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2013年度卒業式・学位授与式 式辞・祝辞

式 辞

実践女子大学・実践女子短期大学 学長 田島 眞

 卒業生の皆さん、ご卒業・修了おめでとうございます。
 ご臨席のご父母の皆様もこの日を、共にお祝いしたいと思います。

 本日、修了生・卒業生に修了証書、卒業証書をお渡しいたしました。
この修了証書、卒業証書は、皆さんの勉学の証であるとともに、実践女子大学・実践女子短期大学卒業生として、「品格 高雅」「自立 自営」の教育を受けた証でもあります。胸を張って社会に出て活躍することを期待しております。

 さて、最近、私は「バックキャスティング」という言葉を知りました。「バックキャスティング」、これは、最近のビジネス用語で、ご存じの人もいるかも知れません。
 ビジネスで、新しい商品を開発するときに使われる手法の一つです。その典型例が、みなさんお馴染みのアップル社のタブレット端末です。あのタブレットは、数年前に発売されましたが、実は、その発想は30年前に始まっていたとのことです。皆さんが生まれるよりずっと前ですね。アップル社を創業したスティーブ ジョブ氏が、30年前に現在のパソコンの原型のアップルⅡを世に出した時に、将来のパソコンは、こんなものではない、手のひらサイズで、世界中の情報がたちどころに手に入るものになるのだと、夢見たのです。もちろん、インターネットが誕生したのは、最初のパソコン、アップルⅡが誕生してから15年後のことです。
 その何も技術的裏付けが無いままに、ただ、こんなものがあったら良いなと夢を持ち、その夢を実現するには、どういった技術を開発していかなければいけないかと、研究を進めたのです。そして、30年後に夢は実現いたしました。
 最初に夢を持つこと、技術の開発はそれを追いかけること、これが、「バックキャスティング」という手法です。

 卒業生の皆さんもぜひ、この手法を人生に取り入れていただきたいのです。まず、30年後の夢をみてください。その夢を実現するには、今、何をすべきかを考えましょう。日々、努力をすることも必要ですが、まず、30年後の夢を見ることから始めましょう。

 すでに、ご承知のことですが、本年4月より文学部・人間社会学・短期大学は、渋谷キャンパスで授業を開始いたします。キャンパスは変わっても、実践の教育・研究には何ら変わりはありません。いえ、これを契機に一層の発展を遂げると確信しております。卒業後に、実践を再び訪れ、その変革を目にしていただければ幸いです。いつでも皆さんを歓迎いたします。

 改めて、ご卒業おめでとうございます。
 お忙しい中、ご出席をいただきました、多数のご来賓と共に、お慶び申し上げ、式辞といたします。

祝辞

学校法人実践女子学園 理事長 井原 徹

学部卒業生の皆さん、大学院修了生の皆さん、卒業・修了、おめでとうございます。

ご父母の皆様、これまでの長い年月のご苦労に対しまして、心からの敬意と祝意を表します。おそらく、皆様はわが子の卒業にほっとしておられると共に、厳しい社会への船出を目前に、期待と不安を、感じていることと思います。
 しかし、お嬢様は、この大学で身に付けた様々なことを糧として、大きく花開いてくれると、信じていただきたいと思います。

卒業式にあたり、常日頃考えているところを述べて、祝辞とします。テーマは「これからの人生」です。毎年、私は「竹」の話しをします。
それ以外の話しも考えてはみるのですが、やはり自分には、竹の話しが一番合っていると思うからです。

竹は、節を作って成長していきます。節があるからあの細さで天に向かって、真直ぐに伸びて行きます。節があるから、豪雨、暴風、大雪に折れることなく耐えられます。人生に起きる「喜びの時」「悲しみの時」「苦しい時」は、一つひとつの節として、人生の連続の中で重なって行きます。「喜びの時」の節だけで育つ竹は、人生においてはあり得ません。そして、逆に「苦しみや辛さ」の節だけで育つ竹も、人生にはありません。
いろいろな思いの節が多いほど、竹は高く聳え立つことができるのではないでしょうか。悲しみや苦しみの節を取り除いて、人生を縮めてしまうのではなく、悲喜こもごもの節を連続させて行かざるを得ないのが、人生というものだと、私は思っています。
この学園で学んだこと、経験したことの全てを一つひとつの節として重ねた上で、4月からは、しなやかで、しかし打たれ強い竹のような人生を作って行ってください。皆さんには、竹のように、風雨に耐えながら、しぶとく生きてほしいと願っています。

さて、皆さんは、「品格高雅・自立自営」を理念として、115年の伝統を築いてきた大学で学びました。この理念をどの程度理解し、そして、身につけていただけたでしょうか。この理念を強く意識して学生生活を送ってきたか否かに拘わらず、皆さんの心には、知らず知らずに染み入っている筈です。
少なくとも世間はそう思って評価してくれています。そのことを自覚した上で、社会に出てください。
この大学を卒業するということは、そのような大切な価値があったということなのです。

今の社会は、とても不安定な状況にあります。価値観のすさまじい多様化によって、生きることの指針を明確に見出すことが、とても難しくなっています。このような厳しいときに、皆さんは社会人として歩みを進めなければなりません。
そこで、前向きに人生を送るための「心の持ちよう」として、皆さんには、「結果を追うのではなく、感動を追う生き方」を身に付けてほしいと思っています。
とかく誰もが結果にこだわってしまい、そのプロセスにおいては、いろいろな素晴らしい現実・現象を見落としがちです。結果にこだわり過ぎると、プロセスに存在するはずの感動が心に入ってこなくなります。とても、もったいない生き方だと思います。
結果のみを追わず、感動を追う自分を、自分の一部として確立してください。

最後になりましたが、ご父母の皆様には、これまで、後援会活動を中心として、実践女子大学のために、様々なご支援とご協力を賜ってまいりました。この場を借りて、厚く御礼申し上げます。お嬢様のこれからの歩みが、豊かで実りあるものとなるよう、心からお祈り申し上げます。

それではすべての卒業生、修了生の皆さん、自分を信じて、明日に向けての新たな一歩を、大きく踏み出してください。
そして、この大学をいつまでも忘れないでください。何よりも皆さんの卒業・修了を心からお祝いして、祝辞とします。

※2014年3月20日 実践女子大学卒業式祝辞より