卒業論文ピックアップ

ジーンズなど、青い服は色褪せしやすいように思います
→本当に色落ちしやすいかどうか、実験で確かめてみました



イタリア人は、あんまり色落ちを気にしないなどと言いますが、私達は気になりますよね〜。実際、某百貨店に寄せられた繊維製品の苦情でも「色落ち」は上位にランクインしていました。

もし、色落ちしやすい「色」がわかれば、購入時に注意することもできるし、日焼けが心配な屋外での着用を控えるといったこともできます。市販のパンツとカーディガンを購入してきて、染色堅牢度(けんろうど:染色の丈夫さ・色落ちのしにくさ)を測ってみましょう。JIS(日本工業規格)で決まっている標準的なやり方よりも厳しい条件に基づいて、2つの試験を行いました。試験に用いたのは、G社・C社・U社・H社・E社の5社の製品で、それぞれ青・赤・緑・茶色の製品を比較してみました。

(1)洗濯堅牢度試験
90℃という高温で洗濯することで、色落ちを促進させます。じゃぶじゃぶ。
結果は...青と緑はすべてのメーカーのものが基準値をクリア。赤はG社とC社で、茶はE社で基準を下回りました。青より赤系統の染料の方が洗濯に弱いみたいです。

(2)耐光堅牢度試験
160時間、太陽に似た光であるキセノンランプに照らし続けて、色の変化を見ました。じわじわ。
G社は3つの色すべて基準値以下で、全滅。H社は赤を除く3色が基準値以下。C社とU社は赤、E社が茶で基準値以下。ここでも、赤系統が弱そうです。

ちなみに、G社とH社は海外のファストファッションブランドです。海外の製品を買うときと、赤系統の服を買うときは、気を付けましょう!
青は、それほど気にしなくても大丈夫そうです。

※もちろん、染色の方法や布地の種類でも堅牢度は変化しますので、色だけですべて判断できる訳ではありません。詳しいことは、牛腸先生の講義で勉強してください


青色繊維製品は色落ちしやすいのか(石井桜子)より

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