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2017年度入学式 式辞・祝辞

式 辞

実践女子大学・実践女子大学短期大学部 学長 城島 栄一郎

 新入生の皆さん、入学おめでとう。この入学のときを待っていたかのように桜の花が咲きはじめたこの春の佳き日に皆さんを迎えられることを、われわれ教職員一同うれしく思い、心から歓迎します。
 ご両親ならびにご親族の皆さま、お嬢様をここまで育てられたことに敬意を表し、本学に託されたことに感謝し、その期待をしっかり受け止めております。

 まず、本学実践女子大学をご紹介します。

 本学は学祖下田歌子が「近代女子教育」の拠点として明治32年(1899年)に実践女学校・女子工芸学校を設立しました。それから1世紀以上経過し平成31年に創立120周年を迎えます。
 明治の当時、日本の女性の社会的な地位は低く、その生活や労働は過酷でした。下田歌子は明治26年(1893年)9月から2年間、ときの明治政府により派遣され、ヨーロッパを中心に欧米8か国を歴訪しました。そこで先進諸国の女子教育をつぶさに視察し、欧米と比較して立ち遅れていた日本の女子教育こそが女性の社会的地位の向上に重要であると確信して本学を設立しました。
 そこには「女性が社会を変える、世界を変える」という強い信念があり、これが本学の「建学の精神」となっています。
 そして育てるべき女性像として「知性と品格を備えた女性」「自立自営し得る女性」を掲げて、教育理念としました。これは机上の理論だけではなく実践的な実学・実業を授け、これを身に付けることによって自立した女性として社会に貢献し活躍できる。そしてそのような人材を世の中に送り出すことを目指したものでした。

 この建学の精神と教育理念は脈々と受け継がれており、本学はこれまで数多くの人材を幅広い分野に送り出しています。少子高齢化が進む現在の日本において、男女が同等に働き、意思決定し、社会に貢献する男女共同参画社会の実現が求められています。このような社会で輝いて生きていくためには、やはり自立自営できる能力をしっかりと身につけることが必要です。そうして、男女共同参画社会の先頭に立つように頑張りましょう。

 創立120周年を迎えるにあたり、本学は「渋谷」と「日野」の2校地での教育展開を開始しました。文学部、人間社会学部、短期大学部が40年ぶりに渋谷の地に戻りました。同時に、教育内容の見直しを行い、学部間(文学部・人間社会学部間)の単位互換制度を導入しています。更に所属する学科で学ぶ主専攻に加えて、別の学問分野を系統的に学ぶことができる副専攻制を導入します。これらによって深い専門性と幅広い教養を同時に身につけることができます。

 人生80年、いや90年、100年という時代になって膨大な時間を持っている皆さんの可能性は無限に多様に広がっています。起業して実業家になることも可能です。学問に励み学者になることも可能です。一つの道の達人になることも可能です。まさに前途は洋々と広がっています。

 永い人生を実りあるものにし、社会に貢献していくためには、将来に対して夢を持つことが重要です。そしてその夢を実現していくためには、志をもって物事にチャレンジしていくことが必要です。
 何にチャレンジするか、いろいろ考えながら試行錯誤をしていくことができるのが学生時代です。この社会人への助走期間にトライしエラーを重ねることが自分自身の貴重な経験となり、成長の糧となります。失敗を恐れてトライしないと経験を積むことができません。

 若い皆さんは1年は長いと思っていても、大学の4年間あるいは2年間(大学院、編入生)は過ぎてみるとあっという間です。有効に時間を使うためには計画的な時間管理が必要です。

 以上も含めて、心がけてほしいことを3つあげます。

 1.夢を持ちチャレンジする。
自分で限界を決めないで、自分の無限の可能性を信じる。
失敗を恐れずtry and errorする。

 2. 健康増進と体力をつける
長い人生、最後にものをいうのは健康と体力です

 3. 計画的な時間管理をする

 本学には様々な専門と能力を持った教職員がいます。すべての教職員は皆さん方の能力を引き出し、伸ばし、皆さんのさらなる成長をサポートします。教職員に積極的にコンタクトしてください。
 多くの新入生は一人で入学してきています。お互いに声をかけてたくさんの友達を作ってください。大学時代の友人は一生の友達になります。

 最後に皆さんの学生生活が、豊かで実りあるものとなるよう期待して、式辞とします。

※2017年4月2日 実践女子大学文学部・文学研究科 入学式式辞より

祝辞

学校法人実践女子学園 理事長 井原 徹

 新入生の皆さん、実践女子大学の文学研究科、文学部への入学、おめでとうございます。学校法人を代表して、心から歓迎します。
 ご父母の皆様、これまでの長い年月のご苦労に対しまして、深甚なる敬意と祝意を表します。そして、なによりもお嬢様の本大学への入学を、心から歓迎いたします。

 さて、実践女子大学の文学部、文学研究科への入学にあたって、私から皆さんへの希望を述べて、祝辞に変えます。

 大学院入学の皆さん、大学院では、研究テーマの選定、先人たちの研究実績の学び、自分自身の思索の形成等を経て、修士論文、博士論文に結晶化させて行くわけですが、その一連の研究生活の中では、おそらく試行錯誤の時が多いかと思います。
 しかし、大学院における研究生活を豊かなものとするために、どうか自分を見失わずに、勇気と自信を持って着実に、研究を進めて行ってください。

 学部学生の皆さん、皆さんは、これまでは「偏差値」というものが支配する世界で、他人(ひと)より高い点数を取ること、他人(ひと)との成績の比較で優位に立つことを中心に考えざるを得なかったと思います。
 これから始まる学生生活は、自分で自分の将来を決定できるようにするためのものです。これまでのような他者比較で優位に立つための学びではなく、自分の将来を築いていくための学びです。これまでの勉強とはおのずと異なるということを、深く自覚してください。

 そしてまた、これからの人生では、「自分らしさ」や「個性」を磨き、「自分とは何者なのか」を確認していくことが大切です。
 「自分らしさ」を確立するということは、「自分にしかないものを身につける」ことであり、「得意とする分野で自信をつける」ということでもあります。
 大学4年間は、学びながら、「自分とは何者なのか」を確立させて、社会から信頼を得ていくことになるということに、強く思いを至らせてください。
 ただし、それは自分勝手の独りよがりのものであってはなりません。本学は、「品格高雅」「自立自営」を理念として118年の伝統を築いてきました。
 本学で学ぶ皆さんの個性は、高雅な品格に裏打ちされたものであることが望まれます。自由を履き違えて、身勝手で、他人に迷惑をかけるような言動は、高雅な品格とは言えません。

 さて、これからの我が国においては、先ほど学長が式辞で述べたように、「男女共同参画」が大きなテーマとなって、社会が変革していきます。
このときにあたり、女子大である実践女子大学の果たす役割は大きなものがあります。
 残念ながら、我が国は、まだまだ男女共同参画社会になっているとは言い難い面が多くあります。大学全体で男女共同参画の推進を目指すこととしていますが、入学した皆さんの意識の持ち方や行動・思考に負うところも大であります。
 皆さんは、個人として「品格高雅」を身に着けながら、全体としては男女共同参画を推進するという意識を持ってくれることを期待しています。

 最後に皆さんに、実に具体的なことを要望します。
 今日の大学入学式という、大きな節目にあたって、ぜひとも、「学びの予定表」を立ててください。
 限られた学生生活全ての期間の1年ごとのやりたいこと、身に着けたいことを、大筋で良いから、設計してください。
 つまり、修了・卒業するまでに、何年生の時はどう過ごすか、4年生まで自分としては何をどれくらい身に着けたいかを想定し、大筋の目標を設定してください。今日の続きで漫然と明日を迎える、という無自覚な生き方では、時を無駄にしてしまいます。あっと言う間に卒業式、修了式を迎えてしまいます。
 社会人になって分かることですが、仕事や人生がうまく進むかどうかは、「計画性」や「段取り」によるところが大きいものです。今日を節目として、ぜひとも将来への生活設計を立ててください。

 そして、品格高雅にして、自立自営する女性となるため、日々精進してください。新入生の皆さんの、本学での学生生活が実りあるものとなるよう期待しています。
そして何よりも、この大学で立派に成長してくれることを心から祈り、祝辞とします。

※2017年4月2日 実践女子大学文学部・文学研究科 入学式祝辞より