大学院生の声
文学研究科 国文学専攻 1年 大森 彩香
※記事の内容・情報は取材時のものです(2025年12月)
大学院に進学した理由
進路に悩む中で、学びを深めることが自分らしい選択
私が大学院に進学した理由は大きく二つあります。一つ目は、学部での学びを通して文学研究の奥深さに気づき、より専門的に探究したいと感じたからです。卒業論文の執筆では、自身の着想を論理的に組み立て、言葉として形にしていく過程に大きなやりがいを感じました。とくに学部2年次に履修した上代文学の授業でのレポート作成は、研究の面白さを強く実感する原体験となっています。二つ目は将来を見据え、自身の強みを高めたいと考えたからです。進路に悩む中で、学びを深めることが自分らしい選択だと感じ、大学院進学を決意しました。
私の論文テーマ(タイトル・内容・面白さなど)
『古事記』黄泉国神話に描かれる〈黄泉戸喫〉に着目
研究は、『古事記』黄泉国神話に描かれる〈黄泉戸喫〉に着目し、「なぜ黄泉国の竈で煮炊きした食物を食べると、この世に戻れなくなるのか」という疑問を出発点としました。本文では理由が明示されていない点に注目し、上代における竈への信仰や価値観が背景にあるのではないかと考えました。『延喜式』などの儀式資料を用い、竈が果たしていた宗教的・社会的役割を検討することで、神話表現の意味を多角的に考察。限られた描写の背後にある意図や思想を読み解き、「当たり前」とされてきた事柄を問い直す点に、この研究の面白さがあると思います。
今後の展望(将来の夢や進路など)
日本神話を未来へつなぐ表現に挑戦していくことが私の夢
大学院修了後は、書籍を中心としたエンタメ作品に関わる仕事に就き、日本神話や『古事記』をモチーフにした作品づくりを実現したいと考えています。日本最古の史書である『古事記』は、文学・歴史・民俗学の面でも価値が高く、次世代に受け継ぐべき文化です。グローバル化が進む中で、日本の古典が忘れられていくことは大きな損失であり、サブカルチャーの力を通じて、より多くの人に親しまれる形で広めていきたいと考えています。大学院で培った、計画を立て物事を突き詰める力や専門的に思考し続ける姿勢を生かし、日本神話を未来へつなぐ表現に挑戦していくことが私の夢です。
大学院進学を検討されているみなさんへ
大学院での学びは、想像以上に充実していて、本当に楽しい時間
大学院進学は、多くの学生にとって身近な選択肢ではなく、不安や迷いを伴う決断だと思います。学費や周囲との比較に悩むこともあるでしょう。しかし、明確な関心や目標があるなら、大学院で過ごす時間は決して遠回りではなく、確かな力として自分に返ってきます。文学を深く学びたい、研究を通して視野や専門性を広げたいと考える方にとって、大学院は最適な環境です。進路は人それぞれですが、進学を選んだ立場として言えるのは、この選択に後悔はないということ。大学院での学びは、想像以上に充実していて、めっちゃ楽しいです。







