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中国からの留学生にインタビュー

人間社会研究科での研究生活はどうでしたか

2025年度に大学院人間社会研究科を修了した邹 依林(ゾウ イリン、Yilin Zou)さんと、黎 詩瑶 (レイ シヨウ、Li Shiyao)さんに、人間社会研究科での2年間の研究生活について話を伺いました。 2026年2月

※インタビュー内容・情報は取材時のものです

Q:お二人は中国からの留学生ですが、なぜ本学の大学院に進学しようと思ったのですか。

レイさん:インターネットで自分の学びたい分野について色々と探しました。その中で、ジェンダー研究ができる実践女子大学を見つけました。

ゾウさん:JLPT(日本語能力試験)の試験会場が実践女子大学でした。キャンパスがとてもきれいで、いい大学だと思いました。その後、自分の研究計画を考える中で、山根先生の本を読み、山根先生が実践女子大学で教えていると知りました。それで、実践女子大学を受験しようと思いました。

Q:どのように研究テーマを定めたのですか。

レイさん:私は日本に来た当初、日本の非正規雇用女性の貧困について研究したいと考えていました。ですが、大学院に入って様々な文献を読む中で、日中の比較研究へと研究テーマが移っていきました。自分が日中の高学歴一人娘が抱いている家族やジェンダー規範の違いにより関心を抱いていることが分かり、留学生としての立場を活かすこともできると考えたからです。

ゾウさん:私が研究テーマを定めたきっかけは、中国で見た若い女性たちの動きです。当時、中国では、若い女性がインターネットで出産のリスクについて発信することが増えていました。その影響を受けて、私は女性の生殖や出産に関心を持つようになり、「第二波フェミニズム運動」についての本を何冊か読みました。そうした中で、女性の身体や生殖に関する女性の権利について考えるようになり、それが中国の一人っ子政策における避妊・中絶という研究テーマにつながりました。

Q:大学院に入って、どのような授業を履修しましたか。

レイさん:大学院の授業に加え、指導教員の山根先生の学部の授業や演習、社会調査や統計学などの授業を取りました。学部の授業の統計学は単位になりましたが、山根ゼミは聴講でした。ですが、学部のゼミで発言をする中で、日本語の力がとてもついたと思います。授業は大学院と学部の授業を合わせて、1年の時は週4日、2年の時は週2・3日くらいありました。

ゾウさん:山根先生の学部のゼミではたくさん発表をしました。そのゼミの時間が、いちばん勉強になりました。

Q:お二人の研究はどちらもとても重要な研究テーマだと思うのですが、論文の執筆はやはり大変でしたか。

レイさん:先行研究がたくさんあり、それを読んでまとめたり、発表したりすることが一番大変でした。読むだけでは自分のものにならないので、メモを取ったりして、理解をするようにしました。ですが、自分でインタビュー調査を行うようになってからは、インタビューから自分なりの結論を出すことに研究の面白さを感じ、とても楽しくなりました。

ゾウさん:忙しくて大変でしたが、前からずっとやりたいと思っていた研究だったので、とても楽しかったです。自分の関心のある研究に集中できて、幸せな時間でした。

Q:お二人ともインタビューによる質的調査を行いましたが、調査はどのように行ったのですか。

レイさん:修士1年目からインタビューの内容を考えたり、大学の倫理審査を受けたり、早めに準備を行ったことがよかったと思います。そのため、修士2年目に入り、すぐにインタビュー調査を始めることができました。
私は日本女性と中国女性の両方にインタビューをしたのですが、先に行ったインタビュー内容を分析しながら次のインタビューを実施することで、スムーズに研究ができました。インタビューを通して、多様な語りや価値観に触れることができて、とてもよかったと思います。

ゾウさん:私も、研究倫理の申請を早い段階で行うことで、準備をしっかりとすることができました。インタビューの方法や質問内容も事前によく考えました。そのため、論文の執筆もスムーズに進みました。

Q:かなり長大な論文を作成しましたが、日本語で書いたのですか。

レイさん:私がインタビューをした人の半分は日本人だったので、日本語で書きました。

ゾウさん:私は中国語で書いて、それを日本語に翻訳しました。中国語の漢字と日本語の漢字が異なるので、その点、少し苦労しました。

Q:日本語に関するチューターがついていましたが、チューターはどのように日本語の支援をしたのですか。

ゾウさん:週1回、チューターがついてくれて、インタビューや論文の日本語のチェックをしてくれました。日本語と中国語の漢字の違いについても調べてくれました。

Q:何かもっとこういうことがあると良かったと思う点はありますか。

レイさん:院生はみなそれぞれ忙しく、院生同士の交流があまりできませんでした。なので、もっと他の研究科の院生とかかわれたらよかったと思います。日野キャンパスで開催された学園祭に参加したのですが、院生が参加する企画はありませんでした。大学祭に限らず、院生が参加したり交流したりする機会があれば、より一層充実した院生生活になったのではないかと感じています。

ゾウさん:日野キャンパスの学園祭に行ったとき、はじめて中国人やほかの国の留学生がいることを知りました。私たちは他に留学生がいることを知らなかったのですが、留学生が交流できる大学のイベントがあれば、大学生活の楽しみがもっと広がったと思います。

Q:大学院の修了後について教えてもらえますか。

レイさん:私は日本の電力関係の会社に就職が決まりました。大学が行う学部学生向けの就活イベントにも参加しましたが、結局、自分で調べ、日本人と同様に入社試験を受けました。大学として、もっと大学院生や留学生向けの就職支援があるといいと思います。ですが、就職試験で留学生であることはハンディキャップにはなりませんでした。

ゾウさん:私は博士課程に進みたいと考えていたのですが、授業料や奨学金など、費用の問題があるので、しばらく進路を考えることにします。

Q:大学院生活をふり返って、どのように感じていますか。

レイさん:大学院で学んだことは、これからの人生に活かせると思っています。学習能力や知識はもちろん、人との付き合い方もより円滑になり、コミュニケーション能力も上がりました。いい友達もでき、勉強以外にも様々な収穫がありました。

ゾウさん:あっという間でした。大学生の時、ジェンダー研究をしたいと思っていたので、大学院に進学して望みをかなえることができました。

Q:最後に、これから大学院に進学する人や進学を希望する人に何かメッセージを送ってください。

レイさん:私自身、先行研究を読む量が足りなかったという自覚があるので、やはり本や論文をいっぱい読んで欲しいですね。

ゾウさん:自分のやりたいことを見つけることが大切だと思います。

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