興味のある本を乱読するといいと思います。ジュニア向けといっても難しいですが、新書を読み続けると、ボキャブラリーが豊かになり、大学の授業が良く分かると思いますよ。

身近な大人に話を聞けるといいですね。たとえば、中学時代の恩師を訪ねて世間話をしながら自分の目標やロールモデルを見つけ出すといいと思います。

Q.最期に高校生の皆さんに大学選びのポイントや、進路に悩んでいる方にメッセージをください。

大学選びのポイントは、就職率の良い学科を選ぶことだと思います。きちっと将来を見据えてこういう職業に就きたいなという希望を叶えてくれそうな学部・学科を選ぶのがいいと思いますよ。それにオープンキャンパスだけでなく、模擬授業をお薦めします。本当に自分にあった学部・学科かを肌で感じとってみてください。将来の目標を持つこと!それに世の中のムードに流されないこと!本をたくさん読むことが大切だと思います。

(聞き手:関戸光咲・中村理香/調査日:2015 年 7 月 25 日)