2015年10月
実践英文学会シンポジウム「夢をかなえるには」
10月18日(日)、英文学科では、「夢をかなえるには」というテーマでシンポジウムを開催し、茂市久美子さん、永田典子さん、深山花梨さんという、英文学科の卒業生3名の方々にご講演いただきました。当日は、英文学科を卒業された多くの方にご参加いただき、同窓生との再会も楽しむ、和やかな会となりました。
3名の講師は、それぞれの場で活躍なさっている方々で、シンポジウムのタイトルの通り、子供の頃や学生時代にどのような夢を描き、それをどのように実現させてきたか、という視点からお話をいただきました。まず、1人目の登壇者である茂市久美子さんは、児童文学作家として活躍なさっており、教科書に掲載されている作品もお持ちの方です。茂市さんは、子供時代から、学生時代、また、お勤めされていた時代を経て、児童文学作家になるに至ったあゆみを振り返ってお話くださいました。なかでも、ヒマラヤで資料収集をなさったご経験や、出版社や作家のウラ話(!)などは、普段なかなか聞くことのできないお話でした。
次に、2人目の登壇者の永田典子さんは、学生時代の豊富な経験についてお話くださいました。例えば、3週間イギリスでホームステイをした経験が自分の欠点を見つめなおすきっかけとなり、自立したいという思いが強くなったこと、その後、バンクーバーでインターンシップを経験し、働く喜びを知ったほか、自分の決断に責任をとる、という姿勢を学んだことなど、「自立」という目標で過ごした学生時代のお話を伺いました。
最後に、3人目の深山花梨さんは、今年卒業したばかりの社会人1年生で、まだ記憶の新しい学生時代のお話を聞くことができました。就職活動中、自分の進路について悩みながらも、苦労した末に希望の会社に就職できたこと、また、それだけに日々の仕事が楽しく、信頼できる先輩に囲まれて充実していることなど、いろいろなお話をしていただきました。
このように、今回のシンポジウムでは3名それぞれのご経験から貴重なお話を伺うことができました。参加された学生や卒業生、また一般の方々にも、ご自身の「これから」を見つめなおす機会となっていれば幸いです。
【学生たちへのメッセージ】
3名の講師の方々から、未来ある学生たちに向けて、貴重なメッセージをいただきました。
茂市さんからは、「夢をかなえるためには、才能、努力、運が必要」だということ。「才能」というのは、自分の好きなこと、やりたいことを見つける才能。そして、「努力」というのは、運やチャンスがめぐってきたときに、しっかりそれをつかむことができるように、日々の努力を積み重ねること。また、自分が本当に好きなことは、いくつになってからでも始めることができるし、続けることができる、というように、茂市さんに近い年代の方々にもメッセージが向けられました。
また、永田さんからは、学生時代には興味のあることは何でも、できるだけたくさんの経験を積むべきだ、というメッセージでした。永田さんは10年ほど会社員として働いてこられて、「会社では毎日、想定していなかったことが起こるため、柔軟性が必要だ」とおっしゃいます。「柔軟性」は、学生時代にもいろいろな経験を通して育むことができます。こういったことは、海外でのホームステイや職場体験の際に、トラブルに遭遇しながらも自分の力で乗り越えてきた経験をお持ちの永田さんだからこそ、社会に出てからとても実感されるのでしょう。
最後に深山さんからは、現在就職活動中の、あるいはこれから就職活動を始める学生に向けて、「この会社に入りたい、自分はこの会社にきっと合っていると直感で感じたら、気持ちを強く頑張ってほしい」というメッセージが送られました。就職活動を早く終えたい、という気持ちで、納得ができないまま就職先を決めてしまうと、結局は入社後に迷惑をかけたり、苦労したりしてしまうことにもなりかねません。粘り強く就職活動を続けた結果、充実した社会人生活を送っている深山さんの、「時間がかかってもめげずに、就職活動を続けてほしい」という言葉が、就職活動中の学生の励みになればと思います。
記・吉本真由美