副専攻・他学部開放専門科目制度について
副専攻
近年の世界・社会の状況と価値観の変動・多様化に対しては、所属する学科専門教育カリキュラムとは異なる系統的学習や、学科専門教育カリキュラムを土台とする発展的学習によって、柔軟な思考や理解を持つことがとても有効です。そこで、文学部の皆さんは、国文学科、英文学科、博物館学課程が提供する、各学科専門を踏まえた「副専攻コース」を履修することで、複眼的な視野と多面的な能力を身につけることができるようになります。
①日本語教員養成コース
目的
多文化共生の時代を迎え、日本語学習を必要とする外国人のために、有能な教授者を求める声が高まっています。文学部に設けた「日本語教員養成コース」は、この要望に応え、日本語教育への深い理解と造詣をもち、教育意欲に燃える教授者の育成を目的とするものです。
内容
現在、日本語教育に関する国家資格はありません。日本国際教育支援協会が毎年行っている「日本語教育能力検定試験」が、日本語教師としてのレベルを保証するための最も確かなものであり、その出題範囲は「社会・文化・地域」「言語と社会」「言語と心理」「言語と教育」「言語一般」の5領域となっています。文学部の「日本語教員養成コース」は、この5領域に基づいた科目の編成がなされています。科目をすべて修得した学生には単位修得証明書を発行します。さらに、次の2つの条件を満たした学生には修了証を発行します。
- 言語文化教育研究センターでの個人授業の経験等についての実習レポートを提出する。
- 日本語教育能力検定試験を受験し、「C」以上の成績を修める。
②英語で学ぶ女性表象コース(2023年度入学まで)
目的
女性の生き方を学ぶことは、現在でも重要な問題であり続けています。「英語で学ぶ女性表象コース」は、英語によって表現され、また表現してきた女性たちのあり方を学ぶことにより、履修者が自分の生き方の多様な可能性に気づくこと、またその学びの中ではぐくまれた自分の考えを表現する力を養成することをその目的としています。
内容
「英語で学ぶ女性表象コース」は、女性をテーマにした科目群を中心とする英文学科の「専門科目」によって構成されています。履修者は、まず基礎科目において女性表象を学ぶ上での基本的な知識と考え方を習得します。また関連科目では、多様な角度から女性表象の研究をさらに深めることや、その社会的、文化的背景を学ぶことができます。また学習の前提となる英語力の強化も可能です。こうして女性表象について学び、考えた成果を、履修者は最後に修了科目で再確認し、まとめ、発表します。
③ミュージアム・スタディズ・コース(2023年度入学まで)
目的
本学には、美術館、博物館などの学芸員資格取得のために、博物館学課程が置かれています。本「副専攻コース」では、学芸員資格取得予定者が、さらに知識を深め、それを社会で実践するための力を養成することを目的とします。
内容
博物館学課程において学芸員資格取得をするだけでなく、美術作品や学芸員の仕事について、さらに積極的に学ぶ意欲を持つ学生を対象とします。学芸員資格に必要な単位をすべて取得し、次の2つの条件を両方とも満たした学生には、学芸員資格に加えて、「ミュージアム・スタディズ・コース」の副専攻の修了証を発行します。本副専攻は、学芸員資格の取得を前提とします。
- 博物館学課程選択必修科目(博物館学課程開放科目)である「美術史概論a」「美術史概論b」「工芸史概論a」「工芸史概論b」「文化史概論a」[文化史概論b」、および国文学科の「開放専門科目」である「実用書法a」「実用書法b」「書芸実習a」「書芸実習b」の中から、4単位以上取得していること。
- 博物館学課程上級科目である「知的財産研究」「アート&パブリッシング」「パブリック・プログラム研究」「保存修復a」「保存修復b」から4単位以上取得していること。
他学部開放専門科目制度
文学部の「専門科目」以外に、人間社会学部の「専門科目」を履修することができます。これを「人間社会学部開放専門科目」と呼びます。他学部の「専門科目」を学習することで、学部を越えて異なる分野の専門的な知識を修得するとともに、自分の専門分野を客観的、複眼的に見つめ直し、自らの専門性をより確かで深いものにすることができます。