EAACI Congress 2026の演題から管理栄養士の役割を考える
2026年6月に、イスタンブールでEAACI Congress 2026が開催されました。EAACIは、European Association of Allergy & Immunologyという国際学会で、食物アレルギーを含むアレルギー疾患や免疫学に関する研究者・医療者が世界中から参加しています。なお、写真の青色と黄色の子は、EAACIのマスコットのハチです。
食物アレルギーのある患者や家族が安心して生活するために
食物アレルギーは、主に、鶏卵、牛乳、小麦、木の実類などの身近な食物が原因になります。このため、医療機関だけでなく、保育所、学校などの様々な場面で正しい理解と対応が求められます。食物アレルギーは、管理栄養士のさらなる活躍が期待されている領域の一つです。
今回の学会では、これまでに積み重ねられてきた研究成果を基にして、食物アレルギーの予防、診断、治療に関する研究結果が報告されていました。また、患者や家族が日常生活の中で感じる不安や、生活の質(Quality of Life, QOL)、学校などでの安全な対応についても議論されていました。これらは以前から指摘されている重要な課題ですが、食物アレルギーのある患者や家族が安心して生活するために、継続して考えていく必要があるテーマです。私も今回、食物アレルギー児の学校などでの生活に対する母親の負担感に関連する因子は何であるか、という研究結果を報告しました。食物アレルギーへの対応では、症状誘発の予防や栄養管理といった側面に加えて、患児や家族の不安、学校や家庭での生活のしやすさにも目を向けることが大切です。
食物アレルギー分野における管理栄養士
管理栄養士は、食科学の知識をもとに、人々の健康を支える専門職です。食物アレルギーの分野でも、献立作成、食品表示に関する指導、栄養相談、給食管理など、多くの場面で専門性が求められます。高校生の皆さんは、管理栄養士になるための学びや管理栄養士の仕事について、料理や栄養価計算を思い浮かべるかもしれません。しかし実際には、科学的な研究結果を読み解く力、患者さんや市民の悩み・思いをくみ取り生活を支える力、そして多職種と連携する力も大切です。これらの実践力は、さまざまな疾患や健康課題に向き合ううえで欠かせない力ですが、教科書を読むだけで身につくものではありません。
管理栄養学科では、実務経験に基づいた指導を通して、人々の健康を支える実践力を育てています。食を通して人を支える仕事に関心のある方は、ぜひ管理栄養学科の学びにふれてみてください。学科のウェブページやオープンキャンパスでは、授業や実習、管理栄養士を目指すための学びを紹介しています。
(公衆衛生学研究室 佐々木渓円)







