実践女子大学 ITTPC認定とチュータリングの取り組み

実践女子大学 日野キャンパスでは、2024年8月にITTPC(International Tutor Training Program Certification)レベル1の認定を取得しました。ITTPCは、CRLA(College Reading & Learning Association)が提供する国際的なチューター養成プログラム認証制度です。高等教育機関におけるチューター育成の質を保証するグローバルスタンダードとして広く認知されており、世界基準の学生支援といわれています。
レベル1の認定取得により、本学のチュータリング・プログラムは、「選抜」「トレーニング」「実践経験」「評価」の各項目においてCRLAの厳しい基準をクリアしていることが国際的に証明されました。この認定は、本学の学生支援体制と教育の質保証を強化するだけでなく、ITTPC認定を受けた学生が将来のキャリア形成や国際的な実践経験として、その価値を大きく高めるものとなります。
多文化協働による現在の取り組み

2025年4月からは、ITTPCレベル1の認定を基盤に、日野キャンパスにおけるチュータリング活動が本格的にスタートしました。2025年度前期は、ジョージアからの留学生2名、ベトナムからの留学生2名、そして本学学生1名の計5名が中心となり、週2回程度の頻度で継続的な学習支援活動を行っています。
活動内容は、言語学習のサポートに加えて、日常生活に関するアドバイスの共有や、日本と母国の文化についての意見交換など、多岐にわたります。形式としては1対1のセッションに加え、小グループでのワークショップ形式の交流活動も行われており、参加者の自主性と対話的な学びが重視しています。
これらの取り組みを通して、留学生にとっては安心して学び、充実した学生生活を送るための基盤づくりとなり、本学学生にとっては異文化理解やコミュニケーションスキルの向上、そしてリーダーシップを育む貴重な機会となっています。互いに「教える・学ぶ」という関係性を越え、対等なパートナーシップが築かれつつあります。
今後の展望:ソーシャル・アントレプレナーシップと国際協働の深化

今後は、現在のチュータリング活動をさらに発展させ、学内PBL(Project-Based Learning)との連携を視野に入れた新たな教育実践に取り組んでいく可能性を構想しています。具体的には、本学学生と留学生が混成チームを組み、実社会やキャンパス内の課題を発見し、解決策を考えるプロジェクト型学習を展開していくことも検討しています。これは、本学が現在力を入れているソーシャル・アントレプレナーシップの育成にも通じるもので、社会課題の解決に貢献できる人材の育成に寄与していきます。
たとえば、「多文化共生キャンパスのあり方」「外国人留学生への生活サポートの改善」「言語教育の相互支援モデルの構築」など、学生自身がテーマを設定し、調査・協議・発表まで主体的に行う学びの機会を創出することなどが考えられます。このプロセスは、単なる言語学習や交流を超えた国際協働力・課題解決力・対話的実践力を育む機会に発展させていきます。
ITTPCの意義と実践女子大学のこれから

ITTPCを通じたチュータリング活動は、実践女子大学の教育理念である「国際的視野」「協働力」「研鑽力」の育成を支える取り組みの一つです。本学の建学の精神である「女性が社会を変える、世界を変える」を具現化するべく、学生が実践的に学び合い、他者と協働しながら多様な価値観を理解し、自らの可能性を広げていける環境づくりに力を入れていきます。
引き続き、日野キャンパスにおけるITTPCの活動を通じて、グローバルキャンパスの実現を目指していきます。