色の好みは、ホントさまざま

色の好みに普遍的な傾向はあるか

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 色の好みの研究の歴史は長い。古いところでは、がある。赤、橙、黄、緑、青、白、黒。これをに選んでもらった評価してもらったところ、もっとも好まれた。もっとも選ばれることが少なかったのは、橙。こういう傾向は、その後の調査でも見られることが多かったので、「青が好まれ、橙が嫌われる。」というのは普遍的な傾向であるかとも思われた。

Image1.gif横軸が落ち着き・まとまり、縦軸が明るさ・面白みの軸 オフィス街、商業地域、住宅街の区別に拠らず、右上になるほど好まれる・美しいと感じられる

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 しかし、このような研究には批判もあった。ひとつは、純色ばかりでいいのかというもの。もっと淡い色や暗い色やグレーっぽい色もあるのだから、色の好みはそういったものも含めて抽出すべきだというものである。もうひとつは、個人差をきちんと捉えているのかというもので、少ないにしろ橙を好む人もいるのなら、

 実験自体は簡単なものだ。灰色の台紙にさまざまな色紙を貼って、印象評価してもらえばいい。だから誰かがやっていても良さそうなものだが、多数の色紙を評価させるのが面倒だからか、私の知る範囲では、数百色を評価させたようなものはないようだ。それでやってみることにした。

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 さて、データを集めて

※紹介した研究の詳細は....槙 究、渡部裕子、飯島祥二:単色の印象評価 −背景色と個人差に着目して−、日本色彩学会誌、Vol.31、No.1、pp.2-13、2007 参照LinkIconPDF