源氏物語研究の
学際的・国際的拠点形成

源氏物語を感じる

源氏物語は文学的な知見だけでなく、日本文化にも大きな影響を与えています。
このプロジェクトでは、源氏物語本文に基づいた平安装束を社会風俗・文化の文学的知見に基づき再現していきます。さらに源氏物語の世界を、十二単をはじめとする平安期の装束を見たり、お香のかおりを楽しんだり、源氏物語を「五感で」体験できるような取り組みをそれぞれの専門家の監修の下、推進していきます。

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平安装束の復元源氏物語に登場する女性装束の復元

これまで再現とされてきた装束は平安時代の製法ではありません。というのも、平安時代当時の装束の製法は現代には伝わっておらず、江戸期以降に書かれた文献等から読み解くことでしかできなかったからです。
本事業では、平安期から連なる日本文化及び「源氏物語」に登場する装束の世界を、各分野の専門家の指導・監修の元、源氏物語に登場する「明石の君」装束の復元を行います。

※詳細はページ下方を参照

02

源氏物語に関連した組香源氏香

香道は、香木を焚き、その香りを楽しむ日本の伝統文化の一つです。
日本に香が伝えられたのは奈良時代の仏教伝来の頃で、平安時代にはその芳しい香が尊ばれ、宮中や貴族社会では教養的遊びの為の日用品となり、やがて芸術的なものとなりました。
香道は香りを聞き、鑑賞する聞香(もんこう)と、香りを聞き分ける遊びである組香(くみこう)の二つが主な要素になっています。
源氏物語に関連した組香の一つである「源氏香」は、江戸時代に成立したとされています。5種の香をそれぞれ5包ずつ計25包作り、その中から任意の5包を取り出して焚き、香の異同を聞き分け5本の縦線に横棒を組み合わせた図で示すものです。図は52種あり源氏物語54帖のうち桐壺と夢浮橋を除く各帖の名がつけられています。

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衣紋道

日本の伝統的な装束である「衣冠束帯」、「十二単」等の平安装束を美しく、威儀を整え、着装するのが「衣紋」であり、装束に関する有職故実の集大成が「衣紋道」です。
本事業で装束復元の監修もおこなう衣紋道髙倉家は、山科家とともに現在も皇室の装束を担当しており、2019年の天皇陛下の即位に関連する行事でも深くかかわりました。

「明石の君」の装束の復元

復元にあたっては、源氏物語に登場する姫君の衣装を文献や絵巻物から読み取るだけでなく、鶴岡八幡宮や熱田神宮に納められた御神宝なども参考にしながら、使用する糸の太さや織の文様・大きさまでこだわります。天然の染料を用いて生地を染める草木染の専門家である吉岡更紗氏や衣紋道髙倉流宗家である高倉永佳氏の指導・監修の下、繊維・織物の専門家とも協働し、当時の織り方なども研究していきます。

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