実践女子大学 生活環境学科 環境デザイン研究室 卒業研究

2000年度卒業論文一覧

1)実例調査に基づいた色彩設計のあり方

最近、都市の中にも色彩設計が取り入れられつつあるが、イメージ先行の色合いのものが多くあり、周囲の景観との融和性に欠けていると感じることがある。
 そこで、様々な対象物を撮影し、収集や分析を通じて、「色」のあり方を見直し、今後の色彩設計をする上での資料づくりを目指す。
  

2)配色の印象評価構造

4つのシーンのカラーシミュレーション画像の印象評価を行い、配色の印象評価に関わる色彩の属性を明らかにする。また、同画像を抽象化したものの印象評価実験を行い、抽象的な配色についての印象評価データが実際に使用できるかどうかを確認する。

3)布地とカーテンの印象評価-微妙な色合いとテクスチュアの効果-

印象の差は色自体が生むのか布地のテクスチュアが関連しているのかを確認するために2種類の評価実験を行った。その結果をもとに、色とテクスチュアの効果について調べた。さらに、布地の時と実際にカーテンにした時との印象の違いを比較した。

4)家具の配置に関する研究 その4-家具が配された部屋の評価構造-

これまでの研究室で行われてきた一連の家具配置実験では、配置場所に個人差が見られるという結果が得られている。今回は家具を配置する上で、人々に共有されている考慮事項と個人差に関わる考慮事項をそれぞれ明らかにするために、家具が配置された部屋模型の評価実験を行った。さらに、昨年度の実験では明確にできなかった性格と家具配置の関連性を再度確認すると共に、ライフスタイルに関する質問項目を加え、それらと部屋の好みの関連性も探っている。

5)喫茶店の座席選択に関する研究

レストランでアルバイトをしている私達は、座席には好ましい席と、好ましくない席が存在することを感じていた。しかし、それがどのような理由から生じるのか疑問を抱いていた。
 そこで私達は、本当に好まれる席と好まれない席があるならば、どのような要因が関わるのかを明らかにしたいと考えた。そして、その結果をもとに、好まれる席の多い喫茶店(つまり居心地の良い喫茶店)が増えるような提案をしたい。

6)住宅の不満調査

「家」は一生で一番大きな買い物と言われており、誰もが満足のいくものをつくりたいと願って購入しているはずである。しかし、住んでいると様々な不満点が出てきてしまう。そこで、どういったことを不満に思うのかをあらかじめ調査し、それらのデータをもとにチェックリストをつくり、それを利用して購入すれば建てた後の不満も減らせるのではないかと考えた。

7)実践女子大学生のコミュニケーション調査-話しやすい環境と新しい交流の場を目指して-

近年、インターネットや携帯等様々な手段で、直接人と会わずにコミュニケーションを図る事ができる。そのような社会の中、直接人と会って話すことはどの程度あり、どんな場所で行われているのか疑問に思った。
 そこで、今回、学生同士のコミュニケーションの実態をアンケート調査によって把握することにした。その調査をもとに実践女子大学内において、学生同士のコミュニケーションを活発化させる方策を考えたい。

8)街路景観評価に及ぼす疲労の影響-VDT作業後の評価比較-

私たちが街並みを歩くとき、必ずしも同じ気分や身体症状ではない。これから目的地に向かおうと元気な時もあれば、学校や仕事を終えぐったりしている時もある。そのような生理的変化が、街並みの印象評価に影響を及ぼすのかを見たい。
 本実験ではVDT作業による疲労に着目し、作業前の無疲労に近い時、作業後の疲労時において、同じ街路景観の好ましさの評価は変化するのか、また、評定を行うときに考慮する事柄にどのような違いが現れるかを探ることにする。

9)色彩調和論の変遷

多くの学者が様々な観点から発表した色彩調和論は、矛盾する記述もあり、どれが実際に活用できるものかの判断はまだ明確に話されていない。
 そこで、歴史的に著名な色彩調和論を取り上げて比較し、共通点・相違点を見出すことにした。さらに、色彩調和の研究結果や、色彩調和論に基づいて作成した配色によって色彩調和論を検証し、それぞれの調和論が有効な場面を明らかにしたい。また、それらに基づき、新しい調和論の提案を試みたい。