実践女子大学×南多摩保健所×京王ストア 学生が「ちょい足し野菜」を提案。栄養バランスを考えたレシピカードが京王ストアで展開されています!(9/19~)
生活科学部食生活科学科管理栄養士専攻(現:食科学部管理栄養学科)の学生が考案したレシピカードなどの掲示が9月19日から多摩、稲城、日野市にある京王ストア多摩センター店、稲城店、高幡店の各店舗(多摩市の桜ヶ丘店は、10月19日から開始)で始まりました。実践女子大学が東京都南多摩保健所、株式会社京王ストアと進める産官学連携事業の一環。地域の健康課題の解決が狙いです。昨年度のテーマは「減塩」でしたが、今年度は「栄養バランス」。毎日の食事を見直すきっかけになるよう、消費者にも伝わりやすい「ちょい足し野菜で健康づくり」をキャッチコピーに11月30日まで、季節に合わせた月替わりのレシピが身近な買い物の場に届けられます。
考案したレシピを実際に調理
昨年度の「減塩」から、今年度は「栄養バランス」へ
デジタルサイネージ
スーパーマーケットを身近な健康づくりの場として活用する取り組みとして、昨年度は学生がレシピやキャッチコピー、レシピカード、デジタルサイネージ、帯カード(POP)、リーフレットを制作し、京王ストアの4店舗で普及啓発に利用されました。
2年目となる今年度は、南多摩保健所が「栄養バランス」をテーマに設定。背景には、日本人の野菜摂取量が国の目標に届いておらず、1皿分に相当する約70~80gの野菜が不足しているという課題があります。そこで学生たちは、「ちょい足し野菜で健康づくり」をキャッチコピーに、いつもの料理に野菜を加えることで無理なく野菜の摂取量を増やす方法を考えました。
今年度は管理栄養士専攻・管理栄養学科の学生から参加者を募り、3年生5人、2年生4人、1年生13人の計22人が参加。2年生4人は昨年度の取り組みも経験しており、その経験を生かして新しく参加する学生をサポートしました。6月から本格的な活動を開始し、レシピカード、デジタルサイネージ・帯カード、リーフレット担当の3グループに分かれて、9月から11月までの月ごとのテーマに合わせて、計9種類のレシピなどの開発に取り組みました。
6月からの短期間でオリジナルの計9種類。保健所の管理栄養士にアドバイスも受け
レシピカード
レシピ開発では、山岸博美准教授の指導のもと、献立を組み立てました。すべてを一から作るのではなく、これまでの「給食マネジメント実習」で学生が考案した献立をアーカイブとして活用。過去のアイデアをベースに、今回のテーマに合わせたオリジナルの工夫を加えてレシピを仕上げました。
8月3日には、考案した9種類のレシピを実際に調理し、ライティングや背景にもこだわった料理写真の撮影にも挑戦しました。南多摩保健所の管理栄養士からアドバイスを受けながら、味だけでなく、盛り付けや写真の見せ方まで検討。短期間に、実際に消費者へ届けることを意識してレシピと媒体を完成させました。
9月は「夏の疲れをリセット」。食べやすさと野菜の取り入れ方を工夫
リーフレット
9月のテーマは「夏の疲れをリセット」。現在、店舗で紹介しているのは、「豚肉のハニーマスタード焼き」「シャキシャキ&ねばねば!さっぱり野菜と豆腐ののっけ丼」「彩りさわやか!野菜とエリンギのマリネ」の3品です。「豚肉のハニーマスタード焼き」は、豚肉のうま味に、はちみつの優しい甘さと粗びきマスタードの風味を合わせた、香ばしい「ピリ甘」が特徴です。なす、ズッキーニ、ミニトマトを添え、肉と旬の野菜をフライパン一つで調理できるよう工夫しました。豚肉からたんぱく質を取りながら、野菜もしっかり食べられるメニューとなっています。
「シャキシャキ&ねばねば!さっぱり野菜と豆腐ののっけ丼」は、オクラ、きゅうり、大根、長いも、豆腐などを組み合わせた一品です。大根と長いもを鬼おろし器でおろすことでシャキシャキとした食感を出し、長いも、オクラ、豆腐など食感の異なる食材を組み合わせました。みょうがと大葉の香りもアクセントにし、残暑の時期にもさっぱり食べられるよう工夫しています。
「彩りさわやか!野菜とエリンギのマリネ」は、大根、にんじん、きゅうり、セロリ、ミニトマトなど、さまざまな野菜とエリンギを使った副菜です。野菜の大きさをそろえて切り、冷やして味をなじませることで、さっぱりとした味わいに。彩りも豊かで、作り置きにも向く一品です。
レシピだけでなく、店頭で伝える仕掛けも学生が制作
帯カード
また、学生たちは、髙橋加代子准教授、森川希准教授の指導のもと、料理そのものだけでなく、消費者に「ちょい足し野菜」を伝えるための啓発ツールも制作しました。
商品棚に設置する帯カードでは、「ちょい足し野菜で健康づくり」「野菜をプラスで元気チャージ!」などの言葉を使い、買い物の途中でも取り組みの内容が伝わるようにしています。
店舗入口などで流すデジタルサイネージは、昨年度と同じく15秒の動画にまとめました。短い時間でも「ちょい足し野菜」の考え方が伝わるよう構成。今年度は京王ストアがInstagramでの発信を始めており、この動画もSNSで発信を始めました。また、東京都のXでも発信しています。
リーフレットには、食事バランスを確認できる二次元コードを掲載。チェック後には、学生が考案したレシピを掲載したPDFをダウンロードできる仕組みを取り入れました。昨年度の取り組みでは、リーフレットが想定を大幅に上回る枚数持ち帰られたほか、レシピカードに掲載した南多摩保健所のホームページへのアクセスも大きく増加しました。学生が考えた分かりやすい媒体を通じて、普段は保健所の情報に触れない人にも健康情報を届けるきっかけとなりました。
10月、11月も季節に合わせたレシピを展開
レシピカードの撮影
今後の展開として、10月は「旬の野菜を使ってハロウィンを楽しもう」をテーマに、「キャロットライス」「キャベツ入りチーズハンバーグ」「ミネストローネ」のレシピカードを掲示する予定です。
キャロットライスは、すりおろしたにんじんをお米と一緒に炊き込むことで、自然に野菜を取り入れます。キャベツ入りチーズハンバーグは、通常のハンバーグで使う玉ねぎの代わりにキャベツをたっぷり加えました。ミネストローネには紫色のレッドキドニー(赤インゲン豆)を使い、ハロウィンらしい彩りを演出します。
11月は「ぽかぽか野菜習慣」をテーマに、「高野豆腐を使った味噌豆乳鍋」「大根のしょうが炒め」「厚揚げと冬野菜のとろとろ煮」を予定しています。高野豆腐や車麩(くるまふ)などの乾燥食品を使い、買い置きしやすく、手軽に調理できるメニューを提案。大根としょうがを組み合わせたり、片栗粉でとろみをつけたりすることで、寒い時期におすすめの料理に仕上げます。
学生の学びを、地域の健康づくりへ
山岸准教授は、今回のレシピ開発について、学生たちが各月のテーマからキーワードを出し合い、主食・主菜・副菜のバランスを考えながら献立を組み立てたと説明します。また、給食マネジメント実習で蓄積した献立を参考にしながら、今回の「ちょい足し野菜」という考え方に合わせてオリジナルの工夫を加えました。栄養について学ぶ学生が、講義や実習で得た知識を実際のレシピや店頭媒体へと落とし込み、さらにスーパーマーケットを訪れる人にどう伝えるかまで考える。学生にとって実践的な学びの機会であると同時に、大学の知見を地域の健康づくりにつなげる機会となっています。
今年度は、実施期間を昨年度の1カ月から2カ月余りに延長しました。さらに、リーフレットから食事バランスチェックへ誘導する仕組みを設け、個人で食生活を振り返るきっかけをサポートするとともに、この取り組みへの反響を把握し、今後の効果検証につなげます。全体を統括している辛島順子准教授は「昨年度は、大学とスーパーマーケットから情報を発信することで、普段は保健所の情報を見ない層にも届けることができ、保健所のホームページへのアクセスも大幅に増えました。より長く取り組むことで、栄養バランスをテーマとした普及啓発がどのような効果につながるのかを確認していきたいです」と話しています。







