卒業論文ピックアップ

まちなかで見つけた「シェアカフェ」って何だろう?
→みんなで作り、みんなで支える居心地の良い場所でした


青梅のまちなかに、ちょっと変わったカフェを見つけました。民家を改修した建物で、日替わりでいろんなお店が出店しています。最近こうした「シェアカフェ」という形態のお店が少しずつ増えているようです。

でもこのお店は、単なるシェアカフェではなく、ひときわユニークなかたちで誕生し、運営されています。お店に何度も出向いて体験してみたり、オーナーさんや出店者の人、お客さんにヒアリングを重ねてみることで、このお店ならではの魅力が見えてきました。

ユニークな点1:一人ひとりの思いがつながる
このシェアカフェにお店を出す場合、一日の出店料は300円のシフォンケーキ10個だけ。オーナーさんは、青梅の町をもっと豊かな場所にしたい、もっといろんな人にこの町に来てほしいと思い、安価な料金で誰でも出店できるシェアカフェを始めました。オーナーさんの思いに賛同した大家さんから空き家を借り、多くの人から家具や家電などを寄付してもらい、ボランティアが集まって手作りで空き家を改修しました。多くの人の思いがつながって、居心地のいいカフェができあがりました。

ユニークな点2:みんなが学べる、みんなで作る
出店者の人たちは、オーナーさんや他の出店者とのつながり、お客さんとの距離の近さを高く評価していました。はじめてお店を出した人も、いろんな人に相談できたり、お客さんからアドバイスをもらうことができます。お客さんのほうも、ここで新しいことが学べるので世界が広がると感じ、自分もできるだけお店に協力して関わっていきたいと思う人がいます。オーナーさん、出店者、そしてお客さんも含めて、みんなが関わって作っているカフェなのです。

ユニークな点3:地域とつながる
オーナーさんの思いは、このお店を通して青梅にいろんな人が来てほしい、ということでした。口コミやSNSの情報などを通して、かなり遠くからのお客さんもカフェに来てくれるようになりました。また出店者の中にも、このカフェでの経験を通じて、青梅に新しいお店を開こうとする人が出てきています。さらにオーナーさん自身も、映画を上映できるコミュニティスペースや、地域の人の要望を叶える小さなコンビニをつくったりと、まちの中に新たな活動を展開しています。

このカフェは、多くの人を少しずつ巻き込みながら、そこに一人ひとりの思いの連鎖が生まれ、多くの人にとっての大事な居場所にをなりつつあるようです。そこに行けば、なんだか居心地がよく、つい長居をしてしまったり、いろんなお店の人と仲良くなったりする、そしてだんだん「まち」のことが分かってくる、そんなカフェがあることで、「まち」そのものも少し豊かになっているように思います。

シェアカフェが地域に与える影響〜青梅cafeころんからみる人のつながり〜(松尾彩音)より

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