卒業研究要旨(2007年度)

コ・ステーション 〜日野駅改修計画〜

2007年度卒業研究 空間デザイン研究室 新岡里美・末永陽子

1.はじめに

 現在の日野駅を見てみると、通路が狭くて暗い印象を感じてしまう。それらのイメージを払拭し日野駅周辺の人が集まる中心地となる駅、安らぎの空間を提供すると共に新しい日野の一面を生み出しシンボルとなる駅を提案する。

2.設計主旨

“コ・ステーション”
  Comfort-安らぎの場
  Communication-人々が伝達しあう場
  Common-人々が共有する場

人が通過点としか利用していなかった場である駅を人が立ち止まり、人が集まりくつろぐことができる場となるように改修する。人が動きそして止まりそこから新しいものを自身で生み出してくれるような人の流れを作る。

3.人の流れの提案

 改修計画をするにあたって、人の流れに関して配慮し、空間・建物の配置により人の動きに変化を持たせた。駅の顔である東側には人を引き込む為に公園を設置した。そして線路下をくぐり抜けたその先には、人の足を止め個人の時間を楽しめるようなカフェ・図書スペースを作った。その向かい側には駅の中心となる展望台に繋がるエスカレータを設置した。宙を突き進む長いエスカレータを利用することによって展望台に向かう間にも新しい日野を見つけ出すことができる。そして東西の繋がりを作り出すことにより新たな線が生まれる。

4.立ち止まる空間の提案

(1)Comfortableな場〜公園・図書スペース〜

 忙しさばかりを感じてしまう駅という場に、人がホッとし、安らぎを与えてくれる空間を提案する。外の空間には西側に人を引き込む作りの公園、内の空間には東側に図書スペースを設置する。大人も子供も一緒にいて、それぞれが充実した時を過ごせる場を作る。

(2)Communicateをする場〜カフェ〜

 西側に設けたカフェは駅の待ち合わせの場としても利用され、そこは人が人を待つための場になる。多くの光りを取り入れ、吹き抜けの空間を作ることにより空間を広く見せる。

(3)Commonな場〜シンボル〜

 駅は街に対して閉鎖的である。それを少しでも開放的すると共に、街に影響を与える発信地となるようにシンボルとなる場を中心の円柱部分に提案する。上部には、新たな駅と駅周辺を見渡せるそこから日野を見渡せる展望台を設置し、今よりも日野を知ってもらう場ともする。

5.結果

 3つの新しい空間を設けたことにより、慌ただしく通過するだけの駅空間から心地よく立ち止まることのできる新しいスタイルの駅空間になる。

(図1)模型写真
(図2)配置図



2003-2008, Space Design Laboratory, JISSEN Univ.
Status: 2008-01-30更新