卒業生へメッセージ
理事長より卒業生へメッセージ
人生に節をつくろう
皆さんには、これまで小学校・中学校・高等学校・大学という、「学びの節」が与えられてきた。しかし卒業した後は、うっかりすると死ぬまでの一つの節になってしまうかもしれない。6・3・3・4/2年と刻んできた節が、いきなり60年以上の長い節になってしまう。
充実した人生を送るためには、夢や目標をもって生きることが肝心である。遠い将来の自分に夢を持ったら、その夢を実現させるために、3年・5年の「達成目標の節」を刻むべきである。夢を達成するための中間の達成目標を立てて、思惑どおり進んでいるかどうかを自己点検し、必要なら軌道修正をすることも考えなければならない。
軌道修正をするかどうかを判断する際に、次の二つの視点のどちらを選択するか、じっくり判断してほしい。
吉田松陰は言う。「能あたはざるに非あらざるなり」(できないのではない、やらないのである)と。吉田松陰の言葉によって進めれば、次のことが言える。すなわち、人生というものが、死ぬまでの時間消化であるならば、ただ漫然と時間をつぶす人生よりも、仮に達成が困難であると分かった夢であっても、夢を追い続ける人生のほうが、よほど面白いし清々しい、と。
ラインホールド・ニーバーは言う。「神よ、私に変えるべきものを変える勇気と、変えられぬものを受け入れる寛容さと、変えられるものか変えられぬものかを見分ける知恵を与えたまえ。」と。ニーバーに従えば、次のようになる。すなわち、今の夢はどうも実現が困難なので、思い切って変えることを選択する。あるいは、その夢は絶対に変えたくないと思うのであれば、挫折を承知で勇気をもって踏みとどまることを選ぶ。さらにまた、変えるべきか変えてはならないかを的確に判断できるようになるために、一層深く学び自分に知恵をつけることに努力する。
卒業生の皆さんの前途に幸多からんことを、そして、しぶとく生きて行ってくれることを、心から祈っている。
学長より卒業生へメッセージ
チャレンジ!
卒業・修了おめでとうございます。
生まれてから、小学校、中学校、高校、大学生活まで、皆さんは生徒・学生として家族と社会に支えられ、ここまで成長してきました。今日はこれまでの人生で最も大きい節目の日となります。この後は、否応なく今度は皆さんが家族と社会を支えていく立場にかわります。その覚悟をもって社会人としての一歩を踏み出してください。
学祖下田歌子が「近代女子教育」の拠点として明治32 年(1899 年)に実践女学校・女子工芸学校を設立しました。それから1 世紀以上経過し、本学は今年5 月に創立120 周年を迎えます。
本学は「女性が社会を変える、世界を変える」という下田歌子の「建学の精神」のもとで、「品格高雅にして自立自営し得る女性の育成」を教育理念としてきました。これは机上の理論だけではなく実践的な実学・実業を身に付け、自立した女性として社会に貢献し活躍できる人材の育成を目指したものです。皆さんは、まさにこの教育を受けて、これから社会に出ていくことになります。実践の卒業証書を胸に、自信をもって社会へ船出してください。
社会の一員としての責任を果たし、未来を切り開いて輝いて生きていくためには、本学で学び身につけた能力をしっかりと生かし、さらに自分自身を磨き続けることが必要です。
心がけてほしいことを3つあげます。
1. 夢を持ち、目標を設定し、失敗を恐れずチャレンジする。
2. グローバル化、ボーダレス化が進む社会を幅広い視点から見る。
3. 健康増進を心掛けて体力をつける。(最後にものをいうのは体力です)
これからは本学が皆さんの母校となります。今年5 月11、12 日には渋谷キャンパスで創立120周年を記念して、同窓会をはじめ様々なイベント
(J-FES)が企画されています。ぜひ参加してください。そして、折々に先生方と連絡を取って、母校を訪ねてください。私たち教職員は皆さんとの再会を楽しみにしています。また、大学時代の多くの友人とも連絡を取り合って、さらに深い友情をはぐくんでください。
終わりに、皆さんの今後の社会人としての活躍と、実りある人生をおくられることを心からお祈りして