下田歌子電子図書館について

 現在、図書館では従来の紙媒体資料(図書・雑誌)のほか、電子資料(CD−ROM他)、映像資料(ビデオ・マイクロ)、音声資料(CD、MD)など収集資料も多様化しています。またマルチメディア・電子図書館という言葉が世の中を賑わしているように、図書・雑誌が1冊もない大学図書館も出現しています。本学では1994年から第1次5ヶ年計画で図書館電算化を開始。大学・短大35万冊所蔵資料のデータを作成、そのデータを基に貸出など利用者サービスの充実に努めてまいりました。
 今回は、下田歌子電子図書館と銘打って、下田歌子資料の膨大な資料群の中から一部を紹介いたします。本プログラムは3部からなってます。まず第1部に「下田歌子関係資料総目録」の略年譜を利用した下田歌子HISTORYという項目を設け、下田先生の業績と人柄。また貴重な実践女学校三校合同運動会16mmフィルム、下田先生の喜寿記念に際して所感を述べているレコード(録音資料)をパソコン上に取込み。マルチメディア風に創ってみました。第2部では下田先生がどのように女子教育を考えていたか、また、創立から100年たった実践女子学園に下田先生の考えがどのように反映されているのか、下田先生の著作と一部ではありますが本学教員が書いた下田女子教育に関する論文などを全文掲載した電子図書館を創りました。そして最後となりましたが第3部は、実践女子大学図書館1970年刊「下田歌子関係資料総目録」(冊子体)データを900件ほど電子化。検索も出来る下田歌子資料データベースを構築しました。それぞれ特長のある構成となっています。どの項目も簡単な操作で楽しめます。お気軽にお試しください。
 なお、今回下田歌子電子図書館を試作しましたのは、上記、第1次図書館電算化計画での一般蔵書データベース化が終わり次第、第2次計画では下田歌子資料などを中心とした実践女子大学・短期大学所蔵特殊資料(世界中探しても実践にしかない資料)の電子化、インターネットを利用して全世界への情報発信・公開を目的・目標とした完成品を創りたいと計画しているためです。
 またこの様な作業は多大な費用そして時間が必要となります。同窓会の皆様をはじめお祝いに駆けつけていただきました皆様方には、ご協力とご支援のほどよろしくお願いいたします。

1999年
実践女子大学・同短期大学図書館

「しなやかさ見つめて」女の徳は、寒松の霜雪に堪え、垂柳の暴風に折れぬ力にも譬え、柔らかなる中にも、一節犯し難き所あるべし。総じて内は剛に、外は柔なるぞよき。下田歌子 華族女学校第 一期卒業証書授与式演説(明 治22年)

今から100年前、創立者下田歌子によってしたためられたこの文章こそ、
実践女子学園が育む女性像そのものです。
どんなに時代は過ぎても、どんなに世代が変わっても、
その時代を生きる女性を輝かせる真実が、この一文に刻まれています。
優しさと気高さを、すべての女性へ。
最高のエスプリを求める私たちの挑戦はつづきます。