第17号(1996.12) 目次に戻る
図書館長 三隅治雄
私が図書館長に就任したのは、平成4年4月でした。折しも、その3月、長年の懸案だった図書館運営の機械化が緒について、館内にパソコン11台とファイルサ−バ−によるネットワ−クをつくり、外部のデ−タベ−スとの情報通信用にNTTのISDN回線を敷設しました。
図書館運営のベテランで当時の事務部長であった城田氏は、いまは他館に遅れは取ってはいるが、すでに5年、10年の機械化計画を立てて進めているから期待して下さい。ただ経費がかかりすぎるのが問題でね・・・と声を落とされた。たしかに、大学・短大合わせて40万冊もある実践の図書館の蔵書のすべてをデ−タベ−ス化して、検索自在、貸出し簡便という状態に持って行くには、よほどの金と時間がかかる。それをどうクリアするか、私など素人には溜息だけが先立つことでした。しかし、おどろいたのは館職員の意欲と努力のすさまじさで、他館がしている大型コンピュ−タ中心で行う業務処理が予算上無理だと言うなら、パソコンで分散処理しつつ、それらをネットワ−ク化していく方策を講じるなど、情報サ−ビスの完璧化を目指しての研究と作業を必死で行っていたのです。その間平成6年度、茂木事務長が就任して、同年6月には、念願だった学術情報センタ−とのオンライン接続を大学図書館が果たし、12月には短大も追随。それをステップに短大蔵書のミ及入力に取組み、わずか1年3ヶ月後に10万冊近くの全蔵書の入力を完了し、平成8年4月には、機械貸出しを実現出来るまでになりました。これも、全スタッフが、費用がないならないなりの知恵を出し合い、あとは情熱と気力、体力のありったけをぶちまけた成果で、よくぞやってくれたなと、敬服も感心もしたことです。学園当局もこの努力を認めて予算計上に意を注いでくれますが、私学経営のきびしい時代に多くを求めるわけにもまいりません。すでに、低金額でいかに能率的な機械化を・・・について、館の上原氏等が事例発表を行って、他館の注目を浴びており、機器を扱う業界でも、わが館が苦心研究している低金額機械化の方策に、強い感心を示しているという話を聞きました。みみっちいようですが、しかし無理な状況では耐えねばなりません。むしろ、私が敬服するのは、館の職員が、おれたちには不可能の文字はないとの烈々の意欲を燃やして結び合っていることです。現に、短大に続いて大学の蔵書のミ及入力を始めましたが、八幡課長の話では、一万を超える予定以上の入力を果たして、遠からず、就任当時は夢のように思えた全蔵書のデ−タベ−ス化とそれの機械貸出しが実現できそうな状況が見えてきました。それは、学生への当然のプレゼントであると共に、学術情報センタ−を通じて、実践が所蔵する豊富な書物を全国の研究機関の利用に供しうる嬉しいときでもあるのです。その後にまた発展する図書館の明日の英姿を思いえがく昨今です。