学生が授業で日野駅商店会の活性化に挑戦! 「環境デザインプロジェクトa・b」の最終発表会が行われました(7/21)
環境デザイン学部環境デザイン学科の2年生を対象とする、地域連携/社会連携のプロジェクト授業「環境デザインプロジェクトa・b」の最終発表会が、7月21日(火)に行われました。昨年度に引き続き「世界で一番面白い商店会をつくろう」をテーマに、「環境デザインプロジェクトa」ではリサーチと実施準備を行い、「環境デザインプロジェクトb」では、12個の地域活性化のアイデアをチームに分かれて実践。地域との協働を通して生み出した成果を、実践女子大学(香雪記念館)、イオンモール多摩平の森、日野市役所の3拠点を結ぶオンライン形式で発表しました。
最終発表会参加メンバーの集合写真
地域連携・社会連携プロジェクトに「授業」で挑む
環境デザイン学部環境デザイン学科の特徴的な授業の一つである「環境デザインプロジェクトa・b」は、専門分野の異なる複数の教員(一色ヒロタカ准教授、佐藤健教授、滝澤愛准教授、塩原みゆき教授、大川知子教授)が担当する領域横断型の授業です。デザインの力でリアルな社会課題を解決することを目標としたクォーター制の地域連携・社会連携プロジェクトで、「環境デザインプロジェクトa」でアイデアを社会実験するための準備を行い、「環境デザインプロジェクトb」で実践的提案に挑みます。
昨年度「世界で一番面白い商店会をつくろう」をテーマに当時の2年生たちが提案した、108個の日野駅商店会活性化のアイデアから12個を厳選。5~7人の少人数のチームに分かれ、「実際に街に出て実践する」という一歩踏み込んだ活動を試みました。
この日の発表会では、12チームそれぞれが成し遂げた成果を、日野駅商店会の日野一紀会長と、「ひのプロ(日野宿通り周辺「賑わいのあるまちづくり」プロジェクト)」のメンバー3名(清水直氏、高畑勝氏、野村智子氏)に報告しました。
7月に行われた「つながる日野フェスタ」
大学・イオンモール多摩平の森・日野市役所の3拠点をつなぐ公開型の発表会
香雪記念館(左下)・イオンモール多摩平の森(右下)・日野市役所(上)の3拠点をつなぎ公開型の発表会を実施
発表会は、大学・イオンモール多摩平の森・日野市役所の3拠点をオンラインで結び、地域へと学びをひらく発表の場として実施しました。参加した学生は60名超。日野キャンパスの香雪記念館から5チーム、イオンモール多摩平の森から3チーム、日野市役所から4チームが、商店会の魅力を引き出す企画をいかに立案・実施したか、その成果を発表しました。
1班:日野駅商店会ラジオ
音声配信アプリ「stand.fm」を活用し、店主へのインタビューや学生イベントを紹介するラジオ番組を制作・配信。最終的な総再生数は1,011回に到達。
2班:目印タイルでぶらり旅
商店会のロゴをモチーフにした三角形の「紹介ボード」を作成し、5つの協力店舗に掲示。店主と客の会話のきっかけづくりで、商店会の認知度を向上。
3班:空き店舗ツアー
「自分だったら空き店舗をどうデザインするか」を絵に描いてもらうワークショップを企画。子どもたちのアイデアを通じて、地域資源の可能性を可視化。
4班:駅前イベントの継続
野菜販売やレシピ配布、七夕飾りなどを駅前広場で実施。他チームとも連携し、駅前に継続的な賑わいを作り出し、商店会全体への活気の波及を目指す。
5班:BLUE LINK DAY
商店会のイメージカラーである「ブルー」を基調にした200枚のオリジナルエコバッグを配布。店舗での特典サービスを通じて、人々の交流を促進。
6班:歩く人型掲示板
学生自らが「掲示板」となり、日野の街を歩く。手作りのボードにはクイズやくじ引きの仕掛けを施し、通りすがりの人々とのコミュニケーションを創出。
7班:水資源が育む地域の庭
日野の豊かな水路に着目し、中田の森蚕糸公園でリラックス空間を提供。「水みくじ」などのイベントも考案し、水路の魅力の再発見を促す。
8班:移動式インフォメーションワゴン
昨年度の4年生が卒業制作として制作したワゴンを活用し、街を練り歩きながら商店会の情報を発信し、2日間で227人と対話。ショップカードの配布も。
9班:見つけて商店会!シールラリー
商店会加盟店を巡り、各店舗の特徴を捉えたオリジナルシールを集めるラリーを企画。楽しみながら商店会を回遊するきっかけを提供。
10班:エピソードフリマ
商店会の方々から提供された思い出の品を、そのエピソードとともに販売。人々の交流を促すと同時に、収益金1万8,000円余りは全額商店会へ寄付。
11班:プロフェッショナルカード
店主の個性やこだわりをカード化。表面には仕事への情熱、裏面には趣味や特技を掲載し、「日野で働くプロ」の顔を知ってもらうツールとして活用。
12班:空き店舗活用「おえかきラボ」
大学所有の旧コンビニエンスストア店舗を開放し、子どもたちが壁に絵を描ける遊び場に。空き店舗の「負」のイメージを、地域交流の「秘密基地」へと変換。
イオンモール多摩平の森や日野市役所では、通り掛かりの方が自由に聴講できるスタイルを採用したため、用意された座席に着席してじっくりとプレゼンを聞いてくださる方もいれば、立ち止まって耳を傾けてくださる方もいらっしゃいました。発表会は、学生・商店会関係者・地域の人々が交流する場となり、大学と地域をつなぐ取り組みとしても大きな役割を果たしました。
講評はクロストーク形式で
香雪記念館に集まり講評会を行う(クロストーク形式)
発表後は、イオンモール多摩平の森と日野市役所で発表を行った学生たちも香雪記念館に集結。日野駅商店会会長の日野氏、「ひのプロ」の清水氏、高畑氏、野村氏に加え、昨年度の授業の担当教員の一人である環境デザイン学部環境デザイン学科の安齋利典教授が、一色ヒロタカ准教授のファシリテーションのもとクロストーク形式で講評を行いました。
総評としては、「学生たちが自ら街に出て、社会との接点を実感しながら自信を持って発表している姿が印象的だった」「中間発表までのやり取りを見ていて心配する部分もあったが、きちんと発表できていたし、きちんとゴールまでたどり着いたのは見事」と評価されました。「仕事をしている店主の方々と交渉し、情熱を持って働きかけたプロセスそのものが、貴重な社会経験になった」という声も聞かれました。
プレゼンテーションについては、手元の原稿を読むだけでなく、前を向いて自分の言葉で伝えることで、より想いが伝わるとのアドバイスも。学生たちは貴重なフィードバックに耳を傾けながら、「デザインとは単に“もの”を作ることではなく、“人の行動を変え、地域との新しいつながりを生み出す力”である」ことを実感。教室を飛び出し、「地域」という生きたフィールドで「デザインの役割」を問い直す価値も再確認しました。
最後に一色准教授は「学生たちが粘り強くやり抜いたことが最大の成果」とし、「学生の学び」と「社会のアップデート」が重なるwin・winの関係を構築することが重要だと結びました。
今回の成果を踏まえ、「環境デザインプロジェクトa・b」およびそのリサーチと実施準備の段階にあたる「環境デザインプロジェクトa」では、次年度も地域連携・社会連携プロジェクトに取り組んでいく予定です。
学生のコメント
私たち5班は「BLUE LINK DAY」を企画し、そこで配布するエコバッグを制作しました。制作にあたり、予算の関係でバッグへのロゴなどの印刷を自分たちで行うことになり、スプレーの費用の削減や、ステンシル枠の作成方法について試行錯誤するなど、最後まで本当に大変でした。それでも、先生のご協力のおかげもあり、200個のエコバッグすべての図柄を自分たちで刷り上げた時の達成感は忘れられません。当日は、私たちが配った青いバッグを持って買い物を楽しんでいる地域の皆さんの姿をたくさん見ることができたことも、本当にうれしかったです。
自分たちが作ったエコバッグが、一瞬でも街をブルーに染め、地域に一体感を生み出せたことを肌で感じることができました。今後は、協力してくださる店舗をさらに増やして、ぜひこの活動を後輩たちにも引き継いでいってほしいです。(環境デザイン学部環境デザイン学科2年 畠山優亜さん)
環境デザイン学部 環境デザイン学科
一色ヒロタカ准教授のコメント
今回の取り組みの最大の成果は、学生全員が実際に街に出て、地域の人々と対話し、一緒に考え、行動したことです。普段はなかなかない「街にコミットする」という経験を、12チーム同時に展開したことは非常に挑戦的な取り組みだったと思います。
学生の学びがそのまま社会のアップデートにつながり、街が変わっていく。そんなポジティブな相乗効果をもたらすことこそ、この授業が目指す姿です。私たち教員にとっても、学生たちが街の中で何かに取り組み、それを地域の方々が温かく受け入れ、見守ってくださる光景を見られたことは非常に感慨深いものでした。
授業としてのプロジェクトは一区切りですが、学生たちにはこの経験を糧に、「自分も日野市の一員」という意識を持って、アルバイトやボランティアなど、さまざまな形で街と関わり続けてほしいと願っています。街に出る機会が増えれば、学生たちの日常もより豊かで面白いものになるはずです。








