槙 究 色彩研究紹介

 

色の記憶は、記憶時に変化する

記憶している色は鮮やかである

07c-memory-obj.JPG07color-selection.JPG

左の品物を一つずつブースの中に入れて観察してもらった後、振り返って、テーブルの上に並べられた色票からもっとも記憶と類似した色を選んでもらう。

 「記憶色」と「色記憶」。似たような言葉だが、ちょっと意味が違う。ここで扱うのは記憶色だ。記憶した色は、見せた物体の色そのものなのだろうか。振り返ってすぐ、30分後、1週間後の3回、記憶した物品の色にもっとも類似していると感じた色を多数の色票から選んでもらった。

07color-memory-result.pdf

クリックすると拡大します

 実験結果はと言うと、
(1)記憶色は、記憶直後から鮮やかになる。
(2)30分後も、1週間後も同じように鮮やかな色が再生される。
(3)物によっては、典型的な色の方に動いて記憶されることもある。
記憶した時にすでに色が変わって見え、それが1週間後まで変化しないというのは驚きであった。

※紹介した研究の詳細は....槙 究、増田倫子:色記憶の時間的変化、日本色彩学会誌、Vol.24、No.4、pp.232-243、2000 参照LinkIconPDF