実践『ペルソナ』通信(No.059 および No.B-059)
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実践「ペルソナ」通信(No.59)
「購買意欲の実態」に関する調査結果
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実践女子大学人間社会学部 実践「ペルソナ」研究会では、「デザインによる購買意欲の実態」について、パッケージやデザインに惹かれて購入した経験のある女子大生を対象に、写真観察法により、調査しました。
また女子大学生を対象に、「衝動買いにおける平均価格」についてアンケート調査を実施しました。有効回答者数は 100 サンプルでした。その結果をランキング形式で、1 位から 10 位までを発表します。
※実践「ペルソナ」研究会は、実践女子大学人間社会学部における「統計科学(担当:竹内光悦)」、「経営学(担当:篠崎香織)」、「マーケティング(担当:斎藤明)」の3つの分野のゼミ生を中心に組織され、実践女子大生が「自分たち自身」の消費活動、ライフスタイル等を科学する研究会です。
【総括】
写真観察からは次のことがわかりました。全体の 24% がキャラクター、16% が動物、12% が食品をモチーフとしたパッケージやデザインのものとなっており、文具やケア用品、雑貨など、様々な分類で一定数見られました。また、キャラクターを用いたデザインは比較的、色が鮮やかなものが多く見られました。限定パッケージなどの商品は、質は変わらないにもかかわらず、購入している点から、限定デザインであるという理由で購入をする人が多いのではないかと考えられました。またパッケージやデザインに惹かれて購入するものの特徴は、持ち運べるもの、常に手元におけるもの、消費するものが見られました。パッケージやデザインなど見た目に惹かれて購入している人は、持ち運びやすいものや消費するものが多く見られます。見た目に惹かれたものであるため、視界に入れる機会が多いものを購入する傾向にあるのではないかと考えられました。キャラクターなどとコラボをしているパッケージやデザインは、サイズだけではなく、価格の面でも手ごろに購入できるものが多く見られました。パッケージやデザインに惹かれている人は、商品を購入する際に、見た目>質を優先している人が多いのではないかと考えられます。そのため、失敗したときのリスクの少ない低価格商品が多いのではないかと考えます。また、長期的に身に着けるものというよりは、消費の早いものが多く、一時的な気分・視覚的な楽しみの一つとして、見た目による購入を行っているのではないかと考えられます。
またランキングにおいては、今回の調査結果から女子大学生がパッケージなどの見た目に惹かれて購入する際に基準としている価格は、1 位~ 4 位の票数にあまり差がみられないことから、1,000 円~ 5,000 円と幅広いことがわかりました。またジャンルを問わずに衝動買いを行う人がおよそ 6 割、洋服や化粧品など、特定のものに対して基準の価格を決めている人がおよそ 3 割でした。1 位~ 4 位に関しては、ジャンルを問わずに衝動買いやパケ買いを行うと回答した人がそれぞれ半数を占める結果となりました。5,000 円や 1 万円などある程度の金額であっても見た目などに惹かれ、衝動買いを行う人が多いことから、質と同様、またはそれ以上に商品のビジュアルが重要なのではないかと考えられます。
調査の詳細については調査報告書をご参照ください。
■■■ 実践女子大学人間社会学部「じんしゃ」■■■