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松下慶太先生

メディアは勉強だけでは通用しない

松下慶太先生

松下 慶太(MATSUSHITA Keita)/人間社会学科・准教授

1977 年神戸市生まれ。京都大学文学部を卒業。同文学研究科にて博士(文学)。フィンランド・タンペレ大学ハイパーメディア研究所研究員、目白大学を経て、2007 年に実践女子大学へ。2012 年に現職。

Q.先生の研究分野について教えてください。

専門はメディア論、若者論、学習論です。またコミュニケーション・デザイン、ソーシャル・デザインと言われるような領域も関心を持っていです。具体的にはソーシャルメディア時代におけるワークプレイス・ワークスタイル、渋谷における都市文化に関する調査・研究を進めています。

また学習論の観点から、キャリア教育も含めたアクティブ・ラーニング、PBL(Project Based Learning)の実践も積極的に展開しています。

Q.松下ゼミではどのようなことをしていますか?

松下ゼミ風景

メディア論、若者論、学習論といった専門知識を身につけることと実際にプロジェクトとしてメディア制作やワークショップを行うことを往復することを行っています。またコワーキングスペース、クリエイティブオフィスへの訪問などコラボレーション、イノベーション、クリエイティビティの最前線を肌で感じる経験を多くしてもらっています。

ゼミ生が進めるプロジェクトとして具体的には、広尾商店街のソーシャルメディア・プロモーション、鳥取県伯耆町の農漁村・都市交流事業における交流ワークショップの開発・実施、働く女性に関するワークショップの開発・実施などを行っています。知識をつけるだけではなく、実際の企業や地域の方々と一緒につくることを重視しています。逆に、こうした方々からの期待もあるので、メディア論、若者論、学習論はもちろん、デザイン思考、都市論、マーケティング、コミュニケーション論など関連領域も含めたアカデミックな知識はそれなりのクオリティを持って臨まなければ、というプレッシャー/モチベーションもあるようですね。

Q.学生に読んでほしい書籍などはありますか?

無い!!無いというのは、読まなくていいということではなくて、何を読んでもいいけど、それを読んで自分がどういう価値をそこに見出すのが無い限り、言われて「読みました」ってだけではイノベーションやクリエイティビティが求められる状況・社会では厳しいと思う。だからあえて「無い」と。

絵本だろうが、幼児雑誌だろうが、 BL だろうが、哲学書だろうが、何を読んでもいいけど、そこで何の価値を見出せるのか、がポイントだと思う。また逆に、どういう価値観、枠組みで読むのか、というのが無いと、何を読んでも厳しんじゃないかな。

Q.最後に、学生へのメッセージをお願いします。

メディア論などで最近言われていることは、勉強してメディア業界に進みたいというのはありといえばありだけど、メディアを通して社会の課題をどう解決したいのか、というのが大事なのでは?という空気を感じます。逆に、メディア業界に進まなくても、メディアの理解や社会の課題に対してどのようなアクションをするのか、という知識や能力は必要になってきている。

繰り返しになりますが、メディアに詳しい=メディア業界に行ける、のではないし僕達もそういうように思ってはいない。社会の何に関心があるのか、自分がどういう価値観を提供したいのかが無いと、やっぱり難しいと思います。

それとまずは頭、手、足を動かし「つくること」。つまり、ラピッド・プロトタイプも大事。例えば、動画を作るのってテレビ局に行かなくても作れちゃう。それだったら「今」作ってみればいいよね、となってしまう。そういった意味で、知っています、勉強しました、というだけでは通用しない。なので、絶対手を動かす、足を動かす。それを通して、社会にインパクトを与えるとか、社会の何かを動かすといった人になって欲しいと思います。

(聞き手:秋山優希・重田雪那/調査日:2015 年 7 月 28 日)