実践女子大学 生活環境学科 環境デザイン研究室志望学生へ

入学希望者対象

高校生のみなさんへ

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環境デザイン研究室では、Better Design through Researchを合言葉に、デザインのヒントとなる考え方やデータを探っています。
 槙が大学時代に知りたかったことは、「いい建築・いい環境って、どういうものなのだろう。」ということでした。設計製図の課題をやっていると、そういうことが知りたくなるものです。いいか悪いか、好きか嫌いか。そういうことは人の判断だから心理学だ。そう思って環境心理学をやり始めました。
 色に興味を持ったのも大学時代です。槙は他の建築系の人より色が気になるみたいです。「色が溢れているせいで街並みが壊れていることも多いのに、授業では色のことをほとんど教えない。それなら、自分でやろう。」そう思ったわけです。
 これらの分野については、それぞれ「環境心理学(春風社)」、「カラーデザインのための色彩学(オーム社)」の2冊にまとめました。授業のテキストとしても使用していますが、興味のある人は読んでもらえるとうれしいです。どんなことを考え、データを集め、解析し、それがどのような形でデザインのヒントになるのか、それが見えてくると思います。

 大学を選択することはひとつの出会いであると思います。私のように身の回りの環境を見渡したときに、「なぜ、こんな環境が生まれたのだろう?」、「人は環境にどんな影響を受けているのだろう?」などと考える人、ぜひ、生活環境学科の、そして環境デザイン研究室の扉を叩いてみてください。

在学生対象

ゼミを志望するみなさんへ

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ようこそ。 Welcome. Willkommen. Bienvenu.  Bienvenido. 
熱烈歓迎。


堅いお話から。
生活環境学科の先生方の守備範囲は広いですが、私のところでは主に感性的な側面から生活環境にアプローチしています。つまり、人がどう感じるのかということから、環境を捉えようとしています。1・2年生でやった設計製図では、色や素材や照明といったものが出て来ず、空間の形や構造を表現する線が出て来るのみということも多いでしょう。模型を作っても、スチレンボードの白が基調になる、そういうことが多いでしょう。でも、それらの表現で切り捨てられている部分について興味のある人もいる(多い?)のではないですか。そういったところに興味のある人、Welcomeです。色や素材や照明で形作られる視環境を中心に、人が感じることと環境の特性の関係を明らかにする研究をしています。その成果については、「環境心理学」、「カラーデザインのための色彩学」という、授業で使用したテキストを参照してください。
 ところで、感性的な研究をやっていると、感じたことがどう行動に結びついていくのかということが気になったりします。そのあたりはこれから取り組んで行きたいのですが、特に人が環境をどう調節しているのかというところに興味を持っています。みなさんが自室を整えるときも、与えられた家具を配置するだけではなくて、買い足したり配置換えしたり、いろいろやりますよね。夏なら日陰を、冬なら日向を歩きますよね。そういう調節行動についての研究をしてみたいなあと考えています。作ったときが一番良い建築ではなく、だんだん良くなる建築について考えてみたいのです。で、Welcomeです。
...というように、建築系のことで書いてきましたが、洋服の配色の研究をしたこともありますし、プロダクトの色の研究をしたこともあります。また、建築概論の授業でやっているような建築を眺める視点についても意識していきたいと思っています。そういうことに興味のある人、Welcomeです。

では、柔らかい話を。
 2年に一度、海外研修旅行を実施し、ドイツ、イタリア、スイス、フランス、スペイン、オランダなどに行ってきました。年に一度、ゼミ合宿で北海道に行ったり、広島に行ったり、名古屋に行ったり、金沢に行ったりしました。建物を実際に見てみるのも、自分たちとは異なる生活習慣を持つ人々を観察してみるのも、いい勉強になると思います。ゼミでも、いろいろなことを見て、聞いて、感じましょう。
 体育祭、学園祭。祭りには必ず参加します。体育祭は早くに負ければ宴会をし、遅くまで残ればお祝いをします。学園祭の準備は大変なこともありますが、いい思い出になるでしょう。ゲートを作ったり、ファッションショー用のビデオを作成したり、学園祭以降の燦広場を照らすイルミネーションを設置したりと、いろいろやって来ました。学園祭に向けた準備がどんどんレベルアップしていくのを見るのは、特に楽しいものです。

さて、ゼミの時間に何をやるかについて。
 常盤祭に向けた活動は必ず入れますが、それ以外は私の気まぐれとみんなのやりたいことで決めていきたいと考えています。やりたいことをどしどしぶつけてください。
 では、Environmental Design Lab.へ、Welcome!!!

PS.
卒業研究について
 昔、卒業論文をやっていたときのこと。一緒に組んだ先輩の指示通りに動いていた私がやっていることの意味を理解したのは、実験が終わった後、論文を書いている時でした。実験の最中は、何もわかっていなかったのです。そういう経験があるので、卒業研究を進めるにあたっては、一緒に意味を確認しながら計画を立て、データを集め、解析をしていくという姿勢で臨んでいます。
 テーマは、私が考えるリストから選ぶ人もいれば、自分で持ってくる人もいます。どちらでも構いません。セミナーの授業を受ける3年生の間に考えてみてください。
 それと、制作を希望する人には次のように話しています。「現実を見つめて問題点を抽出し、それを解決するデザインを考えよう。」研究に対する姿勢と同じで、問題解決のヒントを与えることができるような計画案を作りたいということです。現実とリンクした形で。簡単ではないですが、(というか、アイデアが出てこないときは、ホントしんどいですが)やりがいはあると思います。

 後は、ゼミ・オリエンテーションの時にでも...。

大学院希望者対象

大学院を考えているみなさんへ

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 実践女子大学大学院の生活環境学専攻は、学科の教員10名がそのまま担当しますから、アパレル系、プロダクト・人体系、建築系の教員で構成されます。そういう意味では建築としての専門性が薄いと言えるでしょう。デザインに興味がある人にとっては構造の大学院の授業は専門外に感じられるだろうというようなことを考えれば、建築系の学科と同じようなものかもしれませんが。
 その中で、建築系の3名の教員(高田、橘、槙)の共通点を探るとすれば、「人間側から環境を捉える」ということでしょうか。私は心理評価などを使って主に感性の側面から環境を捉えますし、橘先生は行動調査などを通じて環境と人の関わり合いを探る手法を、メインとなる福祉施設などの研究領域では用いることが多いです。高田先生は実務家ですが、地域の特性を読んだり、生活をイメージしたりするところからデザインを考えることが多いように思います。ですから、そういった人側から環境を考えるアプローチに興味を持っている人に向いていると思います。

さて、研究室の話をしましょう。
 大学院にはなかなか進んでもらえないので、仲間と切磋琢磨するというより私と研究を進めていく形になると思います。私はいい建物、いい環境というのはどういうものか、どうやったら作れるのかということに興味があります。それを人の側から探って行きたいと考えています。建築色彩の研究を例に取れば、さまざまなサンプルを評価してもらって、人がどんな事柄を評価するときに考慮するのか明らかにしようとしますが、これは人を探ることでデザインに役立つ情報を得ようとする試みです。
 今、デザインに役立つと書きましたが、それを目指すという方向性も持っています。世の中には事象を整理するだけの研究や、教室とかオフィスというように特定の建築環境を扱ったものも数多いのですが、人を中心にするということは、ある環境だけに適用するというより、もっとユニバーサルな方向性を持つことになります。環境が変化すれば人の反応が変化する。それはなぜかということを考えるのであれば、ひとつの環境だけを取り出して論じるのではないということです。単純なところから始めて徐々に変数を増やしたり、反対に複雑な全体を扱って大まかな情報を得ようとしたり。これは、事例研究が陥りやすい「どの範囲まで使って良いのかわからない。」という点と、実験室的な研究が陥りやすい「適用できる範囲が狭い、もしくは現実に適用できない。」という点を克服しようという試みです。
 「環境心理学(春風社)」、「カラーデザインのための色彩学(オーム社)」を読んでもらえると、全体像が掴めると思います。また、これまで発表してきた論文を見てもらえると、どんな手法を使って、どんな事柄を明らかにしようとしてきたのかわかると思います。

 興味が湧いたなら、連絡ください。連絡用ブログを使用すれば、メールが私に届くようになっています。

PS.
 建築系以外の人が興味を持ってこのページを訪れることもあるでしょうか。その場合はたぶん環境心理系か色彩系か、どちらかだと思います。その人たちにも上述の事柄はある程度当てはまると思いますが、異なる部分もあるでしょう。
 直接話をさせてもらった方がいいと思うので、連絡ください。  LinkIconContact


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