実践ウェルビーイング・プロジェクト
ウェルビーイングとは
16世紀のイタリア語「benessere(ベネッセレ)」を始原とする概念では、「よく在る」「よく居る」「よい状態である」ことを意味します。
日本語で確立された直訳はなく、「幸せ」と訳されることが多いです。本来はHappiness以外の要素も包含しており、様々なステークホルダーと調和のとれた、良好で充実した状態を指します。
Well-beingの判定は、GDPなどの客観的指標と、幸福度などの主観的指標があり、必ずしも両指標が同じ方向に連動するわけではありません。
これまでの研究から、社会で暮らす人々の主観的なWell-beingが悪化すると、政治や社会の混乱をもたらすことが報告されています。
JWP(実践ウェルビーイングプロジェクト)
社会とつながり、「自分らしい幸せ」を探す
「実践ウェルビーイング・プロジェクト(JWP)」は、授業の枠を超えた有志参加型のプロジェクトとして2021年に始まりました。
ウェルビーイングとは、心やからだの健康だけでなく、人とのつながりや社会との関係も含めて「自分らしく、よい状態が続いていること」。
JWPでは、この考え方を手がかりに、「学ぶこと」と「働くこと」をどう結びつけていくかを探ります。正課の授業とは別に、プロジェクトリーダーの深澤晶久教授(社会連携推進室長)と共に月1〜2回のペースでプログラムを開催。
キャリア・グローバル・食・スポーツなど多様なテーマで、企業や自治体、メディア、研究者らと対話しながら、学生自身が企画・運営に関わり、体験を通じて自分なりのウェルビーイングを描いていきます。
実践ウェルビーイング・プロジェクト(JWP)の特色
1. ウェルビーイングを、自分ごとのテーマとして考える
将来への不安」や「働き方」など、身近なモヤモヤを入り口に、幸せとは何か、どんな状態を目指したいかを考えていきます。一人ひとりのウェルビーイングに寄り添う学びです。
2. 企業との協働が、キャリアのイメージを広げる
企業や自治体、メディア、スポーツ現場など、多様な大人たちとの対話や共創を経験。社会のリアルな課題に触れながら、「自分はどう関わりたいか」を描いていきます。
3. 企画から発信まで、学生が主役になるプロジェクト
プログラムのテーマ設定や企画立案、当日の運営、フォーラムや記事づくりでのアウトプットまで学生が主体となって担当。自分の言葉でウェルビーイングを発信する力を磨きます。
EXPO2025から「SWGs宣言」
2030年に目標期限を迎えるSDGsの次なる国際アジェンダを目指す「SWGs宣言」を採択
SWGsは人・社会・地球が調和し、正の遺産を次世代に残すことを目指す未来志向のゴール
深澤教授メッセージ
キャリア教育科目を履修してくれた学生たちに、さらなる成長のために何が出来るだろうか?そんな問いの答えが、正課外プロジェクトの推進であった。その第一弾は、2014年から8年間にわたって繰り広げた「東京2020オリンピックパラリンピックプロジェクト」であった。延べ10,00人を超える学生たちが参加してくれた本プロジェクトが閉幕し、第二弾を考えていた時、私の眼の前に現れたのが「ウェルビーイング」であった。
もともとウェルビーイングという概念は戦後まもなく生まれていたが、メジャーな言葉として目にするようになったのはここ数年である。最近は、企業も「ウェルビーイング経営」などに本格的に取り組む時代を迎えており、この流れに注目するうちに、キャリア教育の究極の目的は、学生たち一人ひとりのウェルビーイングを考え、その実現に向けたサポートにあるのではないかと思った次第である。
サスティナブルな世の中を考え、SDGsに取り組む中で、そのゴールは2030年、今の学生たちは20代、私が考えたのは、その一歩先、「SDGs Beyond」を見据えることであった。学生たちに世の中の動きのその「一歩先」を考えられる人になって欲しい、2020年責任世代の私が、2050年責任世代の学生たちに、少しでも良い形で襷を繋ぎたいと考えたのである。
2021年に約20名のメンバーで立ち上げたプロジェクトも4年目の2025年は75名を超えるチームとなり、企業にお邪魔したり、幸福学を学んだり、自らワークショップを企画運営したりと、授業でもなく、ゼミでもないこのプロジェクトに対し、主体的に参加してくれている姿を見ていると、私自身がウェルビーイングを感じることになる。
まだまだ解像度の粗いものであるが、粛々と、学生たちとともに考え続けていきたいと思う。
取り組み事例
その他の事例
- 東急×JWP「人生100年時代のウェルビーイングを語る世代を超えたワークショップ」を開催しました(1/13)
- スポーツを通じたウェルビーイングとは?JWP研究会がパラ卓球選手をお迎えし、イベントを開催しました。
メディア掲載
私のウェルビーイング
吉山 香佳さん

人と話すことが好き、という私の気持ちが、JWPでの活動を通してさらに大きくなりました。味の素のワークショップでは、自分のパーパスを考える機会に。さらに日経電子版の動画サービス『NIKKEI LIVE』では大学代表として出演し、大学での経験を等身大の言葉で発信する楽しさを実感しました。答えのないテーマだからこそ、学部学科を超えた仲間と考え続けられる。このプロジェクトで学んだ「自分らしくやりたいことにチャレンジする」という目標は、就職活動でも私の軸となり、社会に出てからもウェルビーイングな人を増やしていきたいと思っています。
石河 凛迦さん

子どもの頃からサンリオが大好きで、いつかグッズ企画に関わるのが夢でした。入学後、JWPで深澤先生にその思いを伝えたことがきっかけで、サンリオのグッズを監修する株式会社元町ファクトリーとのコラボグッズ開発の企画に取り組むことができました。実践女子大学らしい配色やキャラクターの記念イヤーなど、デザインの背景を丁寧にプレゼンし、クリアファイルは完成。学園祭で販売した際、手に取ってくださる方の姿を見たとき、自分の「好き」と大学の魅力を形にできた喜びが自分にとってのウェルビーイングだと感じました。
福田 悠乃さん

以前は、幸せそうな友人のSNSの投稿を見て自分と比較して落ち込むこともありましたが、ウェルビーイングを学ぶようになって自分なりの幸せを見つけられるようになりました。
他人ではなく自分自身の軸を大切にし、自分がどんなことに幸せを感じるのか考えるようになったことで、日々の幸福感も増しています。また、JWPの活動を通して深澤教授やかけがえのない仲間と絆を深められたことで、周囲の方々への感謝の気持ちを強く持つようになりました。これまで私を支えてくれた人とたちのためにも、誰かに喜んでもらえるような仕事をしていきたい——。
自分自身が活躍する姿を見せることで、後輩たちにも希望を届けたいです。
竹川 歩さん

JWPの活動を始めた当初は、普段の生活が当たり前にあることがウェルビーイングだと考えていました。
しかし、さまざまな取り組みを通して、私にとってのウェルビーイングのキーワードは「余裕」だと思い至りました。自分の心に余裕があれば人に優しくできますし、その優しさがほかの誰かに向けた優しさへとつながり、ポジティブな連鎖が生まれるからです。
卒業して社会に出れば、学生時代には経験しなかったような困難に見舞われることがあるかもしれません。だからこそ、自らウェルビーイングを実践することが大事だと考えています。仕事の質を高め、良好な人間関係を築くためにも、これからも努力を続けていきたいです。
齋藤 由佳さん

JWPのメンバーに加わってから、「幸せってなんだろう?」と考えることが増えました。
そして、幸せは身近なところにあると気付きました。同時に、上京して大学に通う私をサポートしてくれた両親や、JWPで共に活動してきた仲間たちの存在のありがたさを再認識し、それが私のウェルビーイングを形作っているのだと実感しました。
このような経験から、卒業論文はウェルビーイング経営をテーマに執筆。より深くウェルビーイングを学び、企業が考えるウェルビーイングの意味や捉え方、経営の動向を知ることができ、自分の中にこれまでにない新たな価値観が生まれたと感じています。おかげで、社会に出るための準備も整いました。
牛尾 恋々さん

JWPに参加した当初はウェルビーイングという言葉すら知りませんでしたが、活動を続けていくうちに小さな幸せを敏感に感じ取れるようになりました。
たとえば、家族そろって食卓を囲む——、それだけでとても幸せなこと。日々の生活の中にある幸せを感じ取る力が増したことで、自然とウェルビーイングを実践できているように思います。
そんな中で、人を笑顔にすることが自分の幸せに直結していることにも気付きました。「誰かの笑顔の始まりが私でありたい」、それが私のモットー。治安が良く衛生的な日本では、幸せについて考える機会が少ないと感じています。だからこそ、自ら行動して幸せの輪を広げていきたいです。
遠藤 美和さん

大学3年生の2月、JWPの活動の一環として「女子大生フォーラム」の運営に携わりました。
その際、実行委員のメンバーそれぞれに個性があり自分らしさの基準が異なること、それを尊重して取り組む姿勢が重要であることを知りました。一方で、ウェルビーイング経営や幸福学についても知見を深め、自分らしさがウェルビーイングの一つの鍵だと考えるようになりました。
卒業後は営業職に就きます。お客様一人ひとりに寄り添い、誰一人取り残すことのない丁寧な関わりを大事にしていきたいです。同時に、社会に属するすべての人々のウェルビーイングを模索しながら、より良い世の中の実現に貢献していきたいと思っています。













