実践『ペルソナ』通信(No.042 および No.B-042)
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実践「ペルソナ」通信(No.42)
「実践女子大生における腕時計の実態」に関する調査結果
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実践女子大学人間社会学部 実践「ペルソナ」研究会では、「腕時計」ついて「ベルト」や「種類」に着目し、写真観察法により、実践女子大生が使用する腕時計について、調査しました。また 18 歳以上の学生を対象に、「腕時計の実態」についてアンケート調査を実施しました。有効回答者数は 111 サンプルでした。
※実践「ペルソナ」研究会は、実践女子大学人間社会学部における「統計科学(担当:竹内光悦)」、「経営学(担当:篠崎香織)」、「マーケティング(担当:斎藤明)」の3つの分野のゼミ生を中心に組織され、実践女子大生が「自分たち自身」の消費活動、ライフスタイル等を科学する研究会です。
【総括】
今回の観察調査結果、革ベルトの腕時計が 4 割、茶系が人気、類似のデザインが多数、金属ベルトの腕時計が 3 割、銀色が 7 割、機能性重視の傾向があった。またスポーツウォッチは 1 割、色は白色が人気だった。
アンケート調査では、腕時計を複数所持している学生は半数以上であり、複数所持している学生全員が日常的に腕時計を使用しているということが分かった。そして腕時計を複数所持していると回答した人の過半数が 2 本所持しており、平均所持数は 2.7 本である。
また、腕時計を購入する際の予算は 10,000 円以下が最も多く 34 人、続いて 10,001 円から 20,000 円と答えた人が 28 人、20,001 円から 30,000 円と答えた人が 27 人となり、30,000 円以下と答えた人が半数以上を占めたことから、学生は腕時計に多額の予算を立てないことが分かった。
そして、「使用頻度の高い腕時計の基準は機能性である」という仮説を立て、回答者全体、女性、男性、実践女子大学の学生、実践女子大学以外の大学生、それ以外の学生(専門学校生など)に分けて重回帰分析を行ったところ、どの項目も共通して「思い入れ」と「ブランド」を重視していることがわかり、仮説は成り立たないことがわかった。しかし、P値が 0.05 を超えてしまっているため、統計的な有意性が証明することができなかった。
私たちは、統計的な有意性が証明できなかった理由のひとつとして、腕時計が頂きものだった場合のことを配慮せず、質問票に「安価」、「高価」といった項目を設けてしまったことが挙げられると考えた。なぜなら、腕時計を手にするときは、必ずしも自分で購入するとは限らないからである。そのため、自分で購入しなかった場合は価格で選ぶことはできないことから、正確な回答を得られなかったのではないかと考えられるからである。また、他の理由として「よく使う時計」の定義が曖昧であったことが挙げられると考える。なぜなら、1週間の使用頻度についての回答で、6 日以上と答えた人が47%、5日と答えた人が 19% と続いて、2 日以上と答えた人が 16% という結果になったことから「よく使う時計」の定義が人によって様々だったということがわかったからである。
最後に、日常的によく使う時計は、思い入れとブランドで選ぶと答えた人が多かったため、どのような思い入れがあるのかといった質問や、ブランドにこだわる理由などの質問があれば、よく使う時計の「自分たち自身」の消費活動、ライフスタイルに対してさらに理解が深められたのではないかと考えた。
調査の詳細については調査報告書をご参照ください。
■■■ 実践女子大学人間社会学部「じんしゃ」■■■