SpaceDesign Labo, JISSEN Univ.
2015年度卒業研究 空間デザイン研究室 岩井涼香
茨城県北茨城市にある、磯原駅。一日の利用者数は、年間平均約二千人。そのため、朝と夕方~夜のラッシュ時間以外は、駅を利用する人が少なく、駅周辺で人をほとんど見かけない。通学で電車を利用する高校生が沢山いるが、駅周辺に居場所がないため、その辺でたむろしていることが多い。
昼間の駅周辺と違い、市内のお店では知り合いや友達によく遭遇する。駅前の小さな居酒屋では知り合いに会うばかりではなく、その場で初めて会う人と仲良くなるということもある。北茨城市は、『いい意味でネットワークが狭く密である。』それは、昔も今も変わらない良いところである。その小さな店の中で発生している良いところを、東口商店街でも発生させ、再び活気溢れた駅前を目指す。
シャッター街となり人も車もほぼ通らなくなった東口商店街。夜は暗く怖い雰囲気があり、とても寂しい。
遠方からココに来て何かをするのではなく、地元の人がフラっと来て思い思いに過ごす場をつくり、たくさんのネットワークが増え、その和が広がっていく場をつくることを目指す。
磯原駅の西口や東口北側には、多くの“飲みュニケーション”が生まれる場が存在し、小さい店の中で、人と人が繋がり、その和は連鎖し広がっていく。荒廃しきった南側でも、『人と人が出会い、繋がり、様々なコミュニティーが生まれ、その輪が広がっていくような空間をつくる。』
西口の南側では“お酒”のつながりだけでなく、高齢者や高校生等が、趣味や勉強、食事などの“飲まなケーション”で世代を越えて人と人が繋がっていき、和が出来て広がっていくような場となる。
・空き家は、基礎や柱・梁など利用できるものは、なるべくそのまま利用し、外壁や屋根・間取り・開口部・内装は、各々のプランによって作り変える。
・既存の建物は、そのまま存在させるが、塀などの境界線は撤去し、新しい壁や道、樹木で改装した建物と繋ぐ。
・アスファルトの道路をなくし、明確な道は作らず、歩く人が歩きたい場所を通る。
・樹木や壁、地面の素材やイスなどで様々な方向に導く。こだわりの道を通ったり、歩いてたらたまたまどこかへ入込んでしまったり…と各々のお気に入りの場所を探し、そこで好きに時間を過ごす。
・食ゾーン、住宅ゾーン、施設ゾーン、勉強ゾーン、抜け道、溜まり場、などの『和』が沢山あって、平面で見たときに、それぞれの場が連なっていく形。
(図1)対象敷地地図
(図2)イメージ
2003-2016, Space Design Laboratory, JISSEN Univ.
Status: 2016-02-05更新