ジェロントロジー教育の意義と必要性・各教科とジェロントロジー教育<

ジェロントロジーの枠組みとサクセスフル・エイジング

テキサス大学 HRC The Positively Aging® curriculumにて

テキサス大学
HRC The Positively Aging® curriculum にて

 AtchleyとBaruschの提唱する四つの視点をとらえ直し、多様な教科での学習と総合学習や社会教育と関わる成人や高齢者への応用等での想像的統合によるジェロントロジー教育の枠組みを示したのが図1です。(ジェロントロジーに関する教育は、生物学的過程に関する内容と同時に、心理学的過程と社会的過程に関する内容を扱う必要があります。「ジェロントロジーとは」の図2に示してあります。)エイジングについて、AtchleyとBarusch1)は「すべての生物は、誕生から死に至るまでに常にエイジング(加齢)を経験する。エイジングには発展する時期、活躍する時期そして低下する時期がある。これらは全ての生物にとって共通のプロセスである」としています。このように定義付けた上で、より大事なこととして、「人間」としてエイジングをとらえる必要性を挙げ、なぜ身体的機能が低下しどのように衰えていくかということよりも、その変化を受け止めたうえで心理的かつ社会的にどのような態度と言動をとるべきかに着目することが重要であるとしています。細江は、Schmidt2)やAtchleyとBarusch3) 、 Fischer4)、Schmidt他5)、Schonfield & David6)のエイジズム等の研究や、Havighurst7)、柴田8) 9)のサクセスフル・エイジングの研究等を概観し、広義の意味でのジェロントロジーを「人の一生における発達と加齢とを対象とし、その生涯発達におけるサクセスフル・エイジングを目的とした設計科学である」10)と位置づけています。

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