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富士ゼロックス株式会社

LINEスタンプ「実女訳(じつじょやく)ひとこと百人一首」

 本学と富士ゼロックス株式会社との間で「古典籍に親しみ、古典文学を学ぶことの喜びを生み出す問題発見型の教育方法の創出」を目的とした共同研究の一環で『百人一首』を題材とした「LINEスタンプ」を制作しました。
 
 これは、平成27年度の国文学科専門科目「中古文学基礎演習2(担当:近藤みゆき教授)」の中で開発が行われたもので、近藤教授と学生13人が、百人一首から好きな歌を40首選び、歌や歌人のイメージでスタンプを作りました。もとの歌の解釈を吟味して「ひとこと」に集約。女子大生ならではの感性が光る表現にご注目ください!

※下記の各画像をクリックすると和歌・作者名・訳・解説が表示されます。

「もう寝る」

「なし」

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※なおLINEスタンプの売上金は、近藤教授と学生たちの意向から、大規模災害等で被災した学生や生徒を支援するための学内奨学金に、全額を充てる予定です。

参加者一覧

<監修・訳・解説>
近藤みゆき(文学部国文学科・教授)
<イラスト>
恩田美咲(文学部国文学科・3年)
<撰歌・ひとこと立案>
立石希沙来(リーダー)、寺嶋舞菜(リーダー)、小笠原唯、奥田ゆりか、恩田美咲、神戸乃冬佳、小林美智、
柴草弓絃、嶋田りみ、瀬谷佳奈子、田中志帆、中井夕美果、森﨑千晴(いずれも文学部国文学科3年)

※学年は平成28年度のものです。

監修・訳・解説を担当した近藤みゆき教授(文学部国文学科)からのご挨拶

画像イメージ文学部国文学科・近藤みゆき教授

心(メッセージ)を伝えて
~王朝のコミュニケーションツールから現代のコミュニケーションツールへ~

 このたび本学と富士ゼロックス社との産学共同研究の成果の一つとして、『百人一首』を題材としたLINEスタンプを制作し、発表することとなりました。共同研究の目的は、「古典籍に親しみ、古典文学を学ぶことの喜びを生み出す問題発見型の教育方法の創出」です。『百人一首』は中世初頭の歌人、藤原定家が独自の審美眼で歌人百人と和歌百首をえらび出した秀歌撰ですが、江戸時代にかるたの形となったことで多くの人々に広がり、日本文化を代表する文学作品の一つとなりました。富士ゼロックス社側から、古典文学をたとえばLINEスタンプのような新しいツールにすることはできないかという提案があった時、真っ先に思いついたのが『百人一首』でした。王朝時代の和歌は、現代の短歌とは異なり、文芸性の高い「作品」としての善し悪しが問われる以前に、生活と密着したものであり、人と人をつなぐ会話の手段という性格を強く持つものでありました。恋人とのやりとりはもちろんのこと、身内や上司部下への挨拶にも、友人同士の心の交流にも和歌は詠まれました。「やまと歌は人の心から生じて言葉になったものだ」(『古今和歌集』仮名序)とは、定家も尊敬した紀貫之の言葉ですが、三十一文字で心を伝えるという特殊なコミュニケーションツールが和歌だったのです。『百人一首』には、そうした歌が多く取られています。LINEスタンプも、イラストとテキストという型をもったものを手段とする特殊なコミュニケーションツールです。そこには確かに共通するものがあります。そうであるならば『百人一首』のそれぞれの歌にこめられた「心(メッセージ)」を、現代の目でLINEスタンプ的に再解釈し、表現することも可能なのではないか。その思いが発端となりました。

画像イメージ「中古文学基礎演習2」の授業風景

画像イメージ学生によるスケッチ

 『百人一首』でLINEスタンプを創る—この目的のもと、アクティブラーニング型の課外授業を発足しました。対象としたのは平成27年度の授業「中古文学基礎演習2」の受講生(当時大学2年生)でした。同科目の「1」で『古今和歌集』を学習し、平安和歌についての研究方法の基礎を習得しています。結果、13名が参加となりました。新しい問題意識で古典和歌を研究し、これまでにないものを創造することに挑戦したいと希望した学生たちです。歌を選び出したあとは、各自分担して、各和歌の注釈史、歌人の人生、どのような状況でその歌が詠まれたかなど、一首一首の理解を深めるのに必要な事を調査しました。それらの結果は、全員が共有出来るようにEvernoteというツールに集約しました。様々なクラウド型ツールがある中で、Evernoteを用いたのは、参加者全員がスマートフォンで快適にアクセスできるものだったからです。全員が授業前にEvernoteにアップされた情報を予習し、歌の解釈だけでなく、歌人の人生と詠歌事情をすべて踏まえた上で、イラストのポージングと凝縮した「ひとこと」を決定しました。特に「ひとこと」は、LINEスタンプとして実際に使用頻度が見込まれるかどうかという点も、徹底的にブレーンストーミングした結果となっています。非常に時間のかかる作業となり、平成28年度前期に及んだため、最終的には近藤とリーダー2名の責任のもと、決定しました。なぜ、この「ひとこと」に決定したのかは、こちらの「解説」でご紹介していきますが、歌と歌人に関する実に多くの自発的な学習の結果、この「ひとこと」が決定した事がおわかりいただけるかと思います。こうした「創る」という目的のもとに古典文学を再解釈する過程を踏むと、学生の理解度、集中力、熱意、発想力は通常の基礎演習をはるかに上回るものであることが実感されました。

 千年前の歌人たちが歌に託した「心(メッセージ)」が、現代のみなさんのコミュニケーションにも多く活用されるように、またそのことを通して、『百人一首』の歌人の名前や和歌そのものにも親しんでいただけるように願っています。