卒業研究要旨(2020年度)

スカイアリーナパーク

2020年度卒業研究 空間デザイン研究室 加藤温子

1.はじめに

 身体の動き、すなわち運動は人間にとって健康意識や価値観に様々な影響に関わるため大切なことだ。したがって、人間にとってスポーツ施設というものは重要な場だと私は考える。平成27年度に行ったスポーツ施設に関する調査研究によると、現状のスポーツ施設は「運動・競技目的の人々が集まる場」であり、スポーツをしない人たちは大半訪れない。現状から脱却するために、これからのスポーツ施設のあり方として、「地域の人々が集まる賑わいの場」としていく。そのために、「地域の住む人たちが誰でも」利用する施設へと展開していく必要がある。
 この研究から、私の地元の座間市に存在する体育施設、スカイアリーナ座間に着目し、だれもが気軽に利用できる施設を目指す。

2.敷地概要

対象地:神奈川県座間市相武台1丁目 スカイア リーナ座間(座間市立体育館)および周辺地域
敷地面積:約51000m2
体育館面積:約5048m2

 スカイアリーナ座間は鉄筋コンクリート、一部鉄骨造の地下1階から地上5階建ての構造である。北東へ徒歩5分の位置に相武台前駅があり、駅周辺は商店街や飲食店が広がり栄えている。北西に米軍基地(座間キャンプ)、南西に病院と消防署(予定地)といった主要公共施設が並んでいて、隣には大坂台公園があり、座間の景色が一望できる。また、2019年11月から大坂台公園の西側は閉園し、 新たに多目的広場を工事している。この敷地は地形が特徴的であり、最大標高差22m である。

3.設計コンセプト

 体育館だけに特化した場ではなく、地域に開いたスポーツパークにすることで、スポーツに興味がない方々、多くの人たちが気軽に訪れ、現状のスポーツ施設の場を脱却することができ活気があふれる。また、対象敷地は地形が特徴的で奥に行くほど、徐々に上に空に近づくため、いろんな楽しみ方や景色が広がっており、興味惹かれる場となりうる。

4.計画

 スカイアリーナ座間は体育館としての機能は良いが、高齢者が多く、訪れる人が決まっている。 また、ロビーは天井が低く圧迫感があり暗く、不気味。そこで、リノベーションする。いろんな人々に気軽に利用していただけるように、外から中の様子が見えるように3階の大体育室は開放的に壁を無くし、半屋外にする。また、土足で入っていただけるように、中体育室と大体育室の床材を変更する。中心の体育館部分の場は地下1階に備蓄庫、駐車場、1階に屋内スポーツ広場、憩いの場、3階に半屋外スポーツ広場、4階にカフェがある。また、上に行きたくなるような工夫を増築し計画。周辺は体育館内にあった機能、トレーニング室、弓道室、武道室、ミーティング室、幼児体育室を周りに開放的に配置する。また、展望スペース、足湯、子供たちの遊び場、日本庭園も配置することで、自分に合った空間を見つけることができ、この場でいろんな過ごし方を発見することができる。
この場が座間市の人々が気軽に利用でき、人々が集まる賑わいの場となることを願う。

(図1)対象敷地
(図2)全体模型



2003-2021, Space Design Laboratory, JISSEN Univ.
Status: 2021-01-23更新