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谷内篤博先生

新しい人材マネジメントのあり方を求めて!

谷内先生

谷内 篤博(YACHI Atsuhiro)/現代社会学科・教授

略歴:石川県生まれ。早稲田大学法学部卒業。筑波大学大学院教育学研究科修士課程(カウンセリング専攻)修了。上場企業の人事部、住友ビジネスコンサルティング(現、日本総研)、三和総合研究所(現、三菱 UFJ リサーチ&コンサルティング)等を経て、文京学院大学経営学部教授。その後、実践女子大学人間社会学部教授となる。

Q.先生の研究分野を教えてください。

本当の研究は、今はキャリア関係も研究テーマにしているのだけど、メインは企業における人材をどう採用して教育をして、その人たちのモチベーションを上げるためにはどうすれば良いかというのを実証的な見地や理論的な見地から究明していくことが私の専門ですね。元々は、大学教授になる前、コンサルタントをやっていたのですよ。企業の人材マネジメントをサポートするのがコンサルタントの役割であり、今大学では理論と実践を融合させた教育・研究を行っている。それが研究の一つの方向性かな。

まあ、簡単に言うと企業における人材マネジメントで、会社における人材を有効活用するための方法論を探究しています。それが私の専門だと思っていただければ。

Q.谷内ゼミでは毎年どのようなことをしていますか?

谷内ゼミ活動

ゼミの活動というのは、例えば 3 年生の前半は私が書いている本をベースに輪読して、自分たちでそれをオリジナルのテキストとしてまとめます。前期はそれがメインですね。後期は 4 万字の論文を書いて、大学討論会でプレゼンします。

私のゼミのモットーというのは think、discuss、act だから、卒論は 4 年生になるまで一切着手させないです。3 年生の間は組織学習や集団議論を中心としています。思考の枠組みを作ることを中心に考えている。他大学と他流試合をするというのはゼミ生たちのいったん出来上がった思考の枠組みを壊して、枠組みを広げるために行っている。大学討論会では 80 枚のパワポを作って、メモ一つ見ないでプレゼンします。全部頭に入っている。すごいですよ。

本ゼミでは基礎的なことを行って、サブゼミでは自分たちのやりたいテーマをやる。だから、本ゼミは教科書作りで基礎理論を学ばせて、サブゼミでは大学討論会のテーマを自分たちで決めて、その論文を作成する。大学討論会では負けたことないのですよ。MARCH クラスと対等に戦うというのが僕の約束事です。また、ゼミのモットーとも言えます。きついゼミだと思いますよ。

Q.現在のゼミの状況はどのような感じでしょうか?

現在のサブゼミではミドルマネージャーの再生について研究しています。ゼミの日ではない日も自主的に集まっている。月曜日が本ゼミで木曜日がサブゼミの日です。サブゼミは 1 時からでいつも 8 時頃までやっていますよ。だから、1 週間に合計で 10 時間くらいはゼミをやっているんじゃないかな(笑)強制はしないですよ。自発的にみんなやっている。そういうゼミです。

Q.他大学での活動を教えてください。

いっぱいやっているよ。一つはね、後期立教大学で人材マネジメント論というのを経営学部で教えています。いつも 300 人前後受けているかな。それから、もう一つが文京学院大学というところの学部は持ってないのですが、大学院で夜間の社会人が来るところで講義と院生指導をしている。あと、もう一つは今年の春で終わってしまったのだけど、東京家政大学というところに 12 年ほど行っていたかな。今年はちょっと忙しくてお断りしてしまったのだけど。他大学ではそういうところですかね。

あとは大学ではないのですが、JA 経営マスターコース(これはいわば JA の企業内大学(CU:Corporate University)というものもやっていて、将来の JA を経営していけるような 35 歳前後のエリートたちを朝から晩まで年間 1 回トレーニングしている。また、キャリア関係の国家検定試験の試験委員もしています。

Q.学生に読んでほしい書籍等はありますでしょうか?

谷内先生推薦本

あれ面白いよね。玄田有史が書いた『希望学』(中央公論新社、2006 年)という本があるのだけど。人間は、やはり夢を持たなければならない。挫折を経験したほうが夢の実現に近づく。夢って実現可能なものだと教えてくれる。そういう本は読みやすいのですよ。この本は、東大の社会科学研究所(いわゆる東大社研)が「希望学プロジェクト」を立ち上げ、玄田有史氏を研究代表として、アンケート調査などの実態調査を踏まえ、本として刊行されたものです。東日本大震災や長引く景気低迷など、とかくわれわれは希望を失いがちです。この本は、希望をもつことの重要性と、希望とは実現することだけに意味があるのではなく、希望が創り出す修正や調整のプロセスにこそ意味があることを教えてくれる。人間というのは夢を持つところから始まるのではないかと思う。

Q.先生の大学時代の思い出を教えてください。

私ははっきり言って、勉強をしてなかった。社会人になってから大学院へ行きました。大学時代 4 年間は空手しかやってなかったですよ。勉強よりも、早く大学を卒業したくて、社会で活躍したかった。大学時代、周りもそういう人が多かったです。早く世の中で実践的な仕事をして勝負をして社会の役に立ちたいという気持ちが強かった。学生時代に勉強をしなかった、その反省で社会人になってから大学院へ行った。今の学生には、自分の反省も含めて 4 年間無駄に過ごしちゃいけない、との思いから勉強しろというんです。私は山登りでたとえるなら、いきなりエベレストを目指すような、高い目標を掲げて 4 年間の学習計画を立てさせます。しかし、目標が高すぎると、自分がどれだけ成長したか不安になります。だから一番身近な人、親であったり、先生であったり、そういう人を通しながら自分がどれだけ成長したか確認する必要があるのです。本当に優秀な子は私と思考の枠組みが似てくるんです。同じような考えの子が育っていきます。自分の大学生活を振り返り、勉強しなかったという反省からも、学生には大学時代の 4 年間の過ごし方が 10 年後の社会へ出た時に差として出るんだということを教えています。

Q.先生の趣味を教えてください。

昔は時計集めですね。あとは古本屋めぐり。神田や早稲田の古本屋をめぐるのが好きです。本のにおいが好きで、古い本のにおいがいいですね。あと、最近は孫守りかな(笑)

Q.大学教授になったきっかけがあれば教えてください。

上場企業を 2 社で管理職をやったあと、38 歳で大学院へ行きました。コンサルタントをやっていた時、コンサルタントは 40 歳が定年であると実感していました。例えば超高学歴の 20 人を相手にプロジェクトを展開するとき、頭をフルに使い、問題解決していけるのは 40 歳が限界ということです。だから、40 歳になったら女子大へ行こうと思っていました。なぜ女子大かというと、私自身が企業に勤めていた 30 年前、30 代管理職をやっていた頃、女性は部下として活用するもので、自分の仕事上のパートナーではないと思っていました。しかし、ある会社でコンサルタントをしていた時、その会社ではファーストネームで呼び合うなど、男女の垣根が無く、仕事上のパートナーとしてお互いが楽しく仕事しているのを見ました。その時、私の女性に対する考えが間違っていたことを反省するとともに、自立した女性を育てたいとの強い思いから、女子大の教員になろうと思ったのです。それで、まさにシナリオ通り 40 歳のときに、女子大経営学部の教員になったのです。

Q.実践女子大学の良いところを教えてください。

生徒はまじめで素直で良いと思います。でも、殻に合わせて閉じこもる人が多いですよね。ヤドカリは自分の殻に合わせた穴しか掘らない。だから大きな穴を掘ってほしい。大きな山を目指してほしいと思います。ただ本当に育ちの良いお嬢さんが多いと思いますね。でも女子大特有の同質集団的な色彩が強く、中心化傾向に陥りやすいですね。周りを見て考えを合わせちゃう。自分の意見をもち、それを主張できる人が少ないように思います。授業は黙って聞いていて、静かでやりやすいと思いますね。でも、立教のように、授業が終わったら質問に来るような学生が多く出て欲しいものです。

Q.最後に、学生へのメッセージをお願いします。

高校生に対しては、希望を持ってほしい、人と比較する必要はないです。Only one の自分になってほしいですね。希望を持つということが一番だと思います。

(聞き手:高梨美果・福田詩菜/調査日:2015 年 7 月 22 日)