照明を用いた環境演出
<指導教員>槙 究
<発表日時>2023年11月12日・13日
<発表場所>日野キャンパス常磐祭展示
私達が所属する環境デザイン研究室では、色彩や照明を用いたデザインや環境心理について研究し、それらに関連した活動を行っている。
今年度も、様々な活動を実施する予定で、美濃和紙あかりアート展への出展するほか、常盤祭では色彩・照明のどちらも楽しむことができ、多くの人の記憶に残るような展示空間の製作に取り組みたいと考えている。
色彩や照明に関する様々な活動を通して芸術性を培い、それらを用いて人々の心や生活空間をより豊かにできるよう励んでいきたい。
News
2023年度

私たちが所属する環境デザイン研究室では、色彩や光について研究しており、今回の常磐祭では、照明を用いた環境演出を行った。今回の展示テーマを「花と夜」にし、月のオブジェや花畑などを制作して幻想的な空間を演出した。
①フォトスポット
夜の雰囲気を演出するために大きな月のオブジェを制作し、そのオブジェと写真を撮ることができるフォトスポット空間を作り上げた。オブジェに和紙を用いて、中に照明を仕込んだことで和紙から柔らかい光が漏れ、ぼんやりと光る月を演出することができた。加えて、正面から当てる照明の色を2種類用意し、使い分けたことでフォトスポットの雰囲気を変えることができたため、お客さんにはその変化の面白みを感じてもらうことができたと思う。
また、オブジェの後ろにスクリーンを設置することで正面から光を当てた際、スクリーンにオブジェや人の影が映るため、影絵のようになり、その点も楽しんでもらえるよう工夫した。
さらに、一眼レフカメラで撮影し、データとして携帯に送信するサービスを設けたことで、多くのお客さんに写真を撮ってもらうことができた。
②ワークショップ(参加型展示)
見るだけでなく、来ていただいた方にも参加してもらうことで、完成する作品を展示した。
まず、ディップアートで花をモチーフにした作品を、ガラス瓶に生けてもらう展示では、フェイクグリーンの上に置くことで、花畑から好きな花を摘めるような体験ができるようになっている。
次に、来てくださったお客さんと共に作品を作り上げることを目標とし、「和紙の花びら・造花・リボン」の中から1つ選んでもらい、 今回の展示用に製作したミニドレスへ飾り付けてもらう展示を用意した。ドレスは、3つの形を用意することで、飾り付けをする前でも見て楽しめるよう工夫をし、多くの方に楽しんでいただけるよう、来場者予定人数分の飾りを作っておいた。
③研究室活動紹介の展示
4月からの活動で制作した作品、活動のまとめを展示した。
色彩や照明、建築などに関する個人が気になることを自由に調べた「ZINE」や、人工大理石「CORIAN®」を用いて新たな製品を提案するコンペティションでのプレゼン資料や、環境デザイン研究室の魅力が伝わるような、体育祭やゼミ合宿などの活動内容をボードや冊子にまとめたものを展示した。
④美濃和紙あかりアート展
2023年10月8日から、岐阜県美濃市で開催されていた「美濃和紙あかりアート展」へ、作品を出展した。美濃和紙の柔らかく繊細で、且つ耐久性もあるという特徴を生かした、独創的で、町並みとの調和も考慮した、「あかり」として魅力ある作品作りに励んだ。
今回は、常磐祭でもこの作品を展示したいと考えていたため、作成時は4チームに分かれていたが、テーマの「花と夜」の雰囲気にも合うよう、それぞれが思う「花」をモチーフにデザインした。
作品のデザインは、あかりアート展の基準に則って早い段階から具体的になるよう練りあげ、和紙の実物を見ながら材料の無駄がないよう発注をかけた。そして、作品に適した土台を作るために、木の板をものづくり工房で加工し、そこに雰囲気と合った光(色や数)を研究して配置した。土台も美濃和紙やその他の素材で装飾して、美しく仕上げた。
シェード部分に当たるところには、全てに美濃和紙を用いた。美濃和紙は、質感や色、厚さなど、種類が様々であり、その違いによって光の漏れ方や作品の雰囲気も変わってくるため、そのような素材の変化によるあかりの印象の違いに面白みを感じ、どのチームも和紙の選定にはかなりこだわった。
また、構造面では、薄くて柔らかい和紙の強度を上げつつ、美しくデザイン性のある作品にすることにかなり苦戦した。接着剤もいくつか試したり、針金や割り箸を仕込んで固定させたり、和紙を二枚重ねにして強度を持たせるなど、試行錯誤を繰り返し、より良い作品になるよう取り組んだ。
このように和紙の特徴を生かした魅力ある作品制作に励んだ結果、多くのことの学び4作品とも個性ある美しいあかり作品となった。また、作品のモチーフを「花」と統一したことで、4作品が並ぶと一体感が感じられ、常磐祭での展示を見ていただいたお客さんからも、クオリティが高く「花と夜」のテーマにあっていたと好評であった。