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山下早代子先生

生きたことばの姿、ことばの面白さ、コミュニケーションの可能性を考える

山下早代子先生

山下 早代子(YAMASHITA Sayoko)/現代社会学科・教授

略歴:米国カリフォルニア州サンタマリア市立Allan Hancock College卒業、国際基督教大学教養学部語学科言語学専攻卒業、米国テキサス州ヒューストン大学大学院教育研究科言語教育専攻修了・教育学修士、テンプル大学JAPAN大学院応用言語学研究科英語教育学専攻博士後期課程修了・教育学博士。現在の専門分野・専攻は応用言語学、社会言語学、異文化間比較語用論、第二言語習得理論、英語教育学。

Q.先生の研究分野を具体的に教えてください。

語用論という分野です。話し手が言ったことを聞き手はどう捉え、どう理解するのか、また、話し手と聞き手の会話の成立または不成立はなぜ起こるのか、ことばが社会的にどう使われているのかなどを研究しています。例えば「この部屋暑いですね」と言われたら、部屋の持ち主は何と応えるでしょうか。「窓開けますか?」「お水をお持ちしましょうか?」と相手の意図を瞬時に考えるのではないでしょうか。もしかしたら、意思疎通が成立せず、本当はエアコンの設定温度を低くしてほしいのに、「お水をお持ちしましょう。」「アイスクリームありますよ。」と会話が続くかもしれません。この場合、次にどのような会話が続くのでしょうか。また、アルバイト先の店長と話すときと、同世代の人と話すときでは、使うことばも違うと思いますね。では、日本のような敬語システムがない国ではどのようにことばを交わすのでしょうか。このような、生きたことばの姿や、ことばの面白さ、コミュニケーションの可能性を考えていきます。

Q.最近はどのようなテーマの研究をされていますか?

最近は、以下のテーマで研究を行っています。
1.中間言語(学習者の学ぶ外国語)における語用論的能力の習得
2.教室談話におけるポライトネスの日英比較
3.日本人英語学習者のセルフアセスメントと英語能力における相関
4.変わりつつある言語表現の諸相-社会言語学の視点から:「大丈夫です」は若者言葉か?
5.第二言語習得理論の知見を活かした日本語学習者への文法指導法の提案

5 に関しては、英国 Greenwich 大学 Benati 教授との共編で本を編集中です。2016 年に英国の出版社より出版(英語)予定です。

Q.研究室・ゼミについて教えていただけますか?

山下研究室のゼミは、応用言語学系・国際系(異文化コミュニケーション)のゼミです。ことばについて、特に状況を加味した話し手と聞き手のコミュニケーションの成立または不成立(ミス・コミュニケーション)について、なぜそれが起こるのかを深く追求します。

国際系のゼミとして、もう一つ、ことばを通して文化を考えることもまた本ゼミで力を入れているテーマです。異文化間比較語用論という研究を通して、異なる文化間でことばの使い方(謝罪や依頼、断り、褒め、あるいは敬意の表し方)は同じか異なるか、などについて考えていきます。3 年生のゼミでは、海外研修を通して、実際に異文化体験をし、ことばの使われ方を考えます。

Q.現在のゼミでは具体的にどんな活動をしていますか?

語用論について学んでいます。社会でどのように言葉が使われているのかを、研究しディスカッションします。英語、日本語、といった特定の言語に限定するのではなく、ことばそのものがどのように使われるのか、生きたことばのすがたを研究します。また海外研修の事前学習として、普段のゼミ活動で相手の国について学んでいます。

ゼミ生の進学先は金融系や、海外貿易系などさまざまで、とくに特定分野はありません。

Q.海外研修とは、どんなところへ行くのですか?

3 年のゼミ合宿で今年は 1 週間ベトナムにきます。ベトナムの人は穏やかな人が多く、安全で安心していくことが出来ます。国立大学キャンパスに滞在して現地学生と交流し、「Cool Japan」をどのように世界へ発信するかを皆で考えています。プロジェクトの名前は、JWU “Cool” Japan in Vietnam Project と言うんですよ。9 月末には、ベトナムでの研修の報告会を行います。英語に関して言えば、日本人学生は英語の知識があるのに、日本ではそれを使う機会があまりないのはもったいないですよね。ベトナムの現地学生は英語ができるので、ベトナム人学生との交流を通して、アメリカ英語やイギリス英語だけが英語ではない、そして、同じアジア人同士が英語を使ってコミュニケ—ションができるということを感じてほしいと思っています。

Q.先生の学生時代について教えてください。

高校を卒業してすぐにアメリカへ行き、2 年間カレッジに通ったのちに航空会社に就職しました。その後、日本の大学に入学し、社会言語学を専攻しました。大学時代はサークルには入らず、社会人と学生のオーケストラで活動していました。大学時代には、仲の良い友達 5 人組と出会い、今でも親しい付き合いが続いています。生涯の友です。80 年代には、テキサスの大学院に通いました。このころは結婚していて子どもが小さかったため、子育てや家事と勉強を両立しながら学位を目指しました。その後、大学院博士後期課程の時は子供が中学生と高校生になっていたため、今度は彼らと競争して?勉強していましたね(笑)

Q.先生の趣味であるバイオリンについてお聞かせください。

バイオリンをやっていて、幼少からレッスンを受けていました。中学・高校の頃は音楽大学の先生に指導を受けていたので、プロになる寸前でした-挫折しましたけど(笑)。大学生になってからはオーケストラに入団しました。仕事をもってからは忙しくなり、なかなかバイオリンができない時期がありましたが、最近になってまた弾きはじめました。先日のオランダ・ウィーク(2015/7/14~2015/7/18)でも演奏しましたが、補講日であったのにも関わらず、たくさんの学生が演奏を聴きに来てくれて嬉しかったです。

Q.実践はどんなところだと感じましたか?

日々の生活に真剣に取り組む学生が多く、学生みんなが一生懸命だと感じました。ただ、全体的におとなしいので、「みんなと同じくちゃんとやる」の先にある「自分はこう思う」「自分はこうしたい」という積極性を持ち、様々なことに主体性をもって取り組んでもらいたいと思います。

Q.最後に、学生へのメッセージをお願いします。

大学は自主的に学ぶところです。入学したらすぐに、4 年間で自分が学習すべき科目を、決められた規則に従ってどのように受講していけばいいのかを考えなければなりません。自分が今何をしたいのか、将来どのような自分になりたいのかを常に考えながら 4 年間を過ごすことになります。ただ言われた通りにするという受け身の態度では大学生となる意味がありません。大学はしかし学問だけがすべてでもありません。生涯にわたる大切な友を作り、サークルやボランティア活動などの社会に目を向けた活動を通して、自分自身の土台を作り自分を磨く、大事な 4 年間だと考えて下さい。人間社会学部は、大切なあなた自身を育成することを側面からサポートします。実践女子大学で、素敵なあなた自身を発見し、育てていきましょう!

(聞き手:富田久美子・松崎夏奈/調査日:2015 年 7 月 20 日)