社会デザイン学科「実践デザインラボII」で車いす体験を実施 渋谷駅・ハチ公周辺を移動し、利用者の視点から街を見つめました(6/11)
6月11日、社会デザイン学科の授業「実践デザインラボII」で、学生たちが車いすを使用して渋谷キャンパスから渋谷駅・ハチ公周辺までを移動するフィールドワークを行いました。本授業は、より良い社会を実現するための「ソーシャル・デザイン」にチームで挑戦するプロジェクト型授業です。授業では、普段とは異なる視点を体験することで見えてくる課題に注目し、自分たちにできる問題解決のあり方を考えます。
当日は、車いすユーザーである横山和也さん(車椅子住宅アドバイザー)、中嶋涼子さん(車椅子インフルエンサー)のガイドを受けながら、大学のある渋谷の街を舞台に、利用者の視点から都市の環境を見つめました。
「実践デザインラボII」車いすを使用したフィールドワーク
車いすに乗って見えた、渋谷の街
横山さん、中嶋さんより車いすについてレクチャー
最初に横山さん、中嶋さんから、車いすの基本的な使い方や安全な乗り降りの方法についてレクチャーを受けた後、学生たちは2、3人一組に分かれ、10台の車いすを使用して渋谷駅までを往復。一人が車いすに乗り、もう一人が介助者として車いすを押す役割を担いました。
介助者役をした学生からは、「上りは押せば進むけど、下りはスピードが出ないように引きながら進むので、すごく疲れる」といった声がありました。また、車いすに乗った学生からも「坂を下る方が怖い。車いすの集団というのもあるけれど、いろんな人に見られている感じがする」といった感想が聞かれました。
車いすに乗ることで、目線の高さも普段とは変わり、人の流れや周囲の状況を把握しにくくなることにも気づき、学生たちは、何気なく歩いている渋谷の街を、いつもとは異なる視点から見直しました。
車いすを使用して渋谷駅までを往復する様子
介助者役をした学生
段差やエレベーターから考えた、日常の中のバリア
質問をする学生
車いす体験後には、横山さんと中嶋さんへ、学生から雨の日の移動方法や大きな荷物を持つときの工夫など様々な質問が寄せられました。また、実際車いすを体験することで気づいた、暑さへの対策やエレベーターの待ち時間など、日常生活で感じている具体的な困りごとについても話を聞きました。
実際の車いす体験を通して学生からは、「階段を上るのが面倒な時に、結構エレベーターを使ってしまってたけど、本当に必要な方がいるので、できるだけ意識を変えていきたいと思いました」という声もあり、日頃の何気ない行動を見直すきっかけにもなりました。
一方で、横山さんからは、「エレベーターは使ってはいけないものではなく、必要な人がいた時に譲り合うことや、声をかけ合えることが大切だ」と話されました。
また中嶋さんは、「たった1時間乗っただけで、皆さんがエレベーターをちょっと譲ってみようと思ったり、電車のことをいろいろ考えてくれたりしたことが、今すごくうれしかったです。歩いて生活していると忘れがちですが、今日の思いをどこかにとどめてもらって、街中で車いすの人を見かけた時には、『手伝いましょうか』と気軽に言ってもらえたらうれしいです」と話しました。
違う視点に気づくことから、デザインを考える
今回の授業を通して、学生たちは「自分にとって当たり前の環境」が、別の立場の人にとっては使いにくさや不安につながることを体験的に学びました。
今後の授業では、今回の経験をもとに学生たちがリサーチを進めます。誰もが使いやすい空間とは何か、さまざまな人が安心して過ごせる社会を実現するために何ができるのか。学生たちは、利用者の視点から見えた気づきを出発点に、さらに考えを深めていきます。







