ゲームを通して「お金と豊かさ」を考える。髙橋桂子教授らが金融経済教育学習サイト「EduTownフトコロジー」を監修
生活科学部生活文化学科の髙橋桂子教授らが監修した、東京書籍の金融経済教育学習サイト「EduTownフトコロジー」が2026年4月に同社のWEBで公開されました。りそな銀行の協力のもと制作され、金融リテラシーを楽しく学ぶことができる新しいゲーム形式の教材です。単に「お金を増やす」ことを目的とするのではなく、「ウェルビーイング(より良く生きること)」という視点を取り入れているのが特徴で、髙橋教授は「『EduTownフトコロジー』を通して、金融知識に加えて、豊かさとは何かを学んでほしい」と話しています。
金融の知識を学ぶことができるフトコロジー
「こっさん」を育てながら学ぶ 2つのモードを用意
ごみ拾いをするこっさん
「EduTownフトコロジー」のメインコンテンツは、「チキュウで暮らす」というシミュレーションゲームです。地球外生命体のオリジナルキャラクター「こっさん」を育てながら、楽しくお金の使い方や貯め方、増やし方を学ぶことができ、日々の選択を通して「社会の中でお金をどう使うか」を身に付けることができる内容となっています。
サイトには、「あそぶ」と「まなぶ」の2種類のモードが用意されています。
「あそぶ」モードは、家庭での利用を想定。「こっさん」のお世話をしながら継続的にプレイできる仕組みとなっており、日々のお金のやりくりを通じて、子どもたちが自然に金融知識や金銭感覚に触れられる点が特徴です。
一方、「まなぶ」モードは、主に中学校・高校の授業での活用を想定しています。「使う」「借りる」「貯める・ふやす」「備える」「稼ぐ」という5つのテーマを軸に、10〜15分程度で取り組めるミニゲームやテキスト解説、職業人インタビューなどを掲載しています。授業時間の中でも扱いやすいよう設計されており、指導案やワークシートも順次公開予定です。
実際の株価と連動 社会とのつながりを意識
市場に連動したカブ価
ゲーム内では、「カブ」を売買することができます。カブ価は架空のものではなく、日本の株式市場に上場する企業の株価データをもとに変動。例えば「ジドウシャ」カブは、自動車関連企業10社の平均株価をゲーム内に反映しています。ニュースで見聞きする株価や経済の動きを、自分の生活と結びつけながら学べる仕組みです。
また、「なぜ株価が下がったのか」「どんなニュースが影響したのか」を考えることで、金融だけではなく、社会全体の動きに目を向けるきっかけにもなります。
VUCA時代に求められる金融リテラシー教育
サイト制作の背景には、金融経済教育を取り巻く環境の変化があります。
近年は、将来の予測が難しい「VUCA時代」と呼ばれる社会環境の中で、自分で情報を集め、判断する力の重要性が高まっています。また、2022年度から高校家庭科の教科書に「資産形成」の内容が追加され、金融経済教育の必要性も大きく高まっています。
一方で、教育現場では「金融をどう教えればよいのか分からない」「生徒が興味を持ちにくい」といった課題も指摘されていました。そこで東京書籍は、ゲームを入口にしながら金融リテラシーを学べる教材として、「EduTownフトコロジー」を開発しました。
ウェルビーイングを取り入れた新しい金融教育
アメリカの貯金箱
髙橋教授は、今回のサイトについて「これまでの投資ゲームとは違い、単にお金を増やすことだけを目的にしていない」と強調。既存の金融教育ゲームには、株式を売買して利益を競うものもあります。しかし、「EduTownフトコロジー」では、投資だけでなく、寄付やボランティア活動、日々の消費の選択もゲームに組み込まれ、ウェルビーイングのレベルを数値で見ることができるように工夫されています。髙橋教授は「ゴミ拾いをして街がきれいになって満足したり、寄付をすることで豊かな気持ちになったりする人もいる。ウェルビーイングの要素を取り入れたことでゲームがより面白くなった」と指摘。「自分ならお金を何に使うのか、何を大切にしたいのかを考えることが、金融教育ではとても重要です」と話しています。
髙橋桂子教授コメント
髙橋教授
「日本では、お金を“貯める”ことは大切にされてきました。一方で、貯めたお金をどう使い、自分や家族、社会のためにどう役立てるかを考える機会は、まだ十分ではありません。アメリカの貯金箱には『貯める』『使う』『増やす』『譲る』という考え方があります。そこには、お金を人生や社会と結びつけて考える視点があります。金融リテラシーの重要性が高まる今日、『EduTownフトコロジー』を通して、豊かさとは何か、満足感とは何かを考え、自分なりの答えを見つけてほしいと思います」







