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斎藤明先生

マーケティング研究を材料に、『論理力』と『協働力』を鍛えて欲しい!

斎藤明先生

斎藤 明(SAITO Akira)/現代社会学科・准教授

略歴:20 年余の民間企業勤務を通じて、国内外でのマーケティング企画、経営企画、企業買収合併・提携企画などに従事。立教大学大学院特任准教授を経て、現職。北海道大学博士(国際広報メディア)。キャリアカウンセラー(GCDF)。

Q.斎藤先生の研究分野を具体的に教えてください。

専攻分野は、マーケティングと消費者行動論です。

最近は、旅行者の消費行動や旅行先選択行動、加えてこうした旅行者行動に対応した観光関連サービス産業のマーケティング活動を中心に研究をしています。

民間企業との共同研究も推進しています。つい最近も『外国人観光客市場とプロモーション活動』に関する共同研究の成果の一部を報道発表*させていただき、色々な企業からのお問い合わせを頂戴したりと、様々な分野での共同研究や共同ビジネスでのパートナーの輪が広がっていくことで、社会により大きな付加価値を提供したいと思っています。

*共同研究内容(一部)については、以下でご覧いただけます。
http://research.nttcoms.com/database/data/001987/index.html

Q.斎藤ゼミではどのようなことをしていますか?

ゼミ生には、『論理力』と『協働力』の二つのチカラの成長を意識して行動してほしいと思っています。そのため、20 年余のビジネス現場で、若手社員に対しての指導と同じように、『そのアイデアはなぜ?理由が明確でない、思いつきは求めていてない。』『自分の目の前だけ良ければなんて部分最適なことは、社会では、評価されないし、意味がない。』などと、いずれ厳しい社会に出ていくゼミ生には、常に厳しく言っているかもしれません(笑)。

『論理力』とは、論理的に考え、論理的に伝ことができるチカラで、論理的とは、ちゃんと論拠を示してということです。ゼミのメンバーになる前に、広告会社主催のさまざま企業からの課題に対して、広告や販売促進策を提案するコンペティションにチームで参加してもらったことがありました。提出前に完成した企画案の事前説明を受けたときは、正直、唖然としました。

すべてが、ぼんやりしていて、雰囲気だけで、すべてが単なる『思いつき』のようでした。すなわち、論拠が無い、そもそも、論拠を発見しようということ自体、思い浮かばなかったのでしょう。この場合であれば、見込顧客への市場調査・分析や競合企業の戦略分析の結果などです。

このことは、研究、すなわち卒業論文についても同じことが言え、論拠(この場合は、過去の研究で語られていることへの考察やオリジナルデータの取得・分析)が無い研究は、表層的テーマをぼんやりまとめるだけのもととなります。

そこで、通常のゼミ時間とは別の課外活動として、いくつかの活動で、論理力育成に向けて訓練の機会を提供しています。

ひとつは、実践『ペルソナ通信』** の発行です。これは、ほぼ毎週のように、マーケティング・リサーチの枠組みをベースに、アンケートや写真観察の手法を駆使して、実践女子大生の実態の解明を題材に、論拠を発見するチカラと論理的文章で伝えることを繰り返し、訓練します。

もうひとつは、『MIRYOKU★発見プロジェクト』*** です。これは、協力企業へ訪問し、企業へのインタビュー取材を通じて、取材先企業の強みや魅力について、レポートを発行します。ここでは戦略論のフレームワークの理論枠組みに沿って、市場動向、業界動向、企業概要について、事前調査、検討を重ねて、インタビュー項目を作成して、取材当日に臨みます。

次に『協働力』とは、自分とは違う視点、異なる専門分野や背景を有している周囲の人たちとコラボレーションを通じて、より良い成果を出すチカラです。このチカラは単なるグループワークを出来るということではないのですが。2 年程前に、色々な専門を有する研究者や企業の実務家の方々と大卒企業勤務者 1 万人とその所属組織への調査を実施したのですが、その結果、このチカラが、仕事での成果を最大化するために、組織として重要かつ必須にもかかわらず、各人に不足しているチカラであることが発見されました。簡単にいえば、社会から必要とされているチカラです。

そのため、例えば『ペルソナ通信』や『MIRYOKU★発見プロジェクト』は、統計学、経営学、会計学といった異分野を探究する学生との共同運営など、ほとんどすべての活動は、所属ゼミ生だけに閉じることなく、異分野の学生と協働・競働により、より良い成果を出す訓練を繰り返します。

もちろん、これ以外の活動でもゼミ生であるか否かを問わず、参加したいと手を挙げた学生には、すべての活動への参加は開放していますし、むしろ歓迎しています。

このように、ゼミでは社会から必要とされているチカラである論理力と協働力を中心に自分たち自身での育成の場として、いずれ社会で確実により良い成果を出していくための準備の場としています。

**実践『ペルソナ通信』の詳細については、以下の学部ホームページにてご覧いただけます。
https://www.jissen.ac.jp/learning/human_sociology/index/persona.html

***『MIRYOKU★発見プロジェクト』はじめ、ゼミでの活動の様子は、学部公式 Facebookで順次更新されています。

Q.学生の頃は何をしていましたか?

東京の下町生まれ、下町育ちでしたので、近所の喫茶店(今の言葉で言えば、カフェ(笑)で毎日のようにアルバイトをしていました。大学での研究テーマとして、ちょうど新製品開発プロセスに関心にもっていました。

そこで、アルバイトとして週 5 日程勤務していたこともあり、職場への発言力と周囲への巻き込み力も発揮できていたので、実際に専門書に書いてある新製品開発プロセスを回してみようと周囲には内緒で人知れず実行していました。常連さんと雑談しながら、さりげなく、お店に来ない日には、どんなものを食べてるかなど、さりげなく、あれやこれや聞いてトイレで隠れてメモしたり(笑)、年代別に流行っているものを雑誌の切り抜きで整理したりなど各種市場調査したり、流行っているお店に大学の帰りに食べに行って、デザート一品で 3 時間くらい、来ているお客さんを観察したりしていました。

ある程度、新メニュー企画ができてきたら、次の段階では、休憩時間に店長はじめ社員の方と最近いったお店のこととかそこで見たお客のこととかをさりげなく雑談しながら「こんなメニューあったらいいと思うのですよね」(笑)、と自然につぶやくのです。それを何日かつづけると、そのうち、店長から「こんなの今度出そうと思うけど、どうかな?」と試作品が出てくる。その時には、「すごくいいですよ!」と全力で後押したり、アルバイトの仲間たちに、「みてみて、すごいよね、売れそうだよね」と周囲を巻き込んで、全力で盛り上がったりしていました。すると、数日後、新メニューとして発売開始となるのです。そうした新メニューでだいぶ売上に貢献したはずです(笑)。

アルバイト先でのこうしたプロセスを回す際にも、上手くいかないこともあるんですが、その時には、新しい方法ないかなあと大学図書館に籠って、別の専門書をさがしたりして、次にはそこ書いてある別の方法を試したりしていました。

とにかく、アルバイトと大学の勉強との間に境界線がなく、全力で毎日常に考えていたり試したりしていましたね、上手くいかないときは、つらくもありましたが、たぶん、それも含めてたのしかったんですね。

Q.実践女子大はどうですか?

実は、実践女子大の学生のイメージをなかなか掴めなかったです(笑)。

だから、『実践女子大生ってどんな学生』っていう自分の疑問を解消するためにもめに、統計学、経営学の先生を巻き込んで(笑)、3 つのゼミ生連携プロジェクトとして、先ほど説明した『ペルソナ通信』発行というプロジェクトを立ち上げたのです。3 つの異分野のゼミ生の競働活動のおかげで、『実践女子大生ってどんな学生』が解明されつつあります。

Q.最後に、学生へのメッセージをお願いします。

どんなことでも良いので、目標(ゴール)決めて、ゴールするための計画を立てて努力してください。計画といっても、難しいことではなく、単純に、ゴールに至るために、「いつまでに、何を、どれくらいやる」のかを決めるだけです。あとはその計画に従ってやるだけです。人間ですから、たまには計画通りできないときもあると思いますが、今日できなったら、明日に 2 日分やるなど、全体としてちゃんと帳尻を合わせていくことが何事も大切だと思います。ちゃんと帳尻を合わせていくことが、結果としてゴールに近づく秘訣だと思います。よく 3 日坊主という言葉がありますが、3 日間継続して、4 日目はやめてしまったら、5 日目に、4 日目に分と合わせて、2 日間分をやればよいのです。大部分の人は、5 日目には、ノートを開くことすらやめてしまいますからね(笑)。

(聞き手:石原ふみか・小原彩・斉藤優衣/調査日:2015 年 7 月 28 日)