国文学科の福嶋教授の著書『中世末期日本語のテンス・アスペクト・モダリティ体系—古代から現代までの変遷を見通す—』が、国立国語研究所の宮地裕日本語研究基金学術賞を受賞しました。
文学部国文学科の福嶋健伸教授が、昨年三省堂から出版した『中世末期日本語のテンス・アスペクト・モダリティ体系—古代から現代までの変遷を見通す—』にて、優れた日本語の研究活動を顕彰する国立国語研究所の第3回「宮地裕日本語研究基金 学術賞」に選ばれました。受賞式は8月19日、東京都立川市の同研究所で行われます。
長年の研究成果。国立国語研究所が高く評価。
本書は、福嶋教授が長年取り組んできた中世末期日本語の文法研究の集大成と位置付けられるものです。本書の成果により、中世末期日本語のテンス・アスペクト・モダリティ体系が明らかになり、古代語から現代語までの1000年以上にわたる変遷が明快に見通せるようになりました。画期的な研究内容であり、国立国語研究所は、受賞理由について「本書は、中世末期日本語のテンス・アスペクト・モダリティ体系を古代語と現代語の中間にある体系と位置づけて、その論拠を示したものであり、時代ごとの体系に関する妥当な仮説を示し得ている」とし、この新しい学説を高く評価しています。
福嶋教授のコメント
この度、国立国語研究所の「宮地裕日本語研究基金 学術賞」を受賞できましたこと、大変嬉しく存じます。日本語は、資料にも恵まれ、1000年以上の歴史を検証できる言語です。しかし、残念なことに、時間表現(正確には、テンス・アスペクト・モダリティ体系)に関しては、どのような変遷を経て現在のような体系になったのか、これまで、あまり分かっていませんでした。古代語と現代語の中間地点である、中世末期日本語の体系が不明であったため、日本語の変遷を見通すことが難しかったのです。そこで、私は、中世末期に着目して研究を進めました。20年以上にわたる研究のすえ、中世末期の体系を明らかにでき、同時に、1000年以上にわたる日本語の変遷を見通すことが可能になりました。今回の受賞は、その点が評価されたものと考えています。受賞の対象となった本では、この成果が、分かりやすくまとめられています。また、今回の成果が、実は、古典文法教育の根本的な問題に直結することも示されています(古典文法が嫌いだった方は、その理由がはっきり分かると思います)。どうかこの機会に、本書をお手にとって頂ければと思います。







