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生活環境を知るための文献

私が薦める一冊の本

松山巌
建築はほほえむ 〜目地 継ぎ目 小さき場〜
西田書店、2004

 建築とはなんだろう?
 街とはなんだろう?
 ヒトが住むところとは?

 東京芸術大学美術学部建築学科を卒業した小説家・評論家である著者が、建築を考えるきっかけを散文詩のように書きつづったものです。

 「・・・この本は高校生たちに、大学ではじめて建築を学ぶ人たちに向けて書いたつもりである。建築とはなにか、建築家とはどんな仕事をするのか。そんなことを考えるためにいくつかの短い言葉を綴り、小さな絵をいくつか画いた。絵を画くとまた言葉をいくつか加え、それからまた絵を画き、さらに写真を添えて、ふたたび言葉を書いて・・・・・・、という風にして一冊の本が生まれた。この本をヒントに建築や都市への新たな問いや発想がうまれたなら、この本は人と人を結ぶ小さな場にも継ぎ目ともなるだろう。・・・」と著者があとがきとして記しているように、少しずつ話しを聞くように建築について語ってくれている本です。

 たぶん、サラッと読むことが出来てしまう本かもしれませんが、少し建築を勉強したところであらためて読むとまた違ったことに気づくのではないかと思います。そういう「軽くて重い」本です。
 書かれている内容だけでなく、本のデザインとしても一見の価値があります。 (N.T.)