香雪記念資料館 朝倉摂の素描—1950年代を中心に
当館では朝倉摂(1922-2014)の没後に作品をご寄贈いただいたことを機に、2017年に「朝倉摂〈リアルの自覚〉」展を開催し、1940年代から60年代までの絵画、素描、舞台美術のための下絵、絵本原画によって初めて朝倉の画業を総合的に示しました。
今回は、その後寄贈された多数のスケッチブックなどの素描を展示します。朝倉摂の父は著名な彫刻家朝倉文夫、妹の響子も彫刻家として活躍しました。恵まれた環境のなかで早くから絵を学び、17歳で伊東深水に入門しますが、戦後は日本画、洋画にこだわらず常に新たな表現に取り組みました。朝倉にとって1950年代は飛躍の時代でした。50年に北荘画廊で初個展を開き、創造美術で奨励賞を受賞。50年代中頃には佐藤忠良、森芳雄、中谷泰など男性画家、彫刻家と6人で炭鉱、漁村、農村をまわる写生旅行を繰り返し、人々が生きる現実を表現しようと切磋琢磨しました。代々木に家を建て、自活のために工場などで働く人々に取材する仕事をしたり、雑紙の表紙やイラストを描いたりしましたが、これらでは印刷を意識して簡略な線で対象を掴み取る工夫をしています。朝倉は変貌していく都会にも眼を向け、戦後の社会の歪みを告発する大作を発表します。朝倉は自作を残すという意志をあまり持っていなかったようで、失われた作品も多いのですが、今回展示する素描は、朝倉が当時制作にこめていた熱き想いを生き生きと伝えてくれるでしょう。
【会 期】2026年9月26日(土)~11月23日(月・祝)
【開館時間】10:30~17:00
【休 館 日】日曜日、11月6日(金)~11月9日(月)※9月27日(日)は開館
【観 覧 料】 無料
【会 場】実践女子大学香雪記念資料館 企画展示室1・2
【主 催】実践女子大学香雪記念資料館








