卒業研究要旨(2008年度)

SHINANO GAWA 〜人を引きつける場所〜

2008年度卒業研究 空間デザイン研究室 稲垣歩

1.目的

 新潟には日本で一番長い川“信濃川” が流れている。新潟駅付近と信濃川を挟んで反対側の地域は繁華街となり多くに人が川を渡り行き来している。
 しかし信濃川沿いのやすらぎ堤にはほとんど人はおらず、都市部の溝となっている。そこで新潟ならではのこの自然をいかし人に魅力ある場所にしたいと考えた。対象地域に新たな体験や居心地の良い新しい空間を創り、信濃川や人との新たなコミュニティを形成する。そしてそこから新たな人の流れを生み出す場としたい。そしてまたそこから私たちは自然の居心地の良さ、新潟の良さを再確認する。
 信濃川+αで今までに無い信濃川と人との関わりを考えた。その+αは五感(味覚、視覚、触覚、嗅覚、聴覚)を体験し親水行動をとりながら、様々に人とも関われる場所、引きつけられる場所を提案する。

2.やすらぎ堤に行こう!

町中を歩いていたら、堤防沿いに川に向かってのびる大きな橋を見つけた。
何だろう?橋にあがってみよう。
橋には木や電灯が行く手をさえぎっていて、いつの間にか堤防に着いていた。

(1)味覚

橋の脇の堤防の上にカフェがある。少し喉も乾いたから少し休憩しよう。信濃川をこんなにのんびり眺めたのは久しぶりな気がする。
 堤防の下にある建物の上に人がいる。楽しそうだから堤防からおりていってみよう。

(2)視覚

小さな建物は子供の遊びスペースで、親子連れがたくさん集まっている。真ん中の建物には本がたくさん。2階は信濃川や堤防全体が見渡せるし、外にも出れるようになっていた。夜景も綺麗だろうな。
 あの一列に並んでいる木の先にはなにがあるのだろう。行ってみよう。

(3)触覚

木がたくさん茂っていて今までの堤防とは違って少し閉鎖的な感じ。目印の木を追って歩いていくと一気に視界は開け、デッキが見えてくる。デッキの中心には水が流れていて、その水場で子供たちが楽しく遊んでいる。

(4)嗅覚

部屋によって香りが変わっている。今日の気分によって香りを選べるようになっている。信濃川を見ながら香りに癒される。部屋によって、川の見え方が違うから何度来ても楽しめる。次はどんな香りの部屋があるのかな。建物が少し川に突き出していてその部分の床がガラス張りになっているから川の上に浮いているみたい。

(5)聴覚

ここは音楽を楽しめる場所みたい。今日は疲れたから癒される音楽を聞こう。音と景色で自分だけの時間、空間になるから一人でも楽しめるし友達と来ても音楽の話で盛り上がりそう。

いつの間にかまた堤防に戻ってきてた。
今度は八千代橋につながる道がある。橋の上や反対側の堤防からはどんな風景があるのかな。ちょっと足をのばしてみよう

(図1)全体模型(写真)



2003-2009, Space Design Laboratory, JISSEN Univ.
Status: 2009-01-22更新