2020年度卒業式　式辞・祝辞

式辞

実践女子大学・実践女子大学短期大学部　学長　城島　栄一郎

　修了生・卒業生の皆さん、卒業おめでとう。所定の学業を修め立派に成長した皆さんを送り出すことを、われわれ教職員一同うれしく思い、心からお祝いいたします。
　この1年余りは新型コロナウイルス感染症のため、異例の年となりました。経験のないオンライン授業、さらに酷暑、豪雨・台風・地震など多難な社会となっています。
　このような中で社会へ巣立つことになりますが、ピンチはチャンスとよく言われます。ピンチの時はこれまでの常識や仕組みを見直すきっかけ・動機となるからです。社会を変革するチャンスです。

　本学は学祖下田歌子先生が明治32年（1899年）に、「女性が社会を変える、世界を変える」という「強い信念」のもと、「品格高雅にして、自立自営し得る女性の育成」を目指して実践女学校・女子工芸学校を設立しました。
　これは机上の理論だけではなく実践力を身に付け、自立した女性として社会に貢献し活躍できる人材を育成することを目指したものです。皆さんは、まさにこの教育を受けてこれから社会に出ていくことになります。
　コロナ禍で分かるように世界はグローバル・ボーダレスです。日本では少子高齢化など、困難でも解決していかなければならない課題が山積しています。

　本学のモットー“社会を変革し未来を切り開いていく実践女子”に求められる力は、決められたことをこなす、協調性があるというようなことではなく、自分で社会の問題点を見つけ出す、目標を設定する、創造する、コミュニケーション力などの人間力です。
　そのためには、広範な教養及び数理的思考力を土台とした論理的思考力が重要です。そして、主体的に行動し課題を発見し自らの考えを発信していく実践力を養うことが必要です。
　本学で学び身につけた能力をしっかりと生かしてください。学びに終わりはありません。さらに自分自身を磨き続けてください。

　人生100年という時代になって、膨大な時間を持っている皆さんの可能性は無限です。
　永い人生を充実したものにし、社会に貢献し、輝いて生きてください。
　将来に対して夢を持ち、目標に向かって失敗を恐れず挑戦し、挑戦し続けてください。

　心がけてほしいことを３つあげます。
　１つ．自分を信じて、夢を持ち、目標を設定してチャレンジする。

　２つ. グローバル化を見据えて幅広い視点から社会を見る。

　３つ. 健康増進と体力をつける。

　本学が皆さんの母校です。卒業後もすべての教職員は皆さんの成長をサポートします。今後社会に出ると、いろいろと悩むこと困ったことが出てくるでしょう。そういう時は遠慮なく母校を訪れ恩師の部屋のドアをたたいてください。
　また、大学時代の多くの友人とも連絡を取り合って、さらに深い友情をはぐくんでください。

　最後に皆さんの今後の社会人としての活躍と、一人一人の人生が豊かで実りあるものとなることを祈念して、式辞とします。