About SD Labo:空間デザイン研究室について

ゼミのテーマ

研究室でのテーマは、大きく言うと「人の行動や心理、生活と住環境との関わり」ということだろうと思います。住環境とは、日常の私たちの生活を取り囲んでいる空間や場所の環境のことで、住宅から地域施設(大学やコンビニも一つの施設ですね)、町や都市にいたるさまざまなレベルが対象となり得ます。建築やインテリアに関わることはもちろん重要なテーマですが、必ずしもそれだけにこだわるわけではなく、公園や町、インターネット空間なども、私たちの生活を取り巻く環境として取り上げる対象となり得るかもしれません。

 それらを対象として何を考えるかということの方が重要ですが、これも大きく言うと「生活の質」ということでしょうか。私たちの生活は、上で述べたようなさまざまな環境の中で、さまざまな場面の中で行われています。私たちの日常の生活はどのような環境の質によって支えられているのでしょうか。そしてどうすれば生活の質を向上させることができるのでしょうか。そもそも、よりよい「生活の質」ってどんなことなのでしょうか。そのためには私たちを取り囲む環境はどうあったらよいのでしょうか。住まいや施設、町や都市は、どうするとよい場所になるのでしょうか。自分にとって、あるいは自分を含むみんなにとって居心地のよい場所や場面ってどんなところでしょうか。こういった諸々の問いに対して、答えを模索していくこと、さらには自分なりに新しい問いを見つけだしていくことが、研究室での主な活動となるでしょう。どこにも決まった「答え」は与えられていません。それは自ら、そして他の人たちとの議論の中から見いだしていくのです。

こんなものを取り上げてみよう

取り上げるテーマは広範で何でもアリ、なわけですが、例としていくつか並べてみましょう。

1.住宅・インテリアに関するもの

・取り上げる環境(例):
 戸建て住宅、集合住宅、学生寮、グループリビング、、  個室、公室(ダイニングやリビングなど)、共用空間(共用の廊下やエントランス、駐車場など)

・取り上げるテーマ(例):
 空間の使い方、子どもや高齢者・障害者にとっての住宅、家族と住宅・インテリア、近隣関係やコミュニティ、時間による住宅・インテリアの変化、素材・デザイン、などなど

2.地域施設に関するもの

・取り上げる環境(例):
 商業施設、公共施設、教育施設、福祉施設、娯楽施設、複合施設、などいろいろありますが、住宅以外に町の中で建築として姿を与えられ利用されているものは、いずれも何らかの機能を持った施設であり、テーマになり得ます

・取り上げるテーマ(例):
 空間の使い方・使い勝手、子どもや高齢者・障害者にとっての施設空間や施設機能、新しい施設のデザインとその評価、新しいタイプの地域施設の発見、などなど

3.まちに関するもの

・取り上げる環境(例):
 お店・商店街、公園・オープンスペース、住宅地・団地、など、まちに存在する空間そのものや、さまざまな場所をもったある程度の広がりを持った地域そのものを対象にすることもできます

・取り上げるテーマ(例):
 日常生活の広がり、散歩、遊び場、子どもや高齢者・障害者にとってのまち環境、町中でのコミュニケーション、生活の場所としての町の価値の発見、などなど


2003-2008, Space Design Laboratory, JISSEN Univ.