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山根純佳先生

男性中心の社会で生きていくことの大変さ、現在の社会構造への提言

山根純佳先生

山根 純佳(YAMANE Sumika)/人間社会学科・准教授

略歴:1976年神奈川県生まれ。早稲田大学教育学部社会科学専修、東京大学院人文社会系研究科修士課程・博士課程修了し、博士(社会学)取得。2010年山形大学人文学部講師、同准教授を経て、2015 年から実践女子大学人間社会学部准教授就任、現在に至る。

Q.先生の研究分野を具体的に教えてください。

専門は社会学で、ジェンダー研究です。

市場でモノをつくる生産労働に対し、子どもを産む、育てる、介護をするといった労働を再生産労働と呼びますが、その再生産労働が女性に割り当てられていることによって、どんな不利益が女性に被っているのかを大きな研究テーマとしています。

Q.現在のゼミの雰囲気はどうですか?

明るくて学ぶ意欲がある子が多いです。

Q.ゼミ活動と、今後行いたい活動について教えてください。

ゼミではインターンにゼミ生と参加して、女性が働きながら子育てをしているキャリア展望を抱けるようなプログラムを用意しています。あとは、学会の研究会やシンポジウムへの参加も呼びかけています。

社会調査のインタビュー調査(実際に行ってお話を聞く調査)をこれからは行っていきたいです。特に、専門としている、介護労働の現場での調査をゼミ生と行えたらなと考えています。

Q.おすすめしたい本はありますか?

『女性ホームレスとして生きるー排除と貧困の社会学』(丸山里美著 2013)。ホームレス問題として女性は不可視化されてきたことに対して、この著者は実際にホームレスの人たちと暮らすこと(このような調査法を参与観察といいます)を通して、女性ホームレスが抱える問題や経験を明らかにしています。

『育休世代のジレンマー女性活用はなぜ失敗するのか』(中野円佳著 2014)では、育休などの制度が整いつつある今でも、なぜキャリアを積んできた女性が辞めてしまうのかが明らかにされています。女性は、高校や大学までの学校教育では、男女平等の原則のなかで教育を受けていますが、職場に出て、妊娠や出産した途端、他の労働者とは違う「女性として」扱われることになります。妊娠・出産のあとに、女性が上手くキャリアを積めないような職場のマネジメントの課題を明らかにしています。

Q.高校生のときに、熱中していたことは何ですか?

本を読むことが好きだったので、通学時間はずっと本を読んでいましたね。家に本が沢山あったので、新書などを多く読んでいました。新書を読む中で、国際的な貧困や経済の格差などに関心を持っていました。あとは、哲学の本も読んでいました。

Q.大学進学のときに悩んだこと、大変だったことはありますか?また、どんな目的をもって進学しましたか?

「自分のやりたいことがあれば進学しなさい」という高校だったので、目的意識がなければ大学進学が難しかったです。高 3 の修学旅行で西表島に行ったときに、ごみ捨て場を見に行った際に、「小さな島の中で、ごみを使えばごみが出て裏山に捨てられているのは、世界の縮図だな」と思いました。こういう問題を学ぶのは、社会学なのかなと漠然と思って進路を決めました。私が受験した時代には今のようにオープンキャンパスなどもなかったので、社会学が学べるところという理由で大学を決めました。

Q.大学時代に熱中していたことは何ですか?

早稲田の教育学部に所属していましたが、文学部の授業のほうが面白くて、文学部の授業を多く受けていました(笑)。自分の取りたいものや面白い授業で単位を稼いでいました。

いろいろな学部の授業に出てみるのは面白かったです。

音楽サークルに入っていました。ライブやバイトなどプライベートを充実させて過ごしていました。

Q.山根先生はなぜこの専門分野に進まれたんですか?

多くの勉強をしていく中で、日常では女性であることの不利益を感じないが、「母親は離婚したら、貧困となる」と気づいたときに、「この社会構造はなんだろう」と思ったのがきっかけです。

Q.この分野の魅力はどんなところにあると思いますか?

直接的には自分たちが労働市場に出ていったときに、どれだけ男性中心の社会で生きていくことが大変なのかということを早めに学んで対策できるところです。

中高までの生活のなかで、女性であることのの不利益は感じていないかもしれません。社会に出たときに、まだまだ女性が子どもを産んで育てることと両立することは難しい現状があります。高齢者になっても女性の貧困率は高いです。

Q.実践女子大学に来られた時どのような印象を受けましたか?

言われたことに対して素直に受け止める子が多いなと思いました。あとは、キャンパスが渋谷ということで、学びの面でも範囲が広がり、様々なものを吸収できる場だと感じました。

Q.実践女子大学の良いところは何だと思いますか?

アクセスが良く、研究会やインターンへ行く機会や学べるところがあるとこだと思います。

また、この大学では、1 年生でゼミがあり、いろいろな学問の本に多く触れあうので、そのときに「これだ」と思う分野に発見できると思います。

Q.大学生に今、どんなことを伝えたいですか?

大学の 4 年間を与えられたことは、人生を豊かしてくれる貴重な機会だと思うので、勉強や社会活動に参加して、いろいろな人と触れあってほしいなと思います。その手助けはしていきたいと思います。就職のための大学 4 年間ではありませんよ。

Q.最後に、進路選択に迷っている高校生に向けてメッセージをお願いします。

漠然としたことでも構いませんが、ニュースを見たり、本を読んだりなど社会についてアンテナを張っていてほしいなと思います。オープンキャンパスや公開授業にも積極的に参加してください。

(聞き手:黒石佳苗・八木千香子/調査日:2015 年 8 月某日)