第19号(1997.12) 目次に戻る
生活科学部教授 飯 塚 幸 子
生活科学部は、自然科学分野を主とするが、社会科学、人文科学分野にも大きく関連している。そしてその研究が実際の生活の場にどのように役立つかを問われる。従って自己の専門分野のみならず関連分野からも広く情報を得ることが必須となる。このときの図書館の役割は重要である。かつては非常に時間のかかる資料探索を行っていた。時間のかかる割には困難で情報量は少なかった。
今日では、蓄積されたデータベースから特定の情報を探し出す情報検索となって時間の短縮と情報量の増大をもたらした。しかしこのデータベースを使いこなすには熟達が必要となる。 たとえば、全く未知の事柄を検索する場合のデータの求め方、問題がみえていて、より究めたい場合の取り組み方等々、多様な要求がある。
それらの要求にヒットする回答を引き出すためには、数多くのデータベースのいづれにアタックするのが近道かを選ばなくてはならない。ここで司書のリサーチガイドが有用となる。そのデータベースは検索テーマに合っているのかデータベースの持っている情報量はどの位のものか、収録されている資料の内容等についての予備知識が提供されれば迷うことが少ない。
次に検索ワードの選び方も結果を大きく左右する。(検索用キーワードについては食物の田島教授が家政誌Vol.47 No.4に解説されている。)文献が多すぎて収拾がつかない、或いは非常に少なかった、また自分の欲しているものとぴったりしない等の場合、次の対策をどうしたら良いのか、アドバイスが欲しいときである。願わくば、検索前に検索テーマについて理解してもらい、正しく検索ワードを組み合わせること(私に言わせれば作戦サービス)がじっくりと行われればありがたい。随分と、接続時間の無駄をはぶくことができるし、料金も大きな違いをもたらす。これは専門家(サーチャー)に依頼して検索するときでも、こちらの要求を的確に理解してもらうことが第一である。検索の結果出力された情報の適合率がよかったときは、仕事の充実へとつながる。
次にインターネットの情報についても見逃せない。最新の世界中の情報が(語学障害さえなければ)キャッチできることは大きな魅力である。日々の生活が研究対象である生活環境学においては、身の回りの環境に関するページは役に立つ。情報提供のあとの作者コメントも参考になる。「情報を利用する際には、その情報がいつ作成されたものかに注意せよ。技術は進歩し、世の状況は絶えず変化している、記されている解釈が通用すると限らない。外国のサイトに掲載されている情報が日本であてはまらない。社会、産業構造のなど各国で違う、安易な受け売りは危険である。情報を提供する側が掛けている眼鏡、自分が掛けている眼鏡を外してみよ。溢れる情報を見分ける能力必要」等々である。
研究者の忠告や、生活者の生の声をきくことができるし、なるほど!と思う智恵をさづかることもある。特に生活関連の情報についてはデータベース検索の前にインターネットであらかじめ情報の背景を捉えておいて、問題を絞ってから有料のデータベース検索に進むという方法を私は試みている。
おわりにインターネットや検索システムの利用は有効な情報を無駄なくいかにはやくキャッチするかである。いっそうの高度情報化の中で、司書兼サーチャーのプロとしての腕のみせどころだと思う。またそれはこれからの図書館を動かす大きな力となるであろう。